「ドレミの箱」募金による、今年度2回目の小中学生対象音楽クリニックが2月16日、北海道小樽市の菁園(せいえん)中学校で開催された。

北海道電力は1973年から続く「ほくでんファミリーコンサート」の会場に募金箱「ドレミの箱」を設置しており、集められた募金で音楽クリニックを開催している。
北海道教育委員会から推薦のあった学校に、プロの演奏家である札幌交響楽団のメンバーが訪問し、技術指導を行う。

この日は、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバ、打楽器の8人のプロフェッショナルが学校を訪れ、同校吹奏楽部の1、2年生合計22人を指導した。

○楽器ごとに分かれて実技指導、音の響きを磨く

学校の通常授業が終わり、音楽クリニック開始時間になると開講式が始まった。北海道電力 小樽支社の安達正彦支社長は、「北海道の皆さまに、本格的なクラシック音楽を気軽に楽しんでいただきたい」という思いで始まった「ほくでんファミリーコンサート」と、その募金で行われるクリニックについて紹介。

さらに、「『もっと上手になりたい』『ここが難しい』と感じているところを、ぜひ、積極的に先生方に聞いてみてください。きっと新しい発見や、上達のきっかけが見つかると思います」と、プロを前に緊張気味の生徒たちに、笑顔で声をかけた。

その後、担当する楽器ごとに8つの教室に分かれた生徒たちは、楽器の手入れから、演奏前の準備、音の出し方、演奏法まで、プロから細かく指導を受けた。

クラリネットの原田侑來先生は、一度中学生6人の演奏を聴き、「全体的な印象として、すごく音の芯が感じられるし、まとまりも感じますが、一人ひとりの響きがもう少しあれば、さらに良くなります」と評価。その上で、どのように楽器を鳴らせば響きが良くなるのかを、一人ひとりの音を聴きながら、丁寧に指導した。

小樽菁園中吹奏楽部は、昨年8月の全日本吹奏楽コンクール北海道予選札幌地区大会(中学校C編成※25人以下)で金賞(13校)を受賞したが、惜しくも北海道予選(全道大会)進出(5校)を逃している。

クラリネットの中村紫乃部長(中2)は、「特に基礎の面をたくさん学ばせてもらい、自分たちのできていないところがはっきりしました。今日学んだことを今後の練習に活かして、良い演奏ができたらなと思いました。
今年は全道大会出場を目指します」と、力強く話した。

入部からフルートを担当していた廣瀨千陽さん(1年)は、吹奏楽部顧問の佐藤夕美先生の勧めで、昨年末からオーボエに取り組みはじめた。この日は、オーボエの浅原由香先生からマンツーマンで指導を受けた。これまで出なかった音をどうすれば出せるのか、舌を使ってリードに触れたり離したりすることで音の始まりを区切るタンギング奏法などを学んだ。

廣瀨さんは、「最初は緊張していましたが、今までできなかったことがどんどんできるようになって、それがすごく楽しかった。昨年はコンクールのメンバーに選んでもらえませんでしたので、今年は絶対に選んでもらいたい。そして金賞を取って全道大会に出たい」と、目を輝かせた。

小樽菁園中の吹奏楽部は今後、卒業式や入学式はもちろんのこと、3月20日に小樽市民会館で開催される後志吹奏楽フェスティバル、そして全国大会にもつながる8月のコンクールと大きな出番が続く。顧問の佐藤先生は「本当に貴重な時間をいただきました。子どもたちにとって、素晴らしい経験になったと感じています。先生方が、一人ひとりのレベルに応じて、ピンポイントで丁寧にアドバイスしてくださっていることを感じました」と、シーズンイン直前の特別レッスンに感謝の言葉を述べた。
○次世代へつなぐ学び - 充実感に満ちた一日

札幌交響楽団は、札幌市民交響楽団として1961年に発足。
「ほくでんファミリーコンサート」は12年後に始まり、「ドレミの箱」募金のクリニックも約半世紀の歴史を持つ。コロナ禍による中断こそあったが、昨年度から再開し、今年度は岩見沢と今回の小樽での開催となった。

札幌交響楽団事務局の担当者は、「ほくでんファミリーコンサートによって北海道中に音楽を届け、音楽クリニックによって青少年の指導をすることで裾野を広げていくことができます。今後も私たちの使命として、長くこの活動を続けていきたい」と話す。

閉講式では、トランペットの籠谷春香先生から「これから新入生が入ってくると思います。先輩として、今日学んだことを1年生に伝えてもらって、みなさんでまた頑張ってください」との言葉があった。この日学んだことは、自分たちの中だけにとどまらず、また次の世代に受け継がれていく。

小学生時代にトロンボーンの経験があるという北海道電力の木林尚稔広報部長は「プロの先生方から直接アドバイスを受ける機会は、そう多くありません。今日学んだことを、ぜひ、これからの練習や演奏に活かしてさらに上達していってほしい。本日のクリニックが、皆さんの音楽活動の新しい一歩につながることを心から願っています」と会を結んだ。

最後に記念として北海道電力のコーポレートキャラクター「エネモ」のキーホルダーとクリアファイルが配布され、学びと手応えを胸にした中学生たちの表情は充実感に満ちていた。
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