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かわいらしい一つ目ヘッドライトが印象的なこちらの原付スクーターは2003年、なんと、5万9,800円という驚きの激安価格で発売となりました。このモデルの名前はなんでしょう?
大ヒント:“ちょっと乗る”というイメージの名前です
通勤や通学、買い物など、1回の移動が2km程度の“ちょい乗り”に用途を絞り込んでメーカーが開発した原付スクーターです。
――正解は次のページで!
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○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】スズキ「チョイノリ」
正解はスズキ「チョイノリ」でした!
“ちょい乗り”用の乗り物、その名も「チョイノリ」は、スズキが2003年に発売した50cc原付スクーターです。当時の原付の新車価格が約10~20万円だったのに対し、5万9,800円という驚きの低価格が話題となりました。この製品が生まれた理由は、当時の代表取締役会長だった鈴木修氏からの強い要望があったからだと言われています。
鈴木修氏は1979年に47万円という破格のプライスで軽自動車の「アルト」を大ヒットさせ、スズキを世界的な自動車メーカーに成長させた著名な経営者です。しかし、会社が大きくなっても『俺は中小企業のおやじ』という庶民派を貫き、“二輪も四輪も1ccあたり1,000円が妥当”という持論を持ち続けていました。
その鈴木修氏が「チョイノリ」の開発を指示したことには、1990年代のバブル崩壊から続く不況や、1998年から適用された二輪車の排気ガス規制も関係しています。
原付などの小排気量エンジンは、生産コストの安い2ストロークエンジンが主流でしたが、排ガス規制のクリアが難しいため、クリーンな4スト化を余儀なくされます。しかし、2ストに比べると複雑でコストもかかってしまうため、各メーカーは人件費の安い中国や東南アジア諸国に生産を移管します。
しかし鈴木修氏は、自分が理想とする1ccあたり1,000円、つまり5万円の原付を日本国内で生産したいと考えました。日本の“ものづくり”を海外へ移すことに危機感を抱いていたからです。
当時のスズキには「レッツ2」という9~10万円台の2スト原付がありましたが、これを4スト化したモデルを同等の価格で作ることすら無理な話です。そこで、“生活の足”として使われる原付に必要な装備や性能を一から見直し、部品点数を徹底して削減する手法で開発を行いました。
こうして、『走れ、国産。¥59,800。』のキャッチコピーとともに「チョイノリ」は誕生しました。希望していた5万円は少しオーバーしてしまいましたが、鈴木修氏は満面の笑みで発表会に登壇しています。
「チョイノリ」のカウルは未塗装の着色樹脂がフロントとリアフェンダーのみで、ボディカウルやメットインスペースもありません。ミラーは右に1本のみ。ロービームやセルモーターのほか、リアサスペンションまで省略されました。エンジンは芝刈り機などの汎用機をベースとしたOHVの4ストロークで、一般的なスクーターと同じベルト式の変速機構を持つものの、後輪はチェーンで駆動する構造です。パワーはたったの2馬力ですが、徹底した部品の削減により車重は超軽量の39kg(乾燥)に抑えました。
圧倒的な低価格が話題となった「チョイノリ」は初年度に5万台の売り上げを記録し、グッドデザイン賞や2003年日経優秀製品・サービス賞 最優秀なども受賞します。後にセルモーターやフロントバスケットなどを装備したデラックスタイプのほか、カスタム仕様の「チョイノリSS」、改良型の「チョイノリⅡ」も発売されました。
「チョイノリ」はあまりにも簡素な設計ゆえ、従来の原付に慣れたユーザーからは「遅い」「乗り心地が悪い」「壊れやすい」「メットインがないので不便」と酷評されることもありました。しかし、2000年代の原付とは思えない割り切ったコンセプトや、愛らしくシンプルなデザインに魅了された人も数多くいます。このモデルを通じて整備やカスタムの楽しさを知り、丁寧にメンテナンスをしながら大事に乗り続けた人もいれば、大排気量のエンジンに載せ替えたカスタムマシンも存在します。
良くも悪くも大きなインパクトを残した「チョイノリ」ですが、2023年の「ジャパンモビリティショー2023」には、このモデルに似た車体に電動アシスト自転車用のパワーユニットとバッテリーを搭載した「e-チョイノリ」が参考出品されて注目を浴びました。いまだ市販化の話は出ていませんが、2025年10月末には50cc原付の生産が終了し、大柄な125ccベースの新基準原付に移行したため、このサイズの“ちょい乗りバイク”が欲しいと思っている人も多いのではないでしょうか。
それでは、次回をお楽しみに!
津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら











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