モデル・藤井サチが、1月28日(水)に自身初となるフォト&スタイルブック『雨のち、サチ。』を発売した。
写真へのこだわりや露出への葛藤、「痩せたい」という言葉が一人歩きしてしまうことへの違和感など、彼女の正直な思いが詰まった本作。モデル、テレビ、YouTube、政治番組と、さまざまなフィールドで発信を続ける藤井サチが見つけた、自分なりのスタンスや、失敗を重ねた20代を経て迎える30代の展望を聞いた。

○下着の仕事はNGだった――初のフォト&スタイルブックでは「挑戦しようと」

――今回のフォトブックでは、露出のあるカットもたくさん入っていますが、迷いや不安はありませんでしたか。

正直、結婚もしましたし、「世間からどう見られるのだろうか」という思いはありました。

あと、実はこれまで、下着のお仕事はお断りしてきていたんです。だからこそ、せっかく自分のフォトブックを出せるなら、後悔のないようにとことんやろう、できることは全部出し切ろうと思って。そういう意味で今回は挑戦してみました。

――旦那様はご覧になりましたか。

撮影後に写真を見せたのですが、「すごい、がんばったね」と(笑)。ネガティブな反応はまったくなくて、完全に応援してくれています。 私の「出し切ろう」という気持ちを尊重してくれたんだと思います。

○「細くならなければ」という強迫観念に囚われた経験があるからこそ伝えたい

――モデルになったとき、「細くならなければ」という強迫観念に囚われてしまった経験があるサチさん。
これを見て、若いファンの方が「サチさんみたいに細くなりたい」「痩せたい」と思ってしまうのでは、という怖さはありませんか。

だからこそ、インタビューも一緒に読んでもらいたいと思って、自分のこれまでの経験や思い、乗り越え方をしっかり書かせてもらったつもりです。私のスタイルを見て安易にそう思ってほしくないからこそ、書いたという気持ちがあります。

実は、自分のYouTubeの動画でもサムネイルにあえて「12kg痩せる方法」と書いているものがあるのですが、それはフックで、本当に伝えたいのは痩せ方ではなく「なりたい自分の見つけ方」……というトライをしたことがあります。見ている人に「なんで痩せたいの?」「目的は?」と問いかけたりして。

――痩せたい理由を問いかける、ですか。

私は10代の頃、ヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーを見て「これくらい痩せていないと、モデルとしての価値がないのかな」と勝手に自分の中で刷り込んでしまったことがあります。それって、自分が本当に痩せたいからじゃなくて、他人からの評価を良くするために痩せなきゃ、と思っていたということで、完全に他人軸じゃないですか。

そうではなくて、「このワンピースを着たいから」「持病があって健康になるために」とか、内容はなんでもいいと思うのですが、自分が決めた軸で好きな体型を目指すことが大事だと思っています。

○コメンテーターとしても活躍――発言の切り取りに「もどかしく感じることはあります」

――SNS、テレビ出演、ファッションモデルなど、いろいろなお仕事がありますが、メディアによって見せ方や振る舞いを変えることはありますか。

変に背伸びしたり、取り繕ったりはせず、どんな場面でも基本的には素の自分で過ごすようにしています。ただ、たとえば政治系の番組に出るときは、少し声を低くして落ち着いた話し方を意識したり、衣装もかっちり見えるものをお願いしたり、信頼してもらえるように工夫することはあります。


一方で、モデルの仕事では、現場の方と一緒に一つの作品を作り上げる感覚を大事にしているので、どちらかというと明るいコミュニケーションを取るように心がけたりもします。

――コメンテーターの仕事は、どのように向き合っていらっしゃるのでしょうか?

発言の一部を切り取られて取り上げられると、もどかしく感じることはありますし、反対意見を持つ人から批判されることもあるので、とても難しい分野だなとは思います。それでも、みんなが政治について話さなくなることが、いちばん良くないと思っていて。

政治のコメンテーターとしては、私は専門家ではないので、28歳の女性として感じたことや気づき、友達から聞いた話などをありのままに伝えることを心がけています。政治について勉強すること自体が、結果的に自分のためにもなりますし、ニュースが面白く見えるようにもなる。自己満足で終わらせないよう意識しつつ、でも正直、自分のためにやっている部分もあるかもしれません。

○トライアンドエラーの20代 30代は「もう一つ柱を作っていきたい」

――なるほど。また、3月で29歳を迎えますが、20代を振り返ると、どんな10年でしたか?

難しいですね……! でも今振り返ると、「たくさん失敗してよかったな」と思います。失敗の渦中にいるときは、焦りや不安で本当につらいけど、今思えば、その失敗があったからこそ学べたことも多くて。それを糧にできたから、年を重ねることが楽しいと思えるんだと思います。話の幅も広がって、いろんな人と関わるのも楽しくなりました。失敗の多い20代でしたが、トライアンドエラーできてよかった! という感覚です。


――それを踏まえて、30代はどんなふうに過ごしたいですか?

10代の頃は、いつも先のことばかり考えていました。でも今は、「瞬間を楽しむこと」が大事だと感じています。その一つひとつが点になって、最終的につながっていくんだなと思えるようになりました。だから30代は、あまり先のことを考えすぎず、今この瞬間を全力で楽しんだり、挑戦したりしていきたいです。

――その中で、「これはやりたい」と思っていることはありますか?

まだ具体的に決まっているわけではありませんが、社会貢献につながるビジネスをしたり、以前から関心のある「子ども食堂」をお手伝いしたり。モデルの仕事を軸にしつつ、自分の中にもう一つ柱を作っていきたいと考えています。

これから家族を作っていきたいという思いもありますし、もちろん一生続けたいとは思っていますが、ライフステージが変わることで、モデルの仕事をどこまでできるかわからない。先行きが見えにくい時代だからこそ、自分の力で何か一つ持っていられたら安心できるのかなと思っていて。芸能以外の分野にも挑戦していきたいです。

○仕事の幅とともにファン層にも幅

――今回の発売にあたって、ファンの方と直接触れ合う機会もあると思いますが、藤井さんにとってファンとはどんな存在ですか。

ファンの皆さんがいなかったらここまでがんばれなかったし、今回のフォトブックも出せなかったので、心から「ありがとうございます」を言いたいです。

自分がやりたくてモデルの仕事をしているのに、それを応援してくれる人がいるというのは、本当に不思議で、ありがたいことだなといつも感じています。


――ご自身のファンには、どんな方が多いと感じますか。

『Seventeen』の頃から応援してくれている同世代の方がいちばん多いと思いますが、最近はコメンテーターのお仕事をきっかけに、父世代の方が応援してくださることもあって、それもとてもうれしいです。

みなさん本当に穏やかで優しくて、ファン同士がお互いを思いやっていて、雰囲気のいいコミュニティーだなと感じています。

ファンクラブのライブ配信でも、ファン同士が「今日もお疲れさま~」とコメントで労い合っていて、私はそれを見ていつもほっこりしています(笑)。

■藤井サチ
1997年3月6日生まれ。東京都出身。身長170㎝。2011年にスカウトされ、芸能界入り。「ミスセブンティーン2012」に選ばれ、ファッション誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルとなる。その後、『ViVi』(講談社)専属モデルを経て、現在『CLASSY.』(光文社)を中心にモデルとして活動中。1月28日に自身初のフォト&スタイルブック『雨のち、サチ。』(光文社)を発売した。
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