パナソニックは12月16日、冬の水道光熱費についての調査結果を発表した。調査は2025年12月2日~12月3日、全国に住む共働き世帯または専業主婦/主夫世帯で、日常的に家事をしている20~86歳の男女400名を対象に、インターネットで行われた。

○冬の水道光熱費、「給湯コスト」が意外な盲点に

冬場、「料金が増えている」「気になる」と感じる水道光熱費の項目を聞いたところ、「暖房」が73.0%と1位だった。次いで「入浴」が38.3%で2位に続くが、毎日行う家事である「食器洗い」と回答した人はわずか5.3%にとどまった。

しかし、資源エネルギー庁のデータによると、家庭における用途別エネルギー消費では、「暖房」よりも「給湯」の方が大きな割合を占めている。多くの人が「冬は暖房費がかかる」というイメージに捉われがちだが、実際には家庭内でトップクラスのエネルギーを消費している「給湯」が、完全にノーマークとなっている。これこそが、冬の家計における意外な盲点と考えられる。

また、冬場の水道光熱費全体で気になる項目としても「電気代」が62.5%で1位と突出しており、「水道代」は3.8%、「燃料・ガス代」は23.0%と関心は相対的に低い結果となった。リビングのエアコン設定温度や照明には厳しくても、キッチンの蛇口から流れるお湯が「隠れコスト」になっていることには、意外と気づかれていない事実が明らかになった。

○約8割がガス代・水道代の"二重負担"に陥っている可能性も

なぜ、これほど食器洗いのコストが見過ごされているのだろうか。冬の食器洗いで最も負担に感じることを聞いたところ、1位は34.0%の「水の冷たさ」だった。この「冷たさ」を回避するため、全体の77.0%もの人が食器洗いに「お湯」を使用している。

また、「お湯で食器を洗う際にガス代と水道代が二重でかかっていることへの意識」について聞くと、約6割以上が「意識している」と回答している。しかし、「冷たい水で我慢するか」「コストをかけてお湯を使うか」という究極の二択を迫られた結果、多くの人が寒さに勝てず、結果的にコストがかかる「お湯」を選択せざるを得ない実態が見えてきた。
さらに、負担の3位には「手の乾燥」 が21.8%と上位にランクインしており、冬の食器洗いは「見えない出費」と「身体的負担」の両方が重くのしかかっている。

○約4割が手洗いの方が節約になると回答、損をしている可能性も

「手洗いと食洗機、どちらが水道光熱費を節約できるか?」という設問では、 約4割が「手洗いの方が安い」と回答した。依然として「機械を使うことは電気代がかかるため高い」というイメージを持つ層が一定数存在することがわかる。

「食器洗いの際の節約方法で実践していることはありますか」という設問では、33.8%が「水をこまめに止める」と回答し、節水の工夫をしていることがわかった。

物価高が続く中、多くの人が「水をこまめに止める」などの工夫を重ねているが、今回の調査データは、個人の工夫だけでは埋められない構造的な限界を示唆している。「手洗いの方が安い」という思い込みが、かえって冬場の家計を圧迫している。

節約アドバイザーの和田 由貴氏によれば、食洗機を使うと、手洗いと比較して使用水量を最小限に抑えられ、その結果、水をお湯にするためのエネルギー使用量も削減できるため、手洗いよりも光熱費を大きく節約することができるという。例えば、約5人分の食器を洗う場合、手洗い時にかかる水道代・ガス代・洗剤代の合計が年間で約46,200円になるケースでも、食洗機を活用すれば年間約22,300円と、半額ほどの節約につながる。
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