「普通に話しているつもりなのに、相手をイラッとさせてしまった」「よかれと思って言ったのに、傷つけてしまった」「職場の同僚や友人の輪に、なかなか溶け込めない」こんな悩みはありませんか。この記事では、これまで2万人以上の個別相談を受け、延べ6万人以上に企業研修・講演を行ってきた大野萌子氏の著書『いつも感じがいい人はこんなふうに話している』(アスコム)から一部を抜粋して紹介。
誰でも感じがいい人になれる、言葉の選び方について解説します。

今回のテーマは『「みんなの前で叱ってはいけない」というのは誤り』。

○「みんなの前で叱ってはいけない」というのは誤り

みなさんに質問です。大勢の社員がいる前で、部下を注意したりする。

これはパワハラでしょうか?

9割近くの方が、「それはパワハラです」と答えます。

ですが、これもまたひとつの思い込みなのです。

実は、これは正確にはパワハラではありません。

もちろん、「お前はグズだ!」「お前は本当にダメだな!」といった人格を否定するような言葉を言ったり、怒鳴ったり、恫喝するような言い方をしていれば、問題になるでしょう。

ですが、皆の前で注意をするという行為自体は、パワハラとは言えません。

その上司がその部下を注意している、ということを大勢の人が知るので、ある意味公平なのです。

それよりも、どこかに呼び出してふたりきりで叱るほうが、パワハラと言われかねません。別室や階段の踊り場、給湯室など、大勢の目には触れない場所に呼び出されて、1対1で叱られるほうが怖い、という意見が、カウンセリングの現場でも増えています。


もしかしたら上司の方は、皆の前で叱って恥をかかせるよりもいいと思って、別の場所に呼び出しているのかもしれません。

ですがそれも、“よかれと思って”感じが悪い選択をしてしまっている可能性があるのです。

「じゃあ、私たちはどうすればいいんですか? 何にどう気を遣えばいいんですか?」と上司のほうも悩んでしまうかもしれませんね。

ここでも有効なのは、相手に選択肢を与えることです。

「ちょっとこの件で話があるんだけど、ここでこのまま続けてもいいかな? 場所を変える?」というように、相手に決めてもらいましょう。

いきなり大勢の前で怒嗚ったり、「ちょっと来い」と命令したりするのではなく、「今からこれについて話すけど、どうする?」と伝え、選択してもらう。

たとえ自分がミスをしてしまい叱られるとわかっていても、そのワンクッションがあるだけで相手は受け入れやすくなるし、信頼できる上司だ、という感覚につながっていくと思います。

○『いつも感じがいい人はこんなふうに話している』(大野萌子/アスコム)

どうすれば、感じのいい話し方ができるのか。 そもそも、感じが悪い言葉遣いも、悪気があって発せられることはほとんどありません。むしろ、本人は「よかれ」と思っていることさえあります、いわば無意識に感じの悪い言葉が出てくる状態です。「無意識なら防ぎようがない。やっぱり、どうしたらいいのか分からない」と思うかもしれませんが、大事なのは「考え方」を変えること。
普段から「感じのいい考え方」をしていれば、感じのいい言葉が頭に浮かんできます。この本では、読むうちに「感じのいい人の考え方」が自然とインストールされるように工夫しています。「考え方を身につけよう」と頑張る必要はありません。本文中に身近なシーンを題材にした具体例や、根拠となる心理学的エビデンス、さらにあなた自身に考えてもらう設問も用意しました。つまり、「読んで終わり」ではなく、「読んでいるうちに変わる」本。いってみれば、読むだけで感じがよくなる本です。読み終える頃には、あなたの中に「感じがよくなる考え方」がしっかりと根づいているはずです。
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