コスモエネルギーホールディングスはこのほど、植物の無消費素材の有価物製造および副産繊維からのバイオエタノール製造事業の加速に向け、S-Bridgesへ出資を実行して業務提携契約を締結した。

○■共同検討を進める、無消費の植物由来バイオエタノール製造事業とは?

S-Bridgesは、植物の未利用資源を100%有価物化することをめざしており、食品加工のプロセスで未利用となっている植物素材(茶葉やコーヒー原料など)の食品未加工を含む無消費素材からタンパク質、液肥原料などの有用成分を抽出する「Cell Breaker」システム(以下「CBシステム」)を有している。


このCBシステムによる有用成分の抽出工程では、セルロース系繊維が副次的に得られる。コスモエネルギーホールディングスは、このセルロース系繊維を非可食由来のバイオエタノールの原料として活用することに着目し、2025年9月よりS-Bridgesと共同検討を開始した。

同取り組みにより、工場および農場で無消費となっている植物素材を有効活用し、有用成分と同時に得られるセルロースを原料とすることで、原料コストの低減やエタノール製造プロセスの効率化が期待でき、ゼロエミッションに貢献し、サーキュラーエコノミーを実現。今後は国内の食品・飲料工場への展開を通じて、国産由来の安価なエタノール供給や資源循環、エネルギーセキュリティの向上をめざす。
○■Vision2030への寄与

同件は、コスモエネルギーグループが掲げる中長期目標「Vision2030」における「石油事業の競争力強化・低炭素化」に資する具体的施策のひとつ。エタノールを含む次世代燃料原料の安定確保を通じ、低炭素社会の実現に向けた取り組みを加速する。
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