信用取引を利用するなら、事前にどのようなリスクがあるのかを理解しておくことが大切です。後編となる本稿では、信用取引を行う際に押さえておきたいリスクや注意点について、SBIネオトレード証券のリテール事業部次長・山羽氏と同カスタマーサポート課・山下氏にお話をうかがいました。
逆日歩の発生やレバレッジのかけ方には注意が必要
━━信用取引ならではのリスクには、どのようなものがあるのでしょうか。
山下氏: まず挙げられる代表的なリスクとしては、長期保有をすると金利などのコストがかさむ点が挙げられます。現物取引では購入の際に手数料がかかりますが、保有しているだけで追加のコストがかかることはありません。
一方、信用取引では、ポジションを保有し続けることで金利などのコストが継続的に発生する点に注意が必要です。
現物取引で株を購入する場合、値上がり益以外に、配当金や株主優待が取得できることがあるのも大きな魅力の一つです。しかし、配当金や株主優待の権利を取得すると、その価格相当分、株価が下落することが多く、その値下がりへの対策として、信用取引を使い、同額分を空売りして価格下落による損失を相殺する方法(いわゆる「優待クロス取引」)を行う方もいます。
ただし、この方法には注意点もあり、状況によっては「逆日歩(ぎゃくひぶ)」と呼ばれる追加のコストが発生する場合があるのです。
多くの投資家が「株主優待を実質タダでもらいたい」と考え、同じ銘柄で一斉に信用売りを行うと、売り注文が買い注文を大きく上回る状態になります。このように信用売りが過度に増えると、株の貸し手である日本証券金融会社の株式が不足するため、同社が機関投資家等から株券を調達してくるためのコストとして逆日歩が発生し、想定外の費用を負担することになります。
特に、株主優待の人気が高い銘柄では、同じタイミングで優待クロスを狙う投資家が集中しやすく、逆日歩が生じる可能性が高くなります。実際に、数万円単位の逆日歩が発生した例もあり、「損失を抑えるつもりが、かえってコストが膨らむ」結果になることもあります。
━━他にも何かリスクはありますか。
山下氏: レバレッジをかけられる取引であるため、人によっては最大まで利用してしまい、そのタイミングで相場が崩れて大きな損失を抱えると、手元の資金以上にマイナスになってしまうこともあります。
山羽氏: その場合の対処法としては、ポジションを減らします。たとえば、10万円の株を100万円分保有している場合、保有額を50万円まで減らせば、それだけ保証金率は上がります。
保証金率が悪化して一定の水準を下回ると、追加保証金(追証(おいしょう))と呼ばれるルールが適用され、一定の水準まで保証金率を回復させる必要がありますが、追証になっていることに気付かずに放置をしてしますと、最悪の場合保証金以上にマイナスが膨らんでしまい、追加の入金が必要になる場合もあります。
ただし、極端な取引をせずきちんと資金を管理していれば、通常はこのような事態になることはありません。実際、利益を出している投資家の中には、信用取引を活用している人が多いという印象もあります。リスクとのバランスを意識しながら適切に使えば、資金を効率よく増やしていくことも可能でしょう。
まずは追証を発生させないことが大切
━━追加保証金(追証・おいしょう)について理解しておきたいポイントはなんでしょうか。
山羽氏: まず重要なのは、追証が発生しないように管理することです。当社では、保証金率が20%を下回ると新規の取引ができなくなり、30%まで回復させる必要があります。
そのため、日頃から保証金率は50~60%程度を目安に余裕を持って維持し、30%前後まで低下してきたらポジションを減らすなど、追証が発生する前に対応することが大切です。
山下氏: 追証は期限が短く、たとえば、月曜日の引け時点で保証金率が20%を切った場合、期限は水曜日の正午12時までとなります。
注意して確認していれば月曜日の時点で把握できますが、多くの場合、状況に気づくのは火曜日の朝になるでしょうし、当社からご連絡するのも火曜日の朝です。となると、翌日の正午までに対応しなければならず、実質的な猶予はあまりありません。
