2026年の年頭にあたり、レッドハット 代表取締役社長 三浦美穂氏は年頭所感として、以下を発表した。

○オープンハイブリッドクラウドが解き放つ実用AIの真価2>

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2026年、デジタル変革が加速するなか、世界は決定的な転換期を迎えています。また企業には、絶え間ない変化を前提とした持続的な成長モデルの構築がこれまで以上に強く求められています。 昨年、多くの企業が AI の「実験」から「本格活用」へと舵を切りました。本年は、AI を単なる技術革新としてではなく、企業の戦略そのものを根本から変革する実用性が問われる一年となるでしょう。

Red Hat はこれまで、オープンソースの理念のもとに、Red Hat Enterprise Linux、Red Hat OpenShift、そして Red Hat Ansible Automation Platform を中核とする「オープンハイブリッドクラウド」戦略を推進してまいりました。私たちが提供する一貫性、イノベーション、コラボレーションの価値は、クラウドからオンプレミス、さらにエッジに至るまで複雑化する IT 環境において、組織のデジタルトランスフォーメーションを確実かつ力強く推進するための揺るぎない基盤となっています。

こうした AI リソースの急増と運用の複雑化という課題に対し、私たちは包括的なプラットフォームとして 「Red Hat AI」 を確立しました。Red Hat AI の核となる価値は、ハイブリッドクラウド上で AI 戦略を実行し、信頼性、一貫性、そして柔軟性を提供する点にあります。

2026年、Red Hat は日本の産業界が AI を真の競争優位性へと昇華させるために、以下の3つの領域を重点的に強化してまいります。

○1. AI プラットフォームによる開発生産性の最大化

汎用モデルが主役だった時代から、特定の業界や業務ワークフローに最適化された業界特化型モデルが主役となる時代へ移行しています。 私たちは、統合された開発者体験を通じてAI エージェントの開発・運用の標準化を推進し、金融サービスにおける複雑な不正検知や製造業における製造ラインの自動化など、各業界の「専門ノウハウ」を支える AI プラットフォームを提供します。
これによりリソース効率と業務パフォーマンスを最大化できるよう支援します。

○2. ハイブリッド環境全体にわたる揺るぎない統制

AI ワークロードはオンプレミス、クラウド、エッジのいずれか一箇所で完結するものではありません。特に日本では、データ主権と低遅延な処理を両立する「AI-Ready インフラストラクチャ」の構築が急務です。 私たちは、既存の仮想化環境を維持しつつ、最新の AI ワークロードと共存できる柔軟な選択肢を提供します。これにより、ガバナンスとセキュリティを犠牲にすることなく、データ所在地の管理や運用上の自律性を強化したソブリニティの要件を確保します。

○3. オープンソースの知見を活かした組織変革

どれほど高度なAIであっても、それを推進するのは「人」と「コミュニティ」です。日本においても、AIインフラを支える人材の不足は喫緊の課題です。私たちは、自動化アセスメントやコンサルティング活動に加え、オープンソースコミュニティの力を活用したスキル育成を支援します。オープンソースの「共有と協働」の文化は、特定のベンダーに依存しない知識の民主化を促進し、お客様が新しいアイデアや未来のスキル探求に専念できる環境を創出します。

私たちが追求するのは、既存の基盤を置き換えるのではなく、AI によって知的に強化すること、そして企業の IT 資産を、よりスマートでアクセスしやすいものへと進化させることです。これにより、お客様の新しいアイデアや未来のスキル探求に専念し、AI を活用した変革を迅速に実現するための時間と能力を創出いたします。

これからも Red Hat は、多様性を尊重し、透明性と実力主義を重んじるオープン・オーガニゼーションの理念に基づき、社員一人ひとりが最大限の力を発揮できる企業文化をさらに推進してまいります。
そしてお客様・パートナーの皆様とともに、この実用的な AI の時代においてイノベーションと成長への道を切り開いてまいります。

本年も引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
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