43歳前後の会社員の方で、脱サラをしたいと考える方も少なくありません。もっとやりがいのある仕事をしたい、プライベートの時間を確保したいなど、さまざまな背景があります。
この記事では40代前半の方が脱サラをするメリット、成功事例、注意点を解説します。

40代で脱サラをするメリット

40代を迎えて、独立・開業に興味を感じる方も多いのではないでしょうか。40代で独立することには、以下のような強みがあります。
○経験値が蓄積されている

これまでのビジネスで経験を積み重ねた結果、実戦レベルのスキルを身に着けている方は多いです。「これは失敗する」という勘が働いたり、人間関係の取り扱いに熟知していたりと、さまざまな強みがあるのが43歳頃です。

20代・30代では勢いで独立・開業してしまうケースも多いのに対し、43歳なら冷静な視点で、十分な準備を行い、勝率の高い方法で独立・開業ができます。
○体力・回復力は十分にある

「若い頃に比べると体力が衰えてきたな……。」と感じる方も多いでしょう。しかし、さらに上の年代から見ると「まだまだ動ける、若い時期」なのです。大きな病気やケガが少なく、身体もまだ問題なく動くため、大きな挑戦もできる年代です。

若年層と違い、自分の限界を把握していることも強みです。「ここまで働ける」「これ以上は危険」と自分で判断できるため、無理をせず継続できます。
○学び直しもできる

近年は「リスキリング」という言葉が注目されています。
社会やビジネスの変化に対応するため、新たに必要な知識やスキルを習得することです。

自分にとって新しい分野の学び直しは、シニアになってからはなかなか難しいものです。しかし43歳なら、まだまだ挑戦可能な年齢といえます。
40代前半で脱サラをした事例

40代前半で独立・開業をした方は多く見られます。この章ではいくつか事例を紹介します。
○海外でノマドワーカーに

43歳の女性は、2022年からジョージアに移住し、フリーランスとして働いています。「デジタルノマド」と呼ばれる働き方で、ノマド(遊牧民)のように、国内・海外を移動しながら働いています。

具体的な職種はWebマーケターやWebコンサルタントで、いずれもリモートワークがしやすい仕事です。

ジョージアは、海外移住に向いている国の1つとして注目されています。物価が比較的安く、治安も良いのに加え、1年未満の滞在の場合はビザの取得が免除されます。
○副業ブログで収益化

40代中盤の方が、ブログを副業として開始。およそ2年で月収30万円まで伸ばしました。


書いた記事のジャンルは、10年以上の経験があるコーヒーやカフェ。飲食業の仕事だけでは豊かになれないという思いから、自分自身で稼ぐために始めた副業でした。

毎日朝にブログを書くこと、どんなに結果が出なくても2年は継続することを決め、毎日地道に作業を続けました。7カ月目に結果が出て、2年で30万円前後の収入となっています。
○ハウスクリーニングで独立

関西在住の男性は、42歳で独立しました。これまでの累計施工は1万件を超え、リピート率がかなり高水準なのが強みです。

独立するまで清掃業界での経験はおよそ25年で、現在も毎週現場に入っています。得意分野はエアコン、水回り、退去清掃などで、ホームページでは独立・開業の手順も解説しています。
43歳での独立・開業に向いている仕事

ここからは、43歳での独立・開業に向いている職業・職種を解説します。
○IT・Web系

先ほどの事例でも出てきましたが、デジタル系の仕事は独立・開業しやすい仕事です。具体的には以下のような仕事があります。

Webデザイナー
Webディレクター・編集者
Webライター
ITエンジニア
プログラマー
Webマーケター
Webコンサルタント
動画作成・編集
プロンプトエンジニア

少し挙げただけでも、上記のようにたくさんの職業があります。
いずれもリモートワークが可能で、時間・場所を問わず働けるのも大きなメリットです。

最先端の知識が必要な仕事が多いですが、43歳であればまだまだ新しい知識を吸収できる年齢。「もう」ではなく「まだ」43歳と考えて、新たなスキルを身に着けるのもよいでしょう。
○講師・インストラクター

これまでの経験を活かして独立・開業をするなら、講師やインストラクターはおすすめの仕事の1つです。講師のジャンルは非常にさまざまで、ヨガや筋トレなどフィットネス系、絵や音楽など芸術系、ITや経営などビジネス系、歴史・文学など教養系などがあります。

仕事だけでなく、自分の趣味を活かせるのも講師・インストラクターの魅力です。一部の領域を除いて、講師をするために、専門的な資格は必要ありません。

講師になるには、オンラインのプラットフォームで登録・アカウント作成をするのが一般的です。自分の専門分野で募集をかけてみましょう。

専門職


行政書士・司法書士・社会保険労務士など、資格を取得して仕事を行う道もあります。これらの資格の取得は難しいものの、一度取得すれば社会的に高い信頼性を獲得できます。

また、年齢を重ねたことによる信頼性が活きるのも専門職の強みです。
40代以降であれば、社会的な体験を十分積み重ねていると見られ、資格と相まって信頼性が高まるでしょう。

