LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は12月17日、「LIFULL HOME'S 2026年トレンド発表会」を 開催し、来年の注目トピックス5つを発表した。

LIFULL HOME'Sが取り上げた来年のトレンドワードは、「卒・タワマン所有主義」「こちくら郊外」「新築氷河期」「0LDK」「住まい探しもAI相談」の5つ。


「卒・タワマン所有主義」とは、タワマンの価格高騰が進み、将来的な修繕積立金や管理費といったランニングコストの上昇も考えられる中、ステータスとしてのタワマン所有に固執せず、価格高騰の好機に売却して利益を確定し、よりコスパの良い物件へ住み替える考え方のこと。売却益を趣味や老後に充て、自分らしい生活を再構築するこの動きは、人生の自由度と質を高める新しい都市生活者の出口戦略といえる。

「こちくら郊外」とは、有料座席や新幹線で快適に通勤しつつ、豊かな生活を送れる郊外エリアを意味する。ハイブリッドワークの普及で出社機会が残るなか、都心の不動産高騰を背景に、理想の広さや自然を求めて都心から離れる層が増えている。鉄道各社の着席サービス拡充により、特急停車駅などでは物件への問い合わせも増加。移動の快適さと割安な住環境を両立するこの選択は、QOLと経済合理性を求める人々の主要な選択肢となっている。

「新築氷河期」とは、首都圏の新築マンション価格が一般の手に届かないほど高騰し、購入が困難な状況を指す。LIFULL HOME'S総研の調査では、直近3年以内の新築購入者は3.6%に留まり、約96%が購入を見送るか検討すらしていないという。この状況を打破するには、築古でも管理良好な物件の選定や、知名度の高い駅を避ける「ずらし駅」戦略が有効とのこと。50年の超長期ローンの活用なども、この氷河期を乗り越える現実的なカギとなるという。

「0LDK」とは、固定壁を排除して一つの大きな空間として暮らすスタイルのこと。首都圏のマンション市場では価格高騰と専有面積の縮小が進んでおり、従来の部屋数を重視する間取りでは各居室が狭くなる課題がある。
そこで中古物件のリノベーションによりデッドスペースを削り、視覚的な広さを最大化する手法が登場した。これは立地条件を優先しつつ、空間の質を高める考え方で、家具や仕切りで機能を自由に変更できるため、ライフステージに合わせて間取りを柔軟に調整できるのが利点であるという。

「住まい探しもAI相談」とは、引っ越しや住まい購入といった住み替えなどの大きなライフイベントで、今後、生成AIの活用が増えると予測されること。LIFULLも、ポータルサイトに代わる統合型AIエージェントとして「LIFULL AI」を発表した。情報収集は従来の「自ら条件を指定して探す」スタイルから、AIが個人の文脈や潜在的な望みを理解し、パーソナライズされた最適解を「受け取る」スタイルへとシフトチェンジへと進化していく。
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