芸人たちが“冠番組”を懸けてプレゼン対決
芸人たちが夢の“冠番組”を懸けてプレゼン対決をするBSよしもとのバラエティ特番『THE CROWN BATTLE ~企画力で冠番組を掴み取れ~』(29日14:30~)。この番組を企画したのは、マイナビニュース編集部に在籍しながら、副業で構成作家としても活動し、“二刀流”に挑んでいる森歩美だ。一般企業の正社員が副業で構成作家として番組を手がけるケースは極めて異例だというが、今回の番組を通じて、本人も制作スタッフもこのスタイルにメリットを感じたという。
○ラジオ投稿から企画採用「こういう仕事もあるんだ」
学生時代から「自分が面白いと思うことを形にする仕事がしたい」という思いを抱き、就活では文章を書く媒体の仕事か、放送業界の制作の仕事かで迷っていたという森。結果として、記者・編集者の道を選び、マイナビニュースで日々取材・記事執筆に取り組むことになった。
ただ、ずっと好きだった「芸人と仕事をしたい」という思いが頭の片隅に残り続け、ラジオ番組で“ハガキ職人”をやっていた時期も。「板橋ハウスさんのラジオでは結構投稿を読んでもらって、送った企画が実際にYouTubeでも採用されたりしたんです」という体験をしたことで、「こういう仕事もあるんだ、と意識するようになりました」と、自分の中でしまっていた思いが呼び起こされた。
構成作家になるための手段をリサーチすると、養成コースがあるよしもとクリエイティブアカデミー(YCA)の存在にたどり着く。社会人3年目にそこへ1年間通い、プロの作家を目指して学んだ。
それから、番組制作のリサーチなどの手伝いをしながら、様々なツテを頼って制作会社や知り合いのディレクターなどに番組企画を出していったが、「最初は泣かず飛ばずでした」と、やはり簡単にはいかない世界。そんな中、BSよしもとの企画募集に出したのが、今回の番組だ。
○リモート会議の普及も後押しに
冠番組を持ちたい芸人たちが“自ら考えた渾身の企画”を引っさげてプレゼン対決をするこの番組は、BSよしもとが求めるニッチなアイデアと予算感がハマり、芸人たちの“熱量”が発揮されるという要素もクリア。
採用したBSよしもと編成制作部の肥後篤人氏は「年間数百本の企画を見ますが、BSよしもとというテレビ局のことを考えてくれているのが分かる、明らかに精度が高い企画で、“BSよしもと宛のラブレター”を受け取ったような気分でした」と評価する。
そこには、社会人経験を積んできたからこその強みも感じたそうで、「企画書って、企画者がこれまでたどってきた系譜や、育った土地とか、どうしても好きなものなどが自然と合わさったものだと思うのですが、そこに分厚さがあったんです。
一般企業の正社員が副業で番組の構成作家をするというのは、「初めて聞きました」(肥後氏)というほどレアケース。
それでも、番組演出の杉浦啓太氏(KAMPAI)は「作家さんは若手だと不安定な職業なので、そのやり方は正解だと思いましたね」と捉え、森も、構成作家業の“師匠”だという桝本壮志氏(『ぐるぐるナインティナイン』など/NSC講師)に「会社は絶対辞めないほうがいい。その日暮らしだと面白いことは考えられない。お金の余裕があるほうがアイデアは思いつくから」とアドバイスを受けたという。
会社員と構成作家の“二刀流”が成立するのは、コロナ禍を経て会議のリモートが普及したことも後押しに。杉浦氏は、今回の番組で「最初の打ち合わせと、収録以外は会ってないんです」と明かし、森は「マイナビニュースの仕事が終わって、5分後に番組の会議に入るなんてこともありました」とそのメリットを活用した。
『水曜日のダウンタウン』(TBS)、『新しいカギ』(フジテレビ)など、人気番組を何本も抱えるバラエティ作家の大井洋一氏は今年、日本大学芸術学部に入学してキャンパスライフを送っているが、大学の講義でリモートやアーカイブ配信が当たり前のように行われていることで、本業と両立できていることを話していた。
副業で作った企画は副業を競う内容だった
番組の企画書に社会人経験が生きた一方、構成作家の仕事がマイナビニュース編集者の仕事においても、「企画やインタビューで視野が広がった感覚があります。いろんな制作の方や芸人さんと向き合うことで、物怖じせずに取材できるようになったと思います」とメリットが生まれた。今回の番組は、『M-1グランプリ』『キングオブコント』といった賞レースが本業の芸人たちが、“冠番組”で自分の趣味や好きなことを実現するという、ある種の“副業”を競い合う内容。肥後氏は「企画した森さんがまさにそうだったんだと、撮り終えてみて気付きました」と、どこかに必然性を感じたそうだ。
今後も二刀流に意欲、ジャンル拡張にも挑戦へ
数枚の紙に書いた企画に、多くの制作者が携わり、出演者が参加することによって、スタジオ収録という形で立体的になっていく過程に、感慨深い想いを抱いたという森。
「収録が終わって、一緒に番組の構成を担当したYCAの同期作家2人と、知り合いのADの子と一緒に、スタジオから最寄りの駅まで結構な距離があるのですが、“歩こうか!”としゃべりながら帰ったんです。“楽しかったね”、“感動したなあ”と言い合う中で、みんなが“これだけ多くの人が働く現場を作ったのは森さんだよ”と言ってくれて、すごく感動しました。ずっとお笑いに関わる仕事がしたいと思っていたので、自分の企画にこれだけ芸人さんが出てくれて、スタジオが笑いに包まれていたのが本当にうれしかったので、放送の反響も楽しみです」
そして今回の番組で、「2つの仕事を両立できるのが分かったので、これからも両方やっていきたいと思います」と自信に。さらに、「バラエティだけでなく、ドキュメンタリーや情報番組なら、記者としての知見をもっと生かせそうな気がするので、ジャンルを広げていろんなことに挑戦したいです」と意欲を示した。











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