ただし、資格だけを取得しても、経験やキャリアがないとなかなか仕事には結びつきません。独立する前に、関連の仕事の経験も積み重ねる必要があります。
○農業

脱サラで注目されている分野の1つが農業です。近年の農業はデジタル化・IT化により、新たなビジネスへと変貌しつつあります。

日本の高品質な農産物は、海外からも高い評価を受けており、輸出などさらなるビジネスチャンスが広がっています。

会社員の方で、都市部より地方に移住するほうが向いている方も多くいます。その場合、都会でストレスをため込むよりも自然と触れ合うことで、心身ともに健康に過ごせます。

農業は人手不足・後継者不足が大きな課題になっているため、国や自治体のサポート・支援も充実しています。
脱サラの方法は主に4つある

独立・開業する方法は、大まかに以下4つがあります。
○個人事業主

個人事業主とはフリーランスと呼ばれることもあり、独立・開業時に多くの人が選ぶ方法です。個人で事業を営む人として、会社に雇われることなく、自分で仕事を獲得して働く形態です。


他の方法に比べると、開業資金が安く済むのがメリット。自宅でできる仕事であれば、店舗や事務所を借りる必要はなく、必要な物品もそれほど多くありません。

一方、法人などに比べると社会的な信用は劣り、クレジットカードやローンなどの審査で不利になることも。事業を長く継続していけば、信用力を高めていくことも可能です。
○法人の設立

法人を設立し、代表者として事業を展開する方法です。合同会社や株式会社を設立し、法人の登記を済ませる必要があります。

法人は社会的信用度が高く、新規契約の締結などで有利です。また、事業資金の調達のための借り入れでも、個人事業主より多くの額を融資してもらえます。

法人設立では必要書類がかなり多く複雑なため、税理士などに依頼するケースが一般的です。この場合、数十万円ほどの手数料がかかります。
○フランチャイズ

コンビニや飲食店などで良く見られる形態で、本部とフランチャイズの契約をする方法です。本部からノウハウや商品・サービスが提供され、その代わりにロイヤリティという利用料を支払うことになります。


フランチャイズは、本部のブランド・ノウハウを利用できるため、早期にビジネスを円滑に回していけることがメリットです。ビジネスモデルや収益構造などを自分で考える必要はありません。

ただし、契約期間中はロイヤリティの支払いがずっと続き、ビジネス経営の自由度も低いことに注意が必要です。
○事業継承(跡継ぎ)

跡継ぎというと、身内が営む事業を引き継ぐイメージを持つ方が多いでしょう。それに加えて、親族ではない第三者が経営者となるケースもあります。

前経営者とともに働いていた役員や従業員が後継者となるパターン、外部の第三者が承継するパターンがあります。中小企業の後継者不足は大きな課題であり、国もM&A支援サイトなどにて、マッチングを加速させようとしています。

事業承継は、すでにある程度成功しているビジネスを引き継ぐため、開業のリスクを大きく減らすことができるのがメリットです。一方、経営の進め方に一定の制限が設けられている場合があることはデメリットとなります。
43歳の脱サラで注意しておきたいこと

最後に、40代前半で脱サラを検討している方が注意すべきポイントを解説します。
○小さく始める

ビジネスは、最初は小さな規模で始めるのが鉄則です。いきなり大きな事務所・店舗を構えたり、大がかりな設備を導入したりせず、地味でもスモールスタートを心がけましょう。

スモールスタートのメリットは、事業に失敗した場合の撤退がしやすく、ダメージも軽いことです。小規模であれば、事業の撤退は簡単で、大きな負債を抱えなくて済みます。

会社の就業規則などで禁止されているのでなければ、副業から始める道もあります。本業を辞めずにチャレンジでき、向いていなければ簡単に撤退可能です。
○ニーズが一定程度ある市場を狙う

脱サラをして仕事を獲得するなら、ある程度ニーズの大きい市場をターゲットにする必要があります。ニーズが少ないと仕事も少なく、大きく稼ぐことは難しくなります。

需要が少ないとそもそも集客も困難なため、事前の市場調査は欠かせません。独立・開業をする前に、会社員として働きながらじっくり見定めましょう。
○十分な生活資金を用意しておく

起業してからすぐ大きく儲かるということは非常に少ないケースです。大抵の場合、数カ月間は生活をまかなえるほど稼ぐことはできず、貯金から取り崩すことになります。

このため、最低でも半年間は生活できる程度の生活資金を準備しておくことをおすすめします。1年分あると、ある程度安心して仕事に専念できるでしょう。

安藤真一郎 あんどうしんいちろう マーケティング会社に勤務した後、フリーランスのライターに転身。 多種多様なジャンルの記事を執筆するなかで、金融リテラシーを高めることや情報発信の重要性に気づき、現在はマネー系ジャンルを中心に執筆している。 ライターとして、知識のない人でも理解しやすいよう、かみくだいた文章にすることが信条。 ファイナンシャルプランニング技能士2級、日商簿記検定2級取得。 この著者の記事一覧はこちら
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