アスマークは12月18日、「収入と貯蓄に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は2025年9月19日~9月24日、20~50代の男女800人を対象にインターネットで行われた。
○貯蓄総額は10年間で「低貯蓄層(100万円未満)」が半減
全体を見ると、2015年から2025年にかけて「低貯蓄層(100万円未満)」が25.3%から13.0%へと大幅に減少しており、貯蓄額の底上げ傾向がみられた。
しかし、減少したとはいえ2025年時点でも、「わからない」を除くと「100万円未満」が13.0%と最も高い割合を占めており、貯蓄が少ない層も依然として多い傾向にあった。一方で、「500~1,000万円の層」が年々増加傾向にあり、特に「3,000万円以上」の層も全体の5.6%存在している。このような結果から、全体として資産形成が進んでいる実態がうかがえる。
○「月々の貯蓄はしていない24.8%
月々の貯蓄習慣については、「月々の貯蓄はしていない」という回答が過去2回と比べ最も高く、全体の24.8%となった。2021年から2025年にかけては4.4pt上昇しており、物価高などの影響で収支の余裕がなくなっている可能性がうかがえる。
属性別に見ると、未婚層では「貯蓄をしていない」割合が30%を超える高い水準となった。一方で、男性20~30代既婚(12%)、女性20~30代既婚(11%)ともに、他の層と比べて著しく低く、若年既婚層における貯蓄意識の高さが際立つ結果となった。
○貯蓄理由は「老後資金のため」がトップ
貯蓄をする理由のトップは「老後資金のため」で56.6%と過半数を占めた。次いで「将来に不安があるから(45.2%)」、「貯蓄があると安心できるから(43.0%)」が続き、上位3項目はいずれも将来への備えや精神的な安定を求める内容となった。
しかし、これら3項目を2021年の調査と比較すると、10pt近く減少している。コロナ禍が明け、消費や体験を目的とした「使うための貯蓄」へと意識が変化している可能性がある。
また、2025年の結果では「貯蓄があると安心できるから」の回答において男女差が際立っており、女性のほうが14.2pt高かった。中でも、女性20~30代既婚が56.2%と著しく高く、女性のほうがより将来への保障や安心感を求めている傾向がわかる。
○収入の満足度、未婚層を中心に不満が高まる傾向
収入に対する「不満計(不満+やや不満)」は2015年の過半数超えから、2025年には約4割まで低下しており、全体としては改善傾向が見られる。
とはいえ、2025年においても「満足計」(満足+やや満足)は24.1%に対して、「不満計」は41.5%と大きく上回っており、現状の収入に納得していない人が多数派であることが明らかとなった。
しかし、属性別でみると、男性20~30代既婚のみ特異な傾向が見られた。「満足」の回答が20%と突出して高く、逆に「不満」は10%と際立って少なく、現状に満足している様子がうかがえる。一方で、不満が高かったのは男性40~50代未婚層で、48.0%が不満を感じており、全世代を通じて未婚層ほど不満寄りの回答が多い結果となった。











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