新生活を機に、オーダースーツへの挑戦を考えるビジネスパーソンも多いはず。一方で、「難しそう」「失敗しそう」といった不安から、最初の一歩を踏み出せないという人も少なくない。


今回は、1999年のブランド誕生以来、オーダースーツを広く普及させてきた「麻布テーラー」にネクタイやシャツ、革靴などオーダースーツと合わせるアイテムのポイントを解説してもらった。

オーダースーツと合わせてシャツもオーダーした方がいい理由

せっかくオーダースーツを仕立てても、合わせるアイテムによっては、スーツの魅力が半減してしまうことも少なくない。そうならないためには、どのようにアイテムを選ぶといいのだろうか。中田さんに尋ねると、まずはシャツの重要性をあげた。

「シャツの着心地が悪いと、いくらサイズの合ったスーツを着ていても動きは悪いです。見た目についても、首回りがブカブカだったり、袖が長かったりなど、ほんの少しのディテールでもったいないと感じさせてしまう組み合わせも存在します」

そのため、できればシャツもスーツとセットでサイズを合わせた方がよい。麻布テーラーではサイズとデザインを自分好みに仕立てられるオーダーシャツを9,900円から用意している。

「例えば、袖の落ち方は袖の長さで決まるとよく思われがちですが、実は袖口の太さで決まります。どれだけ袖が長くても袖口の太さと手首の太さが合っていれば手首で止まりますが、袖口が太すぎる場合は袖が落ちてしまいます。既製品ではどうしても首周りの太さと袖の長さでしか選べませんが、オーダーシャツで袖口までしっかりとサイジングすることで、オーダースーツと合わせた時にビシッと決まります」

ネクタイ選びで見落としがちな、ラペル幅とネクタイの太さのバランス

スーツに欠かせないネクタイの選び方のポイントにあげたのが、ラペル幅の太さだ。ラペル幅が太いスーツには幅の太いネクタイ、ラペル幅の細いスーツには幅の細いネクタイといったように、ラペルとネクタイの太さのバランスをとると見栄えが良くなるという。

「たとえば、ラペルが細いスーツに太いネクタイを合わせる組み合わせだと、『顔を見てくれ』とものすごく強調している印象を相手に与えてしまいます」

現在、麻布テーラーでは幅が8cmと8.5cmの2タイプを取り扱う。


「8cm幅のネクタイは昔からの定番モデルで、一般的なラペル幅であれば基本的に合います。近年のトレンドとして、ラペル幅が少し太くなってきているため、それに合う8.5cmのネクタイも取り揃えています。このラペル幅とネクタイの太さのバランスは見落としやすいですが、スーツをカッコ良く着こなすためには意外と大切なポイントです」

スーツと合わせる機会の多いレザーアイテムの色を揃えたり、コーディネートの中にさりげなくトレンドを取り入れることも、スーツを上手に着こなすポイントになる。

「ベルトが黒なのに茶靴を履いていると、全体で見た時にちぐはぐな印象を与えてしまいます。そのため、時計のベルトやカバンなども含めてレザーアイテムは黒なら黒、茶なら茶で合わせて、色の統一感を持たせることを意識するといいと思います」

「トレンドは一番旬な情報ですが、いくらトレンドであってもビジネスユースで全てピンクのシャツやネクタイを合わせることはなかなかハードルが高いです。でも、例えばネクタイの差し色としてなら、ピンクでもちょっと試してみようかなと思えたりします。トレンドを必ずしも入れるべきではないのですが、それによってその人の個性を演出できたり、新しい自分の発見にもつながったりします」

オーダースーツ初心者こそ気をつけたい革靴

ここまでスーツと組み合わせるアイテムのポイントをあげてもらったが、初めてオーダースーツを仕立てる際には靴にも気を配ると、より良い印象になるという。

「せっかく一張羅としてオーダースーツを作るのであれば、足元まで意識したいですね。やっぱりスーツは全身で見られるので、傷だらけの革靴を履いていては台無しになってしまいます。身だしなみや清潔感という意味でも磨かれた綺麗な靴を履いてほしいなと思います」

また、革靴はフォーマルなら内羽根のストレートチップ、カジュアルならローファーと着用シーンによって合わせる型が決まっている。それだけにTPOを理解した上で革靴を選択することも大切になってくる。

「『型がなければ型無しだけど、型があるから型破り』という歌舞伎の言葉がありますが、基本を知った上であえて外すのと、知らずに選んでしまうのとでは意味合いが全く異なります。
だからこそ、私たちプロを頼っていただきたいんです。

オーダースーツ作りは、基本的にお客さまとの『対話』から始まります。私たちスタッフは、ただ採寸をするだけでなく、お客さまの好みやお悩みを伺いながら、より良いスタイルを一緒に作り上げるために店舗に立っています。スーツから小物合わせまで、分からないことがあればぜひお気軽に相談してください。全力でサポートいたします」

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら
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