OpenAIは2月9日(現地時間)、「ChatGPT」の無料版および低価格サブスクリプション「Go」プランを対象に、広告表示のテストを開始すると発表した。急速に拡大するユーザー基盤に、安定したサービス提供を維持するための施策である。
広告がChatGPTの回答内容に影響することはなく、会話内容を広告主に開示することもないとしている。

生成AIサービスの運用には莫大な計算資源と継続的な投資が必要となる。OpenAIは、無料版およびGoプランを高速かつ安定して提供するため、広告収益で運用を下支えし、学習、仕事、日常の意思決定といった用途での活用を広げたい考えである。一方、Plus、Pro、Business、Enterprise、Educationといった上位プランでは広告を表示しない。また、無料ユーザー向けには、1日の無料メッセージ上限を引き下げる代わりに広告を非表示にする選択肢も用意する。

広告には「スポンサー(Sponsored)」というラベルが付き、通常の回答とは分離して表示される。広告主の意向がAIの回答に反映されることはなく、回答は引き続き「ユーザーにとっての有用性」を基準に生成されるとしている。

テスト期間中は、広告主の広告と会話の話題を照合し、さらに過去のチャットや広告への反応も加味して表示する広告を決定する。例えば、レシピを調べている際には、ミールキットや食材宅配サービスの広告が表示される可能性がある。複数の広告主が存在する場合は、ユーザーの会話内容との関連性が最も高い広告が優先される。

検索連動型広告が主に「検索語」に基づいて表示されるのに対し、対話型AIでは、相談や検討が継続する文脈を踏まえた広告表示が可能となる。OpenAIは、これにより広告の関連性や有用性を高め、ユーザーのニーズにより適合した商品やサービスにつなげられるとみている。
ただし、ユーザーの信頼を最優先とし、当面は学習を重ねながら、適切な広告体験の構築を進めるとしている。

プライバシーと安全対策について、広告主に提供されるデータは、表示回数やクリック数などの集計された成果情報に限定される。ユーザーのチャット本文、履歴、メモリー、個人情報に広告主がアクセスすることはない。

また、18歳未満と申告された、または未成年と推定されるアカウントには広告を表示しない。健康、メンタルヘルス、政治など、センシティブまたは規制対象となり得る話題の周辺にも広告は表示しない。

広告体験をユーザーがコントロールできる機能も提供する。表示された広告を閉じたり、広告が選ばれた理由を確認できるほか、広告データのワンタップ削除、パーソナライズ設定の管理などを行える。
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