昨年7月に芸能活動をスタートし、グラビアを中心に一気に注目度が増した蒔埜ひな。大学生から芸能界へ飛び込み、この1年で経験した急激な環境の変化は、彼女自身も「濃密だった」と振り返るほどだ。
今回は、活動開始から1年が経ち、2年目をスタートさせている蒔埜にインタビューを実施。結果が出た喜び、オーディションの悔しさ、自分を見失いかけた時期、そして主演映画の決定──アップダウンの大きな1年をどう受け止め、どんな成長を手にしたのか。“1年目のリアル”に迫る。
○今年7月でデビュー1周年 躍進の1年を振り返る
――今年5月のインタビューでは、これまでの経緯や芸能界に入ったきっかけ、グラビア活動についてお話を伺いました。今回は、7月で活動開始から1年という節目を迎えたということで、この芸能活動1年目を振り返っていただこうと思います。
よく「あっという間だった」と言う方もいますが、私個人としては、本当に長く感じました。あっという間っていう言葉では表せないくらい、密度が濃く、思いが詰まった1年目でした。
――濃い1日を過ごしてきた1年目だったと。
そうですね。毎日毎日が本当に濃密でした。事務所に入る前は、ただの大学生で、何者でもなかったんです。でも、事務所に入ってからは、「絶対にがんばる」という強い気持ちを持っていたので、1日1日の過ごし方が、大変だったバレーボール部時代よりももっと濃かったです(笑)。
――昨年7月に芸能活動をスタートし、すぐにグラビアで話題にもなりました。環境の変化についてはどう感じていましたか?
知り合いから「見たよ」と連絡をもらったり、グラビアから次のお仕事が決まったりと、目に見える形で結果がついてくるのが嬉しかったです。それまでは本当に何の仕事もなかったので、今こうしてお仕事をいただけていることに、すごく感謝しています。
――1年目を通じて、自分自身が成長したなと思うことはありますか?
「経験から得た知識」は大きな財産だと思います。オーディションにたくさん落ちたからこそ、「次はこうしよう」と考えられるようになって、準備の質も変わったと思います。落ちて、落ち込むだけということはなくて、「これは次に受かるためのステップ」と思えるようになったのも成長かなと。ここはバレーボール部時代のメンタルも活きているのかもしれません。
――逆に、「ここはもっと成長させたい」と感じた部分はありますか?
「1年目だから」と言ってしまえばそれまでなのですが、それでも子役からやっているような方々と並んだときに、技術や経験の差を感じてしまうことがありました。なので、これかからは、その差を埋められるように、できることは全部やろうと思っています。
――具体的には、今どんなことに取り組んでいるのでしょうか?
今はお芝居と声のレッスンに通っています。でも一番大事にしているのは、自分と向き合う時間です。レッスンや現場に出る前に、「自分自身とちゃんと向き合う」ということが、すごく大事なことだと思っていて。
○自身を“放棄”してしまった時期も……
――前回のインタビューの時も感じたのですが、蒔埜さんは1年目とは思えないほどしっかりしていて、考え方がとても成熟していますよね。
そう言っていただけると嬉しいです。ただ、「考えすぎてしまう」性格だなと思っていて、それが長所でもあり、短所でもあるというか……。でも、私はそれを長所にしたいと思っているので、こうやってお話しするようにしています。
――この1年で「大失敗だったな」と思うような出来事はありましたか?
実は、自分自身を放棄してしまった時期があって……仕事を放棄したわけではなく、自分の体や心を大事にできなかったんです。この仕事は私自身が表に出るので、自分のコンディションを整えることが大事なのに、それをないがしろにしてしまった時がありました。
――具体的には、どんな状況だったのでしょうか?
暴飲暴食してしまって、食事管理やジムに行くのをサボってしまったりしていました。
その時期の自分の体の状態は本当に最悪で、「このままじゃ仕事に行けない」「ファンの方に見せられない」と思ってしまうくらいでした。
でも、そういう時期があったからこそ、今は自分を大切にすることの重要さを改めて感じています。
――放棄してしまった理由について聞いてもよろしいですか?
いろんな思いが重なって、きっと心も体も疲れていたんだと思います。でも、それも覚悟の上で上京してきたので、今は自分の中できちんと消化できています。
――そういった経験から、気持ちを立て直したきっかけは何だったんですか?
