ハウスクリーニングでの開業・独立が注目されています。大がかりな設備や店舗が必要なく、一人でもはじめやすいビジネスです。
この記事ではハウスクリーニングで開業するメリット・デメリット、必要な資金、開業までの手順・流れをわかりやすく解説します。

ハウスクリーニングとはどんな仕事?

そもそもハウスクリーニングとはどのような仕事なのか、業界のトレンドも交えて解説します。
○ハウスクリーニングの仕事内容

ハウスクリーニングとは、掃除の知識と専用の洗剤や機材を使って、徹底的に掃除をする仕事です。家の中でとくに汚れが多い箇所を中心に清掃するケースが多く、具体的には以下のような箇所です。

キッチン(ガスコンロ・換気扇)
バス・トイレ
エアコン
電子レンジ
窓ガラス・網戸

他にも庭やベランダ、サッシなどの清掃を依頼されるケースも。通常は1~2名のスタッフが訪問してサービスを行います。
○家事代行との違い

家事代行は、清掃に加えて買い物などの家事全般を対象にし、時間単位で行います。これに対してハウスクリーニングは、場所ごとに専門的な清掃を行うのが特徴です。
○夏や年末のサービス利用が多い

ハウスクリーニングの利用者が増えるのはまず梅雨や夏の時期で、エアコンのクリーニングの需要が増加します。年末の大掃除のタイミングも需要が多く、水まわりや窓・ベランダなどの清掃を依頼されるケースが増えます。
○需要は増加中

ハウスクリーニングの利用者は増加しており、需要が増している状況です。その主な理由は高齢化と共働きです。


高齢世帯が多くなり、身体が衰えたため自分で掃除をするのが大変なシニアの方が多くいます。また、夫婦共働きで家事の時間を十分に取れない世帯にとっても、ハウスクリーニングはとても便利なサービスです。
○差別化の重要性

従来の清掃に加えて、以下のように差別化されたサービスを提供する業者も現れています。

ゴミ屋敷の清掃や片付け
墓石・墓周辺の清掃
洗濯代行
特殊清掃

まずは通常のクリーニングのサービスを提供しながら、徐々に差別化のためのスキル・経験取得に進むとよいでしょう。
ハウスクリーニングで開業するメリット

ハウスクリーニングを事業として独立することには、以下のようなメリットがあります。
○必要な開業資金・運転資金が少ない

まず1つ目のメリットは、多額の資金がなくても開業できることです。店舗を構えなくてよいため、テナントの料金や家賃、水道光熱費、厨房などの設備は必要ありません。

多くの資金がかかるのは、業務用の車両です。掃除用具を積みこんでスピーディーに移動するためにも、車は欠かせません。

車両をすでに持っている方なら、さらに少ない資金で開業できます。
○特別な資格は要らない

意外に感じる方もいるかもしれませんが、ハウスクリーニングの仕事に資格は要りません。国家資格や民間資格などがなくても開業し、仕事を獲得できます。


ただし、クリーニング系の資格は存在するため、取得しておくとアピールになるでしょう。厚生労働省の「ハウスクリーニング技能士」、民間資格の「ハウスクリーニングアドバイザー」などがあります。
○一人でも開業できる

ハウスクリーニングは一人でできるのも魅力です。一人だけでできる範囲の仕事だけを引き受ければ、スタッフを雇う必要はありません。

スタッフがいなければ人件費はかからず、教育・管理の費用や手間もかかりません。
ハウスクリーニングで開業するデメリット

一方、ハウスクリーニングでの起業には、以下のようなデメリットもあります。
○掃除の技術・クオリティを求められる

ハウスクリーニングはただ単に掃除機をかけるような仕事ではありません。落としにくい汚れに対して効果的なアプローチでクリーニングをして、限られた時間でしっかり成果を出す必要があります。

顧客に満足してもらい、報酬をいただけるレベルの清掃の技術が求められます。
○集客で工夫する必要がある

ハウスクリーニングは、依頼が来て初めて仕事になるため、最初の頃は積極的に集客をしなくてはなりません。ホームページやSNSといったネット関連の方法の他にも、新聞折込やチラシなどオフラインの方法もあります。

ハウスクリーニングに求めるものは地域によって違いがあります。
単身のシニアが多い地域、子育て世帯が多い地域では求めるものが異なるため、地域のニーズも調査しましょう。
○差別化は難しい

