INPITは12月17日、令和7年(令和7年1月~11月)の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)における特許・意匠・商標文献へのアクセス状況を発表した。
○J-PlatPat のアクセス状況と注目度

同社が運営するJ-PlatPatは、どのような特許や意匠、商標がいつ、だれによって出願されたか、その出願が特許庁にどのように対応されたかなど、国内外の産業財産権についての検索、閲覧が無料でできるインターネットサービス。
J-PlatPatにおける特許文献等へのアクセス数は、当該特許文献等に記載されている技術自体やビジネス上の注目度等、社会的な関心を示唆する1つの指標と言える。

○産業財産権(特許(実用新案)・意匠・商標)ランキング

産業財産権(特許(実用新案)、意匠、商標)のランキングは上記のようになった。それぞれの1位は、特許庁の各種教材やコラボ企画としても使われたのも理由の1つだが、それ以外は、話題になったニュースや時代を反映した商品に基づく権利も多い。

特許(実用新案)1位はコクヨの「消しゴム」


特許(実用新案)1位はコクヨの「消しゴム」(特許4304926)だった。この特許をもとに商品化されたカドケシは、商品名の「カドケシ」で商標権と、商品の構造で特許を取得、10個のキューブをつなげたカドが28個あるデザインで意匠登録されている。昨年も2位にランクインしており、非常に高い関心を得ていることがわかる。

5位には、SUPER MARKITの「小道具」 (特許6366202)がランクインした。ロバート秋山氏の体モノマネTシャツとして知られている。この特許は、新規性、進歩性につき、特許要件を満たしていないという理由で特許庁から拒絶の判断を受け、特許取得まで2年かかっている。シャツの表面に自分の目と顔の輪郭と同じ位置の目印を配置することで、素早く別人の顔に変わることが可能になるという新規のアイデアで、拒絶査定が取り消され特許登録となった。

○意匠1位はbatonの「早押し解答機」

意匠1位は、batonの「早押し解答機」(意匠登録1779915)となった。これは特許庁と、株式会社batonが運営する「QuizKnock」のコラボ動画企画で生まれたもので、学校の教室で授業で使うために考案された。
コラボ動画では、現役審査官に登録の可能性を指摘され、実際に2024年の9月に登録になっている。

○商標1位はキッコーマン「萬」のロゴ

商標1位はキッコーマンの「萬」の字のロゴマーク(登録0050131/46)。元のロゴマークは明治から続く商標で現在も登録が維持されている。
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