「名探偵コナン」に登場する毛利探偵事務所。作中では何気なく描かれている「事務所兼自宅」ですが、これを都内の不動産として現実的に見てみると、その価格は意外にも大きなものになります。


そこで本記事では、立地や建物規模をもとに、毛利探偵事務所の土地・建物価格を試算。さらに、住宅ローンを組んで購入したと仮定した場合の、毎月の返済額についても検証しました。

コナンたちが暮らす住まいは「事務所兼自宅」

名探偵コナンは、1994年に原作マンガの連載が始まり、1996年からテレビアニメが放送されているロングランの大人気ミステリーです。物語は現代の日本を舞台に、小学生の姿になった高校生探偵・江戸川コナンが、さまざまな事件を解決していくストーリーとして親しまれています。

毛利探偵事務所は、架空の住所である「東京都米花町五丁目39番地」にあります。人通りの多いエリアに建つ事務所兼自宅で、1階が「喫茶ポアロ」、2階が毛利探偵事務所、3階が毛利小五郎と娘・蘭やコナンの住まいというつくりです。

建物は3階建ての小規模なビルで、構造は鉄骨造と考えられます。作中の描写からすると、延べ床面積は150㎡程度(約45坪)と想定され、都市部によく見られるコンパクトな事務所併設型の住宅という設定です。
毛利探偵事務所の土地・建物価格は

毛利探偵事務所の所在地モデルについては、さまざまな考察がありますが、ファンの間では東京都中野区~高円寺周辺や目白・池袋西口エリアが特に有力視されているようです。

今回は、中野区内の商業地に毛利探偵事務所があると仮定し、2025年の公示地価をもとに土地価格を試算してみます。中野区の2025年の公示地価(商業地)の平均は、1㎡あたり約170万4,291円(坪単価約563万円)です。毛利探偵事務所が入るビルの敷地面積を65㎡(約20坪)と仮定すると、土地価格の概算は次の通りです。


170万4,291円 ×65㎡ =約1億1,078万円

次に建物価格を見てみましょう。都内に3階建てのビル(延べ床面積150㎡程度)を建てたときの建築費目安は、鉄骨造で6,500万円程度とされています。
土地と建物を合計すると、

1億1,078万円+6,500万円=1億7,578万円

という試算になります。

この結果から、毛利探偵事務所は決して手頃な価格の不動産ではないことがわかります。もちろん、公示地価の平均や単純な計算を用いた試算であり、実際の建築費や立地条件によって金額は大きく変わります。

しかし、作品内では気軽に出入りしているあの探偵事務所が、現実世界では1~2億円規模の不動産になり得ると考えると、印象が大きく変わって見えてきます。
住宅ローンで購入した場合の返済額を試算

では、毛利探偵事務所の土地+建物価格を1億7,578万円とした場合、これを住宅ローンで購入すると、毎月の返済額はいくらになるのでしょうか。ここでは計算を簡易化するため、事務所兼住宅であっても一般的な住宅と同じように扱えるとします。また、頭金を2割用意し、残りを全期間固定金利の住宅ローンで返済するケースを想定しました。

まず、頭金は物件価格の2割にあたる約3,516万円です。残り8割、約1億4,062万円を住宅ローンで借り入れることになります。金利タイプはフラット35などを想定した全期間固定金利、金利は年2.08%、返済期間は35年(420か月)とします。
ちなみに、フラット35の実際の融資限度額は8,000万円です(2026年4月~は1億2,000万円)。

この条件で計算すると、毎月の返済額は約47万円となります。

年間では約564万円の返済が必要になり、一般的な住宅ローンの返済額と比べても、決して軽い負担ではありません。
現実世界では、毎月50万円近くを返済

この結果を見ると、毛利探偵事務所は、現実にはかなりしっかりした資金計画が必要な不動産であることがわかります。もっとも、作中では住宅ローンや不動産取得について詳しく描かれておらず、実際には購入ではなく賃貸で利用している可能性も考えられます。また、今回の試算では、1階の「喫茶ポアロ」の扱いを考慮していません。

しかし、もし現実世界でこの物件を購入していたとしたら、毎月50万円近い返済を35年間続ける生活になります。

アニメの世界を「お金」の視点で見直してみると、普段は気づかないリアルな側面が浮かび上がってくるのも、こうした試算の面白さといえるでしょう。

※本記事の試算は、統計データをもとにした簡易的な計算によるものです。金額や返済額はすべて概算であり、正確な数値ではありません。また、作品設定に基づく架空のシミュレーションのため、実際の不動産価格や住宅ローン条件とは異なる場合があります。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。
二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら
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