新年を迎え、住宅ローンの今後について考えている方も多いのではないでしょうか。日銀が利上げを決定し、今後繰り上げ返済や借り換えを行うべきかの判断は、家計にとって非常に重要です。
そこで、繰り上げ返済の方法、ローンの借り換えをすべきか判断する方法をまとめます。

期間短縮 vs 返済額軽減!「繰り上げ返済」で得をするのはどっち?

冬のボーナスが入り、住宅ローンの繰り上げ返済に充てようかどうか、検討している方もいるでしょう。繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減型の2種類があります。
○期間短縮型のメリット・デメリット

期間短縮型は、返済額は同じで期間を短縮する方法です。利息を減らす効果が大きく、総支払額を大幅に減らせることがメリット。ローンから早く解放されます。

毎月の返済負担が軽くなることはありませんが、少しでも早い完済を目指す家庭に向いています。
○返済額軽減型のメリット・デメリット

返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らす方法です。こちらの方法は毎月の返済負担が減り、家計にゆとりができることがメリットです。

ただし、期間短縮型より利息軽減効果は小さく、総支払額は多くなります。子どもの教育費がかかる時期に差しかかっている家庭や、家計にゆとりを持たせたい家庭に向いています。
「繰り上げ返済はしないほうが得」論の真実とは?

最近、繰り上げ返済はしないほうがお得だという話が広まっており、耳にしたこともあるでしょう。

○「しないほうが得」と言われる理由

繰り上げ返済はしないほうが得だと言われる理由として、おもなものは以下です。

住宅ローン控除(減税)が減る/なくなる
生活防衛資金を確保できる
団体信用生命保険の補償が減額される
ローン金利が安いなら急いで返す必要はない

もっとも大きいのは、住宅ローン控除のメリットを享受できなくなることです。控除が減る、あるいはなくなると、そのぶん所得税や住民税が高くなります。

また、生活防衛資金が確保できており、ローン金利が低い場合、余剰資金を運用に回したほうが有利なケースも。NISAやiDeCoを活用すると、リスクはあるものの、年3~5%程度の利回りを得ることも可能です。
○繰り上げ返済が向いているケース

以下のケースに該当する場合は、繰り上げ返済を検討するのもよいでしょう。

住宅ローン控除期間が終了した
生活防衛資金は確保できている
ローンの金利負担を早く減らしたい

借入金利が高い場合、早く負担を減らしたいと考えるものです。ただし、住宅ローン控除による恩恵と比較して決める必要があります。また、借り換えも1つの選択肢となるでしょう。
金利上昇に備えてローンの借り換えをするべき?

日銀が金利を上昇させる可能性を示唆しており、今後住宅ローンの金利も上昇する可能性があります。金利上昇を見越してローンの借り換えを検討する場合の判断ポイントを解説します。
○金利差が1ポイント以上あるか

ローンの借り換えでは、金利差が大きいほど、実感する効果が高くなります。
たとえば以下の事例で考えてみましょう。

借入額:4,000万円
返済期間:30年
金利:1.8%→0.7%
諸費用:116万円

この場合、毎月の返済額は2万円以上減ります。総返済額もおよそ625万円減少するため、かなりの効果を実感できるでしょう。

借り換えをするなら、現在利用している商品より年率1ポイント以上低い商品がおすすめです。
○返済期間が10年以上あるか

借り換えが向いているのは、返済期間がまだ10年以上残っている方です。低い金利の商品に借り換えることで、毎月の返済負担を減らし、総返済額も減らせます。

一方で、返済期間が5年など残り少ない場合は、借り換えるメリットがあまりないでしょう。
○諸費用を含めても借り換えたほうが得か

ローンの借り換えでは、以下のような諸費用も発生します。

事務手数料
抵当権の設定・抹消の費用
印紙税
登記関連費用

諸費用はローンの借入額の3~4%が目安で、たとえば5,000万円なら150万~200万円ほどかかります。諸費用を含めても、借り換えのメリットのほうが上回るか、シミュレーションをして確認しましょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。
ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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