今回のテーマは、「初めてのデートで失敗する人の話し方」です。

銀座のホステスは、お酒を提供しながらその場の華やかな雰囲気や会話でゲストを楽しませるプロフェッショナルです。
さらにいえば、銀座のクラブにはご常連さんの他に、ご常連さんの同僚の方や、お取引先の方もいらっしゃるため、ホステスには「初対面の方」と仲良くなるテクニックも求められています。

今回は、その端くれとして働く私から読者の皆さんへ、初対面の方と仲良くなるためのちょっとしたコツを伝授できればと思います。初めてのデートに挑む方のお役に立てたら嬉しいです。

では、さっそく解説します。
会話上手は「聞き上手」と心得よ

私が大阪・北新地のとある老舗クラブに勤務していた頃、そのクラブの女性従業員用トイレにはこのような張り紙が貼られていました。

【人に好かれる「聞き方」4原則】
①聞き方は「8対2の法則」で
②人の話を奪い取るな
③相手の話を否定するな
④反論に反論するな

今回は、こちらの4原則を参考にしながら「初デートで失敗する人の話し方」ついて解説してみたいと思います。

まずは①の「聞き方は『8対2の法則』で」から。

このテーマに触れる前に、まずは「人は他人に興味がない」という前提からお話しなくてはなりません。

皆さんは、今日会った人の前髪の長さやホクロの位置、身に着けていた衣服の色、その人が食べていたランチの内容について思い出すことができますか? 「できない」と回答する方がほとんどでしょう。

それなのにご自身の前髪の長さやホクロの位置、身に着けていたセーターについた毛玉、ご自身がとった食事のカロリーや栄養のバランスについては気になる。そんなものです。人は他人に興味がありません。


皆さんが横浜流星や吉沢亮なら話は別ですが、基本的に相手は皆さんに興味がありません。よって、初対面の相手に「自分の話」ばかりしてしまうのは悪手。

また、特に初デートでは、相手の趣味や好み、または苦手なものなど、相手の情報を最大限に引き出しておきたいもの。そのためにも「聞き役」に徹するのが好手です。

相手の話に興味を示した上で、質問を投げかけ、話題を広げる。これが「聞き上手」な人の話し方です。まずは「聞く8:話す2」のバランスを心がけてみましょう。
失敗する人の話し方その1「人の話を奪う」

ここからは「初デートで失敗する人の話し方」の具体例について解説します。

まずは「人の話を奪う」話し方から。

例えば「今日は風が強くて、朝にせっかくセットした前髪がもうグチャグチャなの」と話している女性がいたとします。

そんな彼女に対し、

「僕も最近前髪を切ったの」
「僕はフランスから輸入しているシャンプーを使ってるんだけど」
「うちの犬の前髪もボサボサで」

と、会話の主人公を自身や自身に関連するものにすり替えてしまう人がいます。

繰り返しになりますが、人は他人に興味がありません。
話をさえぎられ、話題を奪われてしまった人は、当然「ムッ」とすることになります。

相手を「ムッ」とさせてでも自分自身の話をしたいのであればこれで良いのですが、初デートで同じことをしてしまうと、2回目のデートは当然望めませんよね。
失敗する人の話し方その2「相手の話を否定する」

次は「相手の話を否定する」話し方について。

例えば、初対面の相手に対し、彼女の趣味や好み、または苦手なものなどを知るために、いくつかの質問を投げかけるとします。ここまでは順調。

ところが、

「演劇鑑賞が趣味で」
「ミュージカルが特に好き」
「でもホラーは苦手」

と、答えた彼女に対し

「演劇鑑賞なんてつまんない」
「ミュージカルなんて特に最悪」
「ホラーが苦手? 人生損してる! 今度一緒に観ませんか?」

なんていう相づちを打ってしまっては全てが台無しですよね。

今回はあえて極端なケースを例として取り上げましたが、ここまでヒドくないとしても、無意識のうちに相手の話を否定している方は割といます。

ご自身の主張を聞き入れてもらいたい、という気持ちはよーくわかります。ですが、初デートではその気持ちをそっと横に置いて、相手の情報を聞きだすことに専念してみませんか。

2度目のデートをより楽しいものにするためのヒントが隠れているかもしれません。
失敗する人の話し方その3「反論に反論する」

では、「演劇鑑賞が趣味で」と話すあなたに対して相手が

「演劇鑑賞なんてつまんない」

と、反論してきた場合はどうするのが正解でしょうか。それは「反論に反論しない」ことです。


初デートでは、アツい議論を交わすことよりも、相手に「良い印象」を残すことを優先したいものです。ご自身のポリシーを主張したい、という気持ちは本当によくわかるのですが、初デートではその気持ちをそっと横に置いて、相手に「良い印象」を残すことに専念してみませんか。

とはいえ、あなたが趣味とする演劇鑑賞をハナから全否定するような相手と2度目のデートに挑んであげる必要はありません。その場ではつまらない衝突を回避するにとどめ、次回のデートについてはお断りしちゃってもいいかも。

「反論に反論するな」というのは、あくまでホステスとして働く私たちにとっての決まりごとですから。
失敗する人の話し方その4「ネガティブな自己開示をする」

最後に、「ネガティブな自己開示」は最も悪手です。

こちらは、私が勤めていた某老舗クラブの女性従業員用トイレに張り出されていたものではないのですが、とても大切なことなのでお話しさせていただきます。

例えば、複雑な家庭事情、持病、抱えているトラウマ、抱えているトラブルなどについて、初対面の相手に話してしまう人がいますが、これは超悪手です。

このような「ザ・ネガティブな自己開示」をされた相手は、間違いなく精神的な負担やストレスを覚えます。

複雑な家庭事情や持病などについて、聞いてもらった本人はスッキリするかもしれません。しかし、聞かされた相手は特別な配慮に加え、ケアまで求められているようなものなので相当ゲンナリです。

信頼関係が築かれていない段階では、センシティブな話題は避けておくのが無難でしょう。


どうしてもネガティブな話を他人に聞かせたい人は、占いかスナックにでも行ってください。
良縁を良縁とするには

今回は、「初めてのデートで失敗する人の話し方」について解説しました。

初デートを成功させたい方は、まずは「聞き上手」を目指すのが最も良いでしょう。そのためにも、「人の話を奪わない」「相手の話を否定しない」「反論に反論しない」ことを心がけてみてください。

そして、「ネガティブな自己開示」は絶対におすすめできません。初対面の相手に特別な配慮やケアを求めてはいけません。

今回は「初めてのデートで失敗する人の話し方」として解説しましたが、これらは全て「初対面の方と仲良くなるためには避けておきたいこと」でもあります。ビジネスでの交流や人脈開拓でも役立てていただけるはずです。

みずえちゃん みずえちゃん 1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務しながら、大阪北新地でキャバ嬢デビュー。現在は銀座のクラブに勤めるかたわら、フリーランスのライターとして活動している。
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