米Netflixと米Warner Bros. Discovery(WBD)は1月20日(米国時間)、NetflixによるWarner Bros.の買収について、「全額現金」による取引に変更することで合意したと発表した。取引条件の明確化により、WBD株主が受け取る価値の確実性を高め、買収手続きを加速させる狙いがある。
Netflixは、WBDの1株あたり27.75ドルを支払う。この買収価格は当初の合意から据え置かれており、ワーナーの映画スタジオ部門とストリーミング資産を合わせた企業価値は、引き続き約827億ドル(約12兆8000億円:1ドル=155円換算)と評価されている。取引資金は、手元資金、利用可能な信用枠、コミットメント(確約)付きの資金調達を組み合わせて賄う。WBD株主は、WBDから分離される新会社「Discovery Global」の株式による追加価値も受け取る。
今回の「全額現金」への変更は、買収対価に株式を含めた場合に生じ得る市場変動リスクを抑える点が大きい。株式を用いた対価では、買い手企業の株価変動により、最終的に株主が受け取る価値が上下する可能性がある。一方、現金であれば受取額が確定しやすく、株主にとって見通しが立てやすい。両社は、取引の簡素化によって「価値の確実性」が高まると説明している。
米メディアの報道によると、当初の合意では、WBD株主は「現金23.25ドルとNetflix普通株4.50ドル相当」を受け取る構成で、Netflix株価が一定水準を下回った場合の調整条件も盛り込まれていたとされる。また、競合する動きとして、Paramount SkydanceがWBDに対し「1株30ドルの全額現金提案」などを通じて株主への働きかけを強めていたとの報道がある。
Netflixのテッド・サランドス共同CEOは、「全額現金での合意により、株主投票までの期間が短縮され、1株あたり27.75ドルの確実な価値を提供できる」とコメントしている。
加えて、WBDは取引承認に向け、米証券取引委員会(SEC)に暫定的な委任状勧誘書類(preliminary proxy statement)を提出した。
取引は、Discovery Globalの分離完了に加え、規制当局およびWBD株主の承認など、複数の条件を満たす必要がある。競争法上の手続きとしては、米国のHart-Scott-Rodino(HSR)法に基づく届出をすでに提出しており、米司法省(DOJ)や欧州委員会などと協議を進めているという。また、今回の資金調達スキームは、対米外国投資委員会(CFIUS)の審査対象には該当しないとしている。取引完了時期は、当初の合意から12~18カ月後を見込む。











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