「SNKRDUNK」(以下、スニダン)を運営するSODAは12月18日、2025年の取引データにおけるトレンドや傾向を振り返る「スニダントレンドレポート2025」を発表した。

○スリフトブームで中古アパレルの取引が急増

リユース業界の市場規模は、3兆2628億円に達し、右肩上がりに成長が続いている。
なかでも、ファッション領域は「ブランド品」が前年比15.7%増の4230億円に拡大し、「衣料・服飾品」の6392億円と合わせ、初めて1兆円を超えている。世界的なスリフト(古着・中古品)ブームや、若者を中心に節約にもなるサステナブルなショッピングへとシフトしており、セカンドハンドを取り入れたスタイルが、賢くスタイリッシュなものであると支持されている。

スニダンでは、2025年4月にアプリの出品機能のリニューアルを実施した。市場拡大の勢いもあり、機能アップデート後は同サービスにおける中古アパレルの出品数が前年比2倍を超え、取引が急増している。物価上昇が続く中で、「欲しいブランドアイテムをお得に手に入れたい」という人や、鑑定付きで安心・安全なスニダンで中古アパレルを取引する人が増えたことが明らかになった。

○POPMART「ラブブ」が人気

2025年爆発的な人気となったラブブは、BLACKPINKのLISA氏がSNSで紹介したことで世界的な人気に火をつけ、独特のデザインとブラインドボックスの入手困難な希少性が、Z世代を中心に「持ちたい」「集めたい」という熱狂を生み出し、2025年人気を集めた。スニダンでも2025年7月に取引数が急激にスパイクし、市場が過熱していることが見て取れる。

人気に比例する形で、偽造品の流通も深刻化した。市場が本格的に拡大する前の2024年中は、偽造品の着荷は確認されていなかったが、流通量が増加し始めた2025年1月に初めてラブブの偽造品が確認されるとその後は右肩上がりに増加した。2025年7月には偽造品着荷数が2025年1月の約2.7倍にまで膨れ上がっており、人気の高まりが偽造品の流入を招いている実態が明らかになった。

○クロムハーツの取引数が急増

今年に入って出品機能および検索機能を改善したことで、ラグジュアリーブランドの中古アイテムの出品が増えている。なかでも、「クロムハーツ」のアイテムはスニダンでの取引数が急増しており、多くのアイテムが最速1秒で取引が成立している。
さらに2025年9月中は、4点に1点の「クロムハーツ」のアイテムが1日以内に売れており、人気の高さが伺える。

○PSAポケカの流通取引総額、前年比約6.8倍

2025年9月、スニダンは世界最大のトレーディングカード真贋鑑定・グレーディングサービス機関「PSA」と日本国内でのグレーディングサービスの拡充を目的とし、パートナーシップを締結。PSA 公式直営店舗「PSA Lounge Tokyo」 をスニダントレカ秋葉原店5階にオープンした。

スニダンにおける2025年のトレーディングカードの流通取引総額は前年比約5.5倍、その内最も取引量の多いポケモンカードのPSAグレーディングカードの流通取引総額は前年比約6.8倍と、取引量が大きく伸びている。「楽しみながら価値も守る」価値観が広まり、トレーディングカードの価値、保証、流動性を高めるために真贋鑑定・グレーディングをおこなう人も増えている。トレカカテゴリーの取引額の50%以上は「PSAグレーディングカード」が占めている。2025年もその人気はとどまることをしらず、コレクションとしての楽しみと資産価値の両面があり、長期的な資産運用やコレクションとしてPSAグレーディングカードを持つ人が増えている。

なお、2025年にスニダントレカ秋葉原店で最も高値で売れたPSAグレーディングカードは、「ピカチュウ アートアカデミー PSA10」だった。

○「スニーカーローファー」が大流行

スニーカーとローファーの双方の特徴を備えた靴「スニーカーローファー」が2025年のスニーカートレンドに。ニューバランスが24年に発売した「1906L」が「スニーカーローファー流行の火付け役」と言われており、 24年1月のパリコレでファッションブランド「ジュンヤ ワタナベ マン」とのコラボモデルとしてお披露目され、注目アイテムとなった。

ニューバランス以外にも、HOKA(ホカ)の「スピード ローファー」や、NIKE初のスニーカーローファー「AIR MAX PHENOMENA(エアマックス フェノメナ)」などのモデルが話題になった。スニーカーの歩きやすさはありつつも、フォーマルもカジュアルもあわせやすく、仕事でも私生活でも使える点が人気の要因で、「スノーファー」という略称でも呼ばれている。
ニューバランス「1906L」のスニダンでの取引数も前年比約14倍となっており、人気の高さが伺える。

人気急上昇ファッションブランドランキング


2025年に人気が急上昇したファッションブランド1位は、「CASIO(カシオ)」だった。人気の理由は、腕時計の造形と機能を指輪サイズに凝縮した「リングウオッチ」によるもの。2024年12月にカシオの時計事業50周年を記念した企画で発売された「50th アニバーサリー カシオ リングウォッチ "ステンレススチール"」は即完となる人気で、このアイテムが日本国内で2025年6月に再販されると、一気に注目が集まった。2025年10月に登場した新作「ゴールドカラー」もSNSを中心に話題となった。

2位の「MLB(メジャーリーグベースボール)」は、村上隆氏とのコラボ限定コレクションが人気を集め、遊び心あふれるモチーフを取り入れた特別デザインのユニフォームやTシャツ、キャップなどはスニダンでも人気アイテムとして数多く取引された。