山羽氏: 追証は、「お客様を守るためにある制限」だと考えています。それこそ、保証金率が0%になってしまえば投資した資金以上にマイナスが出てしまいますので、「20%でもう限界ですよ」という注意喚起のようなものですね。
━━価格が急変した場合の対応について教えてください。
山羽氏: 事前にできる対策として「逆指値注文」という方法があります。通常、注文を出す際は、売りの注文であれば今より高い値段になったら注文が成立する「指値注文」が一般的です。一方、逆指値注文を使えば、価格が一定水準まで下がった場合に売り注文を出すよう設定できます。
買いポジションを保有している場合は、あらかじめこうした対応をしておくことも、リスク管理のうえで重要です。
また、「IFD注文」と呼ばれる方法もあります。これは、買い注文が成立した時点で、あらかじめ設定した売りの予約注文が自動的に入る注文方法です。たとえば、「100円になったら買い、そこから10%下落した90円で損切りする」といったように、売買をセットで行うルールを決めている方もいます。
実際に利益を出している人ほど、損失をきちんと管理しています。リスクを必要以上に怖がるのではなく、あらかじめ対策を講じたうえで取引することが大切です。
バブルの時などは、保有株がいつかは戻ると信じて含み損を抱えたまま保有し続ける、いわゆる「塩漬け」状態に陥る投資家も多かったですが、適切に損切りを行っていれば、こうした事態は防げます。
また、当社が提供する「ネオトレAPI for Excel」のようなツールを活用する方法もあります。保有株の情報を取り込み、あらかじめ設定した条件に達した際にアラームを出すといった使い方も可能です。こうしたツールを上手に取り入れるのも、リスク管理の一つといえるでしょう。
初心者は”取引量の多い銘柄”で”買い”から試すのがおすすめ
━━初心者が誤解しやすいポイントや、初心者におすすめの”最初のステップ”を教えてください。
山下氏: やはり初心者の方は、「信用取引は必ずレバレッジをかけなければならない」と誤解している方が多いように感じます。また、信用取引は難しい操作が必要だと思われがちですが、実際には現物取引と大きく変わらない取引画面で利用できます。
信用取引について不明点があれば、お電話でご相談いただくことも可能です。当社では一つの電話番号で、信用取引に関するあらゆる質問に対応しており、担当者が次々と変わるといったこともありません。
幅広い知識を身に付けた社員が「何でも聞いていただける」体制でお待ちしています。
山羽氏: 初心者の方におすすめしたい最初のステップとしては、まずは、出来高や売買代金がある程度多い銘柄で試してみることです。
取引量が少ない銘柄は値動きが激しく、少し上昇したあとに売り手がいないと、株価が一気に下がることがあります。一方、取引量の多い銘柄であれば値動きが比較的なだらかで、リスク管理もしやすくなります。
また、最初は売りからではなく、買いから始めるほうが安心でしょう。空売りは予想に反して株価が上昇すると損失が膨らみやすく、株価には上限がないため対応が難しくなります。買いから入ることで、初心者でもリスクをコントロールしやすくなります。
━━一般的に、信用取引に向いている人と向いていない人には、どのような特徴があるのでしょうか。
山羽氏: リスク管理を徹底でき、相場観をしっかり持っている方にとっては、信用取引は非常に効率的な方法だと思います。たとえば、株取引が初めてでも、FXの経験があってリスク管理もきちんとできるのであれば、現物取引よりも信用取引のほうが取り組みやすいかもしれません。
一方で、熱くなりやすい方にはあまり向いていません。損失が出た際に「次で取り返せる」と考え、取引金額やレバレッジを次第に大きくしてしまうと、取引がギャンブル化する恐れがあります。そのようなタイプの方は、信用取引は控えたほうが賢明だといえます。
武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら











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