ハウスクリーニングの内容自体はどの事業者もだいたい同じであるため、単純な差別化は難しいです。リーズナブルな価格、スピーディーな対応、特殊清掃といった差別化要因を持つ必要があります。

また、接客態度やマナーを磨き、信頼関係を構築してリピート依頼を獲得することも重要になります。
ハウスクリーニングで開業する手続き・流れ

ハウスクリーニングで開業・独立するためには、以下のような手続きを進めることになります。どのようなことを実行するのか、わかりやすく解説します。
○事業計画を作成する

どのような事業を行うか、市場調査をしてから事業計画を立てます。具体的には、以下のような項目です。

ターゲットはどのような人か
営業範囲はどこからどこまでか
どのようなサービス内容を提供するか
開業資金はいくら必要か
資金調達はどこから行うか
見込める売上や利益はいくらか

計画をしっかり立てることで、事業が継続する可能性が高くなります。
○フランチャイズの場合はフランチャイズに加盟する

フランチャイズで始める場合、本部とフランチャイズ契約を締結します。開業までの流れは個人の場合とそれほど変わりませんが、フランチャイズ独自の特典を利用できるケースが多いです。

たとえばクリーニング技術や接客マナーの研修など、初心者の方が身につけるのが難しいことに関してサポートを受けられます。

○資金調達をする

自己資金だけではまかなえない場合、資金調達をすることになります。銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けるのが一般的ですが、開業時は信用力が低いため難しいことも。

開業時の資金調達でメジャーなのが、日本政策金融公庫です。創業・開業時の貸付を前提としており、個人事業主や小規模経営者に対し、融資を積極的に行っています。

融資を受けるには事業計画書などを提出し、審査に通過すると資金を借りられます。
○開業届・青色申告承認申請書を提出する

多くの方は法人ではなく、まず個人事業主として開業することになります。そのためには、税務署に対して開業届と、青色申告承認申請書を提出することが必要です。

白色申告をするのであれば、青色申告承認申請書の提出は不要です。
ハウスクリーニングで集客する方法

ここからは、ハウスクリーニングで集客をする方法を解説します。
○ホームページ

事業を紹介するホームページがあると、信頼感が高まります。保有している資格、具体的なサービス内容をわかりやすく紹介しましょう。

事業を進めるなかで、掃除をする前後の写真を掲載すると、技術力のアピールにもなります。
写真撮影に関しては、利用者の方の承諾を事前に取りましょう。
○インターネット広告・ SNS

ネット広告やSNSを活用した情報発信も、費用対効果の高い集客方法です。地域名やサービス内容を絞り込んで宣伝することで、ターゲットに届きやすくなります。

ネット広告やSNSは、定期的に効果測定を行うのも重要です。
○新聞折込

ハウスクリーニングは地域に密着した営業を行うことが多いため、新聞折込も効果的な方法です。とくにインターネットが苦手なシニアの方からの依頼が見込めるのが大きなメリットです。

折込の依頼先としては、折込会社、印刷会社、地元の新聞販売店などがあります。
フランチャイズに加盟するメリット・デメリット

ハウスクリーニングは、フランチャイズで開業する方法もあります。その場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。
○メリット1.集客が楽になる

フランチャイズは一定の知名度のある会社が推進するビジネスモデルです。会社の商標やロゴなどを利用できるため、会社の知名度を活かして集客ができます。

ゼロの状態から集客するより効率的で、開業前からある程度の売上・利益の予測を立てることもできます。

○メリット2.本部のサポートを受けられる

初めて開業する方はわからないことが多く、判断に迷うことも多いでしょう。フランチャイズは本部がサポートしてくれるため、集客・営業・接客・アフターサポートなど、いろいろな領域に関してアドバイスを受けられます。

自分で最初から考えるよりも、早い段階で高品質なサービスを提供できるため、顧客からの信頼も上がりやすくなります。
○デメリット1.ロイヤルティが発生する

フランチャイズに加盟すると、売上のうち一定割合を本部に支払う必要があり、これをロイヤルティといいます。ロイヤルティが高いと、手元に残る利益が少なく、経営が苦しくなってしまうケースも。
○デメリット2.サービス内容が制限される

フランチャイズは店舗ごとのバラツキを抑えるため、サービス内容などをある程度統一する傾向があります。自分が良いと思ったサービスでも、本部から止められる可能性もあります。

経営・運営の状況に関しても本部のチェックが入るため、自分の判断だけで経営はできないケースも考えられます。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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