マイナビは12月18日、「年末年始休暇と転職に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年12月01日~12月04日、20~59歳の年末年始休暇がある正社員14,289名および、前月採用活動を行ったもしくは今後3カ月で採用活動を行う予定の中途採用担当者833名を対象に、インターネットで行われた。

○正社員の5人に1人以上が「あけおめ退職」を経験

年末年始休暇がある20~50代の正社員のうち、年明けの出社に同僚等が退職していた「あけおめ退職」を経験したことがある人は28.4%だった。

年代別で見ると、若い世代ほど経験率が高く、特に20代では41.1%だった。20代は転職率が比較的高いため、より身近な人の退職を経験しやすい可能性がある。

また、「あけおめ退職」を経験した際の感情について聞いたところ、「寂しい」「ショック」「驚き」といった感情に加え、「退職」という行動に対する共感や、「今よりも良い条件の職場を見つけている」「将来を考えて行動している」といった羨望に近い気持ちを示す回答も見られた。

また、「業績悪化への不安」や「人員減による負担増への懸念」など、推察を交えた現実的な声も含まれており、感情は一様ではないことがうかがえる。

「あけおめ退職」経験時の感情には個人差があるものの、身近な人の退職は少なからず個人に影響を与える可能性があると考えられる。

○年末年始休暇を通じて「会社を辞めたいと思ったことがある」30.8%

年末年始休暇を通じて「今の会社を辞めたい」と思ったことがあるかを聞いたところ、全体の30.8%が「辞めたいと思ったことがある」と回答した。

辞めたいと思ったタイミング別では、「連休中(18.5%)」が「連休明け(12.3%)」よりやや高かった。
年代別では特に20代で「連休中(24.9%)」が高い傾向が見られた。

辞めたいと思ったきっかけは、「給与や待遇への不満」「業務量の多さ」「人間関係の疲れ」など多岐にわたっており、帰省や友人との会話で現状を見直す機会が増えることや、長期休暇明けの負担が「辞めたい」という気持ちを高める要因となっている可能性がある。

○会社からどのようなサポートがあれば気持ちが変わるか

年末年始休暇を通じて「今の会社を辞めたい」と思った人に、会社からどのようなサポートがあれば気持ちが変わるかを聞いたところ、待遇面では「給与・ボーナスの増加」「福利厚生の充実」が目立ち、業務面では「業務負荷の均一化」「有休取得の容易化」や、「休暇明けは軽い業務から始める」といった意見も見られた。

さらに「正当な評価制度」「パワハラ排除」「個別ヒアリング」など、公平性や人間関係改善への要望も複数見られた。


一方で、「どんなサポートがあっても辞めたい気持ちは変わらない」という回答も一定数あり、サポートだけでは離職を防ぎきれない現実も示唆される。

○退職者が多い長期休暇は「年末年始休暇」がトップ

企業の中途採用担当者に「退職者が出た長期休暇」を複数回答で聞くと、「年末年始休暇(36.6%)」が最多で、次いで「ゴールデンウィーク休暇(35.2%)」、「夏季休暇(28.6%)」だった。

さらに「退職者がもっとも多かった長期休暇」をひとつ選んでもらったところ、「年末年始休暇(23.4%)」が最多で、次いで「ゴールデンウィーク休暇(21.0%)」、「夏季休暇(9.7%)」となり、企業にとって最も退職者が多い長期休暇は「年末年始休暇」となった。

一方で、「どの長期休暇後にも退職者は出たことがない」という企業も30.1%で、長期休暇は必ずしも退職者が出るリスクを伴うわけではないことが示唆された。
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