落ち込んだときは、この仕事を始めた頃の気持ちを思い出すようにしています。東京に出てきた時の希望や、キラキラした気持ちを思い出すことで、「もう一度頑張ろう」と前を向けるんです。
――初心を思い出すのは大事なことですね。様々な経験をしてきた蒔埜さんが、お仕事を通じて、学んだことがあれば教えてください。
私一人では何もできないということです。作品が成り立つのも、現場に立てるのも、支えてくれる方々がいてこそだと実感しました。フリーで活動していた頃に、自らを売り込む大変さを知っているからこそ、マネージャーさんが営業をしてくださることも、本当にありがたいと思っています。
○短編映画『宍の涙』で映画初主演
――蒔埜さんは、12月27日に「新生残酷映画祭」で上映される短編映画『宍の涙』で主演を務めます。今回が短編映画初主演だそうですね。
ショートドラマでは、主演をさせていただいたこともあるんですが、映画作品の主演というのは初めてです。お話をいただいたときは、「主演ですか?」「やったー!」っていう気持ちでいっぱいで、芸能活動を始める前のキラキラした気持ちがよみがえった感じがしました。
――以前のインタビューでも、主演を目標にしていたというお話もされていました。
はい。今年中に主演を務めるというのが目標でした。実は冷蔵庫に「今年の目標」と「何年後の目標」という紙を貼っていて、その中で今年の目標に「主演をやる」ということも書いてあったので、夢が一つ叶いました!
――改めておめでとうございます! 冷蔵庫には、ほかにどんな目標が貼ってあるんですか?
今年中に叶えたいこととしては、「地上波のCMオーディションに受かりたい」「TGC(東京ガールズコレクション)に出演したい」とかがありました。先の目標にはさらに大きなことも掲げていて、日々「今なにをクリアすればそこに近づけるか」を意識するようにしています。目標を達成して、そこにバツ印をつける瞬間が一番嬉しいです!
――地上波CM、TGCも来年達成できるといいですね! 今回の主演作品はホラー作品とのことですが、ホラー作品と聞いたときはどう感じましたか?
実は、事務所に入るときにマネージャーさんにも「やりたいことリスト」を提出したんです(笑)。その中に「ホラー映画に出演する」というのもあって。それも同時に叶ったんです(笑)。まさかこんなに早くホラー作品のお話をいただけるとは思ってなかったので、すごく嬉しかったですし、驚きも大きくて、ちょっとパニックになりました(笑)。
――目標に掲げるということは、普段からホラー映画をご覧になるんですか?
ほとんど観ません! 最後にちゃんと見たのは『カラダ探し』です(笑)。基本的に怖くて観られなくて、指の隙間から覗くようにして観ます。
克服したい気持ちもありましたし、『貞子』に出演されていた池田エライザさんの演技がすごく印象的で、「私もホラーに出たい!」という思いが強くなりました。
――なるほど。
現場は全く怖くなかったです(笑)。皆さんがすごく和やかで、笑いながら撮影していたので、むしろ楽しかったです。完成した作品も観られると思いますし、ホラーが苦手な方でも見やすい感動的な物語になっているので、ぜひ多くの方に観ていただきたいです。
――いわゆるお化け役の方とも共演シーンがあると思いますが、そういったホラーなビジュアルは大丈夫でしたか?
全然大丈夫でした! むしろすごく仲良くなって(笑)。髪の長い“THE・お化け”という見た目ではなくて、未確認生物のようなビジュアルだったので、逆に好きになっちゃいました。
○主演として現場に立ったことで得られた“気づき”
――ちょっと妖怪寄りなんですね(笑)。主演として現場に立ってみて、これまでの現場との違いを感じた部分はありましたか?
やはり感覚が違いました。今回は周りの方が一生懸命お芝居してくださったものを、私が全部受け取って、物語の目的に向かって突き進む感覚があって。今までは、逆で主人公に刺激を与えるような役柄が多かったのですが、今回は自分がその中心になることで、「こういう立ち回りをもらうと演じやすいんだな」という新しい気づきも得られました。今後にもすごく活かせると思います。
――最後に、映画を観る方に向けて、特に注目してほしいポイントを教えてください。
表情です! 作品のために鏡と1時間以上“にらめっこ”をして、目の開き方や顔のゆがませ方など、細かく研究しました。
■蒔埜ひな
2004年2月12日生まれ。高知県出身。身長165cm。趣味はカメラ、絵を描く、体を動かす、ピアノ、豆苗栽培。特技はバレーボール。2024年7月に芸能界デビュー。『週刊プレイボーイ』で初グラビアを飾った。そのほか映画『お嬢と番犬くん』、映画『青春ゲシュタルト崩壊』に出演するなど女優としても活動の幅を広げている。2025年12月27日開催の「新生残酷映画祭」で上映される短編映画『宍の涙』で主演を務める。2026年2月12日には、1st写真集の発売も控えている。











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