本格的な冬に入り、暖房器具はフル稼働というご家庭も多いと思います。そうなると光熱費が気になりますね。
そこで今回、主要な暖房器具8種類の1時間あたりの光熱費を試算し、ランキングにしてご紹介します。あわせて、光熱費を少しでも抑えるための暖房器具の使い方についても解説します。
暖房器具別1時間あたりの光熱費
一般的に使われる次の8つの暖房器具の1時間あたりの光熱費を試算してみたいと思います。
エアコン
電気ストーブ
電気ファンヒーター
ガスファンヒーター
石油ストーブ
オイルヒーター
こたつ
ホットカーペット
<試算の前提条件>
電気料金: 31円/kWh(電気料金目安単価)
ガス料金: 150円/㎥(都市ガス料金参照)
灯油価格: 120円/L(全国平均)
「強運転」を想定
*エアコン
消費電力: 約700W(10畳タイプ)
1時間あたりの電気代は約22円になります。
エアコンはつけ始めが一番電力を消費し、設定温度に達した後は低出力で運転するので、長時間使用した場合のコストパフォーマンスは高くなります。また、部屋全体を暖めることができるので、リビングでの使用に適しています。
*電気ストーブ
消費電力: 800W
1時間あたりの電気代は約25円になります。
電気ストーブは、スイッチを入れるとすぐに暖かくなりますが、暖められる範囲は狭いため、メインではなく補助的な暖房としての使用に向いています。
*電気ファンヒーター
消費電力: 1000W
1時間あたりの電気代は約31円になります。
熱源から発生した暖かい空気をファンで送り出すため、消費電力は高めです。狭い範囲をすぐに暖められます。
*ガスファンヒーター
ガス消費量: 4kW (平均)
<計算式>
ガス消費量×3.6MJ/h÷ガスの発熱量45MJ/m³×ガス料金
※1 kWh = 3.6 MJ
※都市ガス13Aの場合
1時間あたりのガス代は約48円になります。
これに加えて消費電力18W程度が加算されますが、電気代は僅かなので省きます。ガスファンヒーターは暖房能力は高いものの、ガス代がかかるので長時間使用には注意が必要です。
*石油ストーブ
燃料消費量: 0.3L/h
※木造11畳コンクリート15畳タイプ
1時間あたりの灯油代は約36円になります。
石油ストーブは暖房能力が高く、電気を使わないため、停電時や災害時に効力を発揮します。また、ストーブの上で湯を沸かせるタイプのものであれば、加湿効果も期待できます。
*オイルヒーター
消費電力: 1200W
1時間あたりの電気代は約37円になります。
オイルヒーターは空気を汚さず、じんわり暖かいのが特徴です。暖まるまで時間がかかりますが、風を出さないため部屋が乾燥しない点がメリットです。電気代は高めです。
*こたつ
消費電力: 300W
1時間あたりの電気代は約9円になります。
部屋全体は暖まりませんが、足元を暖めることで体感温度を高められます。電気代が最も安く、光熱費を抑えたい人に適した暖房器具です。
*ホットカーペット
2畳タイプ: 約10円
3畳タイプ: 約15円
1時間あたりの電気代は約10円~15円になります。
冷えがちな足元を暖められるため、エアコンとの併用で暖房効果を高めることができます。使っていない部分をオフにできるタイプのホットカーペットなら電気代を抑えられます。
光熱費がかかる暖房器具ランキング
ここまでの試算結果をランキングにしてみましょう。
最も光熱費がかかる暖房器具はガスファンヒーターでした。次いで、オイルヒーター、石油ストーブが続きます。電気ファンヒーターと電気ストーブはそもそもの暖房能力が低いので、サブ暖房としての位置づけになるでしょう。
エアコンは部屋全体をしっかり暖められるうえ、1時間あたりの電気代は約22円と比較的安く、コストパフォーマンスに優れた暖房器具と言えます。
また、ホットカーペットやこたつはスポット暖房にはなりますが、電気代が安いため、エアコンなどと併用して使うと効果的です。
光熱費を抑えられる暖房器具の使い方
暖房器具にはそれぞれ得意・不得意があります。
1.エアコンとスポット暖房器具を組み合わせる
エアコンをメイン暖房にして、こたつやホットカーペットなどの体に近い部分を直接暖められる暖房器具を組み合わせると体感温度を上げることができます。その結果、エアコンの設定温度を下げることができます。エアコンは設定温度を1度下げると消費電力量を約10%削減できると言われているので、電気代の節約につながります。
2.電気ストーブやファンヒーターは「短時間・ピンポイント」で使う
スイッチを入れるとすぐに暖かくなる電気ストーブやファンヒーターは、朝の身支度の時や、帰宅してすぐに暖まりたい時などに、短時間だけ使うようにすると電気代を気にせずに済みます。
3.ガス・石油系の暖房器具は使う時間を決める
ガスファンヒーターや石油ストーブは、暖房能力が高い反面、光熱費が高くなりがちなので、寒い時間帯だけ使う、部屋が暖まったらエアコンに切り替えるなど、使う時間を限定すると、家計への負担を和らげることができます。
4.長年使っているものは思い切って買い替える
暖房器具をはじめとする電化製品は、年々省エネ性能が向上しています。そのため、長年使用しているものは思い切って買い替えると電気代を大きく節約できることがあります。また、暖房器具は古くなるほど、火災や漏電といったトラブルのリスクも高まります。一般的な耐用年数はおおむね10年程度とされているため、使用年数が長い場合は、安全面も考慮して買い替えを検討するとよいでしょう。
石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。











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