一時は異常値とも言われるほどの高騰を見せた高級腕時計市場。ロレックスを筆頭に、買いたくても買えない状況が続いたが、2025年はその熱狂が一段落した年でもあった。
では、2026年はどんな推移を見せるのか。

ということで今回は時計市場の現状と今後について、大手買取専門店「買取大吉」の鑑定士・木村健一さんに話をお聞きした。

○一定の落ち着きを見せた時計相場!依然として強いモデルは……

――時計市場の中心はやはりロレックスだと思いますが、2025年の時計相場を振り返ると、どんな1年でしたか。

全体で見ると、ほぼ横ばいですね。2023~2024年にかけては相場が下がり続けていたんですが、2025年に入ってからは下げ止まり、直近2年よりはやや良くなった印象です。

――やはり、それ以前の上昇幅が異常だった反動がきたのでしょうか?

そうですね。特にコロナ禍以降、一時期はちょっとおかしなくらい値段が上がってしまったので、今はその反動で下がり、高止まりしている状態だと思います。まだちょっと高いかなとは思いますが、ただ以前のような“アホみたいな相場”ではなくなってきた、という感覚ですね。

――そんな中で、未だに人気が高いブランドやモデルはありますか?

やはりロレックスですね。全体的に大きく下がってはいません。特に強いのはスポーツモデル。デイトナ、サブマリーナー、GMTマスター、エクスプローラー。
このあたりは安定感があります。

中でも最近特に注目されているのが「特殊ダイヤル」。天然石を使ったダイヤルで、例えばオニキス、ラピスラズリ、タイガーアイなどですね。2025年発売のタイガーアイ文字盤のGMTマスターは、定価が約800万円ですが、相場では1500万円前後。デイトナのメテオライト(隕石)文字盤も、定価800万円に対して二次市場では2000万円近く。ティファニーブルーのデイトナも同様に、700万円台の定価が1800万円前後まで跳ね上がっています。

ロレックス以外で相場が強いブランドは?


――ロレックス以外のブランドではどうでしょう。

パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、リシャール・ミル……このあたりは引き続き強いですね。あとはカルティエの一部モデル。かなりマニアックですが、FPジュルヌも相場は堅調です。オークションピースのような時計を作るブランドなので、評価が落ちにくいんですね。

――逆に、買いやすくなったモデルはありますか?

今、ブティックに行けば普通に買えるモデルはどれもそうですね。
例えばオメガのスピードマスター。一時期はカラー次第で全く手に入らなかったのですが、今は店頭で見かける機会が増えました。

あとは、ランゲ&ゾーネなどのハイエンドモデルも、以前より流通しています。「お金を出しても買えなかった」状況が解消されたことで、相場は下がっています。限定品や極端に数が少ないもの以外は、全体的に落ち着いてきています。
○今後、時計相場はどうなる?

――それでは、今年の時計市場はどうなりそうでしょう。

正直、もう少し落ち着くような感じはします。2020~2023年が高すぎたので。今後、値段が上がるとしたら、やはり「廃盤モデル」や「限定カラー」「限定コラボ」などじゃないでしょうか。

時計全体では、緩やかに下がっていく可能性もあると思っています。店頭で物を見かける機会が増えているので、消化率も落ちていると思うんですよ。

――ロレックスは、これからも“マラソン必須”ですか?

以前よりは、確実に買いやすくなっていると思います。
店頭には出ていなくても、店員さんに聞けば出てくるケースも増えているみたいですし、例えば「オイスターパーペチュアルはありますか」と聞くと、「何色がいいですか?」と選択肢が出てくる、という話も聞きますね。

「お金があってもロレックスなんて買えない」という時代は終焉に向かい、これからは欲しい時計が普通に入手できる日がやってくるかもしれない。
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