3位にランクインしている「Levi's(リーバイス)」は、2025年にコラボアイテムがたくさん登場したことが人気の要因。「リーバイスxサカイ」「リーバイス×ナイキ」「リーバイス×バブアー」などの話題のコレクションが登場した。

4位の「THUG CLUB(サグクラブ)」は、韓国発のラグジュアリーストリートブランドで、挑戦的且つ個性的なデザインで世界から注目が集まっている。特に注目が集まったのは「サグクラブ × アディダス」コレクションで、取引数も急上昇したアイテムとなった。
○スニーカー取引数ランキング

スニーカーは人気シリーズの「Air Force 1(エアフォース 1)」「AIR JORDAN 1(エアジョーダン 1)」が上位を席巻した。注目としては、5位にウィメンズ スニーカーがランクインしており、スニダンで女性スニーカーの取引量が伸張していることがわかる。

○ポケカPSA取引数ランキング

ポケカPSAの取引数は、さまざまなプロモーションカードの「ピカチュウ」が上位を占める結果となった。ブラッキーex SARは、2025年非常に人気の高いポケモンカードだった。ブラッキーはイーブイ進化系の中でも特に人気が高く、高レアリティカード(スペシャルアートレア)の希少性・コレクション性も相まって需要が高まっている。
○偽造品が特に多かったファッションアイテム

2025年、アパレルにおける偽造品の流通は拡大傾向にある。SNSを通じた新作や限定商品の情報拡散スピードは年々速まり、その熱量に便乗するかたちで偽造品が市場に出回るケースが増加した。スニダンが今年6月に実施した利用者調査では、約6割が「偽造品が届く不安がある」と回答し、5人に1人が「実際に購入経験がある」ことが明らかになり、偽造品は“身近なリスク"となりつつある。

2025年スニダンの鑑定現場において、偽造品の着荷件数が多かったスニーカー1位は「UNION × Nike Air Jordan 1」だった。UNION(ユニオン)と「エアジョーダン 1」のコラボは、2018年に第1弾が大ヒットしたため、「第2弾も間違いなく人気になる」という注目商品であったことから、発売前から偽造品が数多く流通したといわれている。

3位には「Nike Women's Air Force 1」がランクイン。「エア フォース 1」は女性人気も高く、定価で手に入る定番商品だが、"欲しい人"が多いことを背景に偽造品が作られている。スニーカーについては、「希少性があるプレミア価格のつく商品」と「定価で手に入る人気の定番商品」の2つの傾向で作られていることが、偽造品の最新トレンドといえる。また、これまではメンズスニーカーの偽造品が数多く流通していたが、2025年はレディーススニーカーの偽造品も増えている傾向にある。


アパレルの偽造品に関しては、FEAR OF GOD ESSENTIALS(フィアオブゴッド エッセンシャルズ)の偽造品流通が特に多い結果となった。手頃な価格帯で人気を集めるディフュージョンライン「ESSENTIALS(エッセンシャルズ)」は、日常使いしやすく、手頃な価格でベーシックアイテムを展開するライン。この「手頃な価格で日常使いしやすい」というニーズをついて、フリマアプリやECサイトなどの二次流通で「並行輸入品」「海外限定」と説明を添えて、偽造品業者が"正規品らしく見せるための手口"として利用するケースも少なくない。
○偽造品が特に多かったコレクティブルアイテム

トレカの偽造品は、2025年「ポケモンカード151」 ボックスが1位であることがわかった。今年、ポケモンカードにおいては「シュリンク」といわれるトレーディングカードボックスのパッケージにかかっている"透明なフィルム"を悪用した偽造品が数多く確認された。商品にかかっている"透明なフィルム"を一度剥がし、中身を開封したあとに、違う商品に中身をすり替えたり、当たりカードを抜いた状態で、後から再度フィルムをかける「再シュリンク詐欺」が特に多くみられた。マクドナルドのハッピーセット「ポケモン」で話題になったポケモンカードもパックにカードが封入されていたため、同様に開封後に再度"熱での圧着"をおこない、中身をすり替える詐欺行為や偽造品が発見された。ポケモンカードの「未開封」である点を悪用している偽造品が多く、鑑定技術なくしては、誰もが被害に遭う可能性がある。

ホビーカテゴリーにおいては、ポップマート「ラブブ」の人気シリーズ「ビッグイントゥエナジー」の偽造品が数多く確認された。BLACKPINKのLISA氏の影響で、人気が沸騰し品薄状態が加速した時期に発売され、注目が集まったシリーズだ。二次流通市場での価格が高騰し、偽造業者にとって格好のターゲットとなり、箱は正規品で中身を偽造品に入れ替えた「再シュリンク品」が、トレカカテゴリー同様に数多く流通した。
○2026年注目トレンド予想

ポケモンカードは、2026年10月20日に発売から30周年を迎える。
これを記念し、記念パックや豪華グッズ、コラボ商品など、様々な限定商品が発売される可能性が高く、ポケモンカードがさらに盛り上がることが予想される。

デニムアイテムにも注目できる。昨今のデニムブームの影響はさらに広がり、2026年はデニムイヤーになるといわれている。デニムジャケットをはじめ、デニムスカートやデニムセットアップを中心としたスタイリングで、クラシックアメカジを今っぽく着こなすアイテムに注目が集まっている。パンツのシルエットはワイドが人気だったが、デニムに関してはタイトシルエットのアイテムも増えている。
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