エンは12月22日、「冬季賞与」についての調査結果を発表した。調査は2025年11月18日~12月8日、同社が運営する「人事のミカタ」を利用する従業員数299名以下の企業131社を対象にインターネットで行われた。

○87%の中小企業が冬季賞与を「支給予定」

2025年、冬季賞与を支給するか尋ねると、87%が「支給予定」と回答。昨年と比較すると、支給予定の企業は3ポイント減少した(2025年:87%、2024年:90%)。

○増額企業は昨年よりも12ポイント減少

冬季賞与を支給する企業に、昨年と支給額に変動があるか尋ねると、36%が「増額する」と回答。昨年と比較し、増額する企業は12ポイント減少した(2025年:36%、2024年:48%)。業種別で、昨年よりも増額する企業が多かったのは「不動産・建設関連」(47%)、「IT・情報処理・インターネット関連」(42%)、「人材関連」(40%)だった。

昨年よりも今年の冬季賞与を増額する企業に、どのくらい増額するか尋ねると、「1%~3%未満」(31%)が最多。増額する理由上位は「社員の意欲向上」(69%)、「業績が好調」(62%)、「物価上昇への対応」(60%)だった。

続いて、昨年よりも減額する企業に、どのくらい減額するか尋ねると、「15%以上」(25%)が最多だった。減額する理由については「業績不振」が75%で最も多い回答となった。また、社員への賞与支給に関しての悩みや課題を質問したところ、トップは「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」(47%)となった。

賞与支給に関する悩みを具体的に尋ねたところ、「社長の好き嫌いで査定される」(建設・不動産関連/企業規模10~29名)、「海外の親会社から賞与の予算が下りてこないと、日本オフィスでの賞与支給の有無や金額を決められない」(金融・コンサル関連/企業規模30~49名)、「原資が少ないため、社員間での金額の差をつけにくい」(メーカー/企業規模50~99名)といった回答が寄せられた。
○48%が「景気の上昇や回復を感じない」と回答

昨年と比較し、景気の上昇や回復を実感できているかを尋ねると、48%が「感じない」(どちらかというと感じない:33%、まったく感じない:15%)と回答した。
景気の上昇や回復を「感じる」と回答した企業は23%に留まった(非常に感じる:2%、どちらかというと感じる:21%)。

また、2026年に取り組みたい課題や展望についても尋ねると、トップは「人材の強化(採用・育成)」(75%)だった。

景気回復の実感について、具体的なコメントを紹介する。

「非常に感じる」「どちらかというと感じる」と回答した企業からは、「この景気回復はインバウンド需要の増加によるものだと思っている」(教育/企業規模50~99名)、「公共工事の発注単価も上がってきているため。ただ、物価がそれ以上に上がっているので、利益のあげにくさも感じている」(建設・不動産関連/企業規模100~299名)との声が挙がった。

「まったく感じない」「どちらかというと感じない」と回答した企業からは、「特に主要取引先の自動車業界の景気があまりよくないと感じる」(商社/企業規模50~99名)、「現場ではむしろ、これから低迷しそうな状況が見受けられる」(建設・不動産関連/企業規模100~299名)といった声が寄せられた。

2025年に取り組みたい課題や展望についても具体的に尋ねた。

「社員によって業務に取り組む姿勢に差があるため改善したい」(メーカー/企業規模30~49名)、「既存事業の基盤を強くしないと、新しい分野への事業展開ができないと感じている」(商社/企業規模50~99名)、「全社的に人手が足りず、新規の入札が取れないなどの弊害が出ている。また、若手の給与改善に対し、中堅層から不満の声も出始めている」(建設・不動産関連/企業規模100~299名)、「まずは収益性の向上を目指したい。女性社員が少ないため新たに採用をしなければならないが、収益を上げていかないとその分の予算が確保できない」(サービス関連/企業規模100~299名)といったコメントが寄せられた。
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