ノートンは2月13日、「2026年版 ノートン サイバーセーフティインサイトレポート:人工的な親密性編」を発表した。調査は2025年7月31日~8月11日、18歳以上の成人1,000名を対象にインターネットで行われた。


○恋愛のアドバイス「人間よりAIを信頼」63%

従来のリアルな社会的ネットワークの機能が弱まる中、人々は心の拠りどころをオンライン空間に求める傾向を強めている。現在、または過去にオンラインで恋愛活動を行ったことがある人の32%が「失恋後のセラピーとしてAIチャットボットを使う可能性がある」と回答した。また、AIに相談した経験がある人の63%は恋愛に関するアドバイスにおいて「人間の友人や家族よりもAIを信頼している」と答えている。

すでにAIが感情的な隙間を埋めているケースもある。15%が「つらい一日を乗り切るためにAIチャットボットに話しかける」と回答し、27%が、純粋に娯楽目的でAIチャットボットと会話する」と回答している。
○AIが恋愛のパートナーへ進化

現在、または過去にオンラインで恋愛活動を行ったことがある人の半数が、AIチャットボットとのデートを検討すると回答している。理由としては、「好奇心から」が20%、「テクノロジーに関心がありどこまでできるか試したい」19%、「本気ではなく単に楽しみとして」19%、「人間と付き合うより簡単そう」18%、「新しいこと・実験的な体験をしたい」15%、「孤独を感じている」15%、「現実のデートがストレスに感じる」13%、「判断されることなく理解されたい」13%、「デーティングアプリでのネガティブな経験から」11%となっている。

詐欺行為増加の実態も


現在、または過去にデーティングアプリを使用したことがある人の70%が「マッチ相手がAIを使って写真を加工したり、プロフィール文を作成していたと知ると不快に感じる」と回答した一方で、38%が「AIツールを使って実際に写真を加工した経験がある」と回答した。

AIの普及が進む中、恋愛感情を悪用する詐欺も日本で問題となっている。現在、または過去にデーティングアプリを使用したことがある人36%が、有名人や著名な公的人物を名乗る人物からSNSやデーティングアプリ上で連絡を受けた経験があると回答した。

同社グローバル詐欺研究の責任者であるレイラ・ビルジ氏は次のように述べている。

「孤独感が強まると、オンライン上での信頼は非常に早く形成されがちです。
そこに付け込むのが詐欺師です。アプリやチャットボット、デジタルツールを通じてつながりを求める人が増える今こそ、一度立ち止まり、個人情報を守り、『本当の信頼は決してプレッシャーや秘密を伴わない』ということを思い出す必要があります。AIそのものが詐欺というわけではなく、そこに本当の安心感を見出す人もいますが、AIはあくまで人工的な存在であり、現実の人間関係を代替するものではありません」
○オンラインデーティングにおけるAI活用の広がり

現在、または過去にオンラインで恋愛活動を行ったことがある人の41%が、デーティングアプリのプロフィール作成を手伝うためにAIを使いたいと回答している。

その他の用途は、「恋愛・交際のコーチング目的で使いたい」36%、「写真をより魅力的に見せるために使いたい」35%、「口説き文句や会話のきっかけ作りに使いたい」35%、「別れのメッセージを書くために使いたい」33%、「失恋後のセラピー目的で使いたい」32%、「自分の代理としてAIにバーチャルデートをしてもらうことも検討する」30%、「駆け引きの練習に使いたい」29%となっている。
○恋愛プラットフォームの利用実態と安全性

現在、または過去にオンラインで恋愛活動を行ったことがある人の中では、各プラットフォームごとに「安心して使用できる」と答えた人の割合が異なっている。「Instagram」46%、「Pairs」43%、「With」36%、「tapple」35%、「TikTok」33%、「Tinder」27%、「Bumble」24%であった。マッチングアプリだけではなく、InstagramやTikTokなどの一般的なSNSも、オンラインでの恋愛活動のプラットフォームとして活用されている実態が伺える。

「AIが日常に深く浸透し、オンラインの出会いが主流化する中、恋愛領域でも様々なトラブルに発展するリスクが増えている。今後ますます冷静な判断・プライバシー保護・適切なツールの活用が不可欠であり、個人の心理状態やAIとの向き合い方が安全性を左右する時代に突入している」と同調査。
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