ミツカンは2月25日、ブランドリニューアルした『フルーティス』の発売を記念し、「ミツカン 新フルーティス 発売記念イベント」を開催した。従来の“健康のためのお酢”から、“お酢の力で果実をおいしく味わうリフレッシュドリンク”に進化したという。
担当者は「果実飲料ともお酢ドリンクとも異なる、新しい飲み心地をお楽しみください」とアピールしている。

○どんな味わいになっている?

ミツカンでは2026年2月18日より『フルーティス シャインマスカット』『フルーティス あまおう』『フルーティス 白桃』『フルーティス ざくろ』の全4種(4倍濃縮タイプ)を販売している。いずれも容量は500ml、参考小売価格は770円。

長野県産シャインマスカットを使った『フルーティス シャインマスカット』は、飲みはじめに「シャインマスカットの華やかな香り」を感じ、やがて「フレッシュな果実感」がやってくる。担当者は「果実をかじったようなムギュっと感やじゅわっと感を出すために、隠し味として塩を活用しています」と明かす。また後味の「シャインマスカットを食べ終えた口残り、満足感」を表現するために、気付かない程度の苦みも加えているという。

福岡県産あまおうを使った『フルーティス あまおう』は、飲みはじめに「あまおうの優しい香り」、そして「濃厚な甘みと酸味のハーモニー」が訪れる設計。担当者は「焙煎した砂糖を使っています」と解説する。後味には、ほどよい苺の香りと心地よい甘さが残る。

国産白桃を使った『フルーティス 白桃』は、しっかりとした甘み+酸味で桃の味わいを再現した。担当者は「桃の果実感を演出するため、りんご果汁と梅果汁を使いました」と話す。後味は、ほどよい酸味でスッキリとした味わいになる。


『フルーティス ざくろ』は、ざくろのほどよい酸味と甘みのあとに、ざくろを食べたあとのようなキュンとした酸っぱさがくる設計にした。担当者は「ざくろと言えばお酢ドリンクの定番ですが、おいしい“ざくろ味”にするために試行錯誤を繰り返しました。ぶどう果汁をブレンドしています」と紹介する。

○お酢ドリンクをイメチェンする

フルーティスは、ミツカンが2020年より販売しているりんご酢ドリンク。お酢を飲む人を増やしたい、という思いから30~40代の女性をターゲットに展開している。しかし“お酢ドリンク”の市場規模は、2021年をピークに右肩下がりの状況にある。

ミツカンマーケティング本部の田中菜々美氏は、その理由として「生活者の健康ニーズの変化が影響しました。またお酢ドリンクに特有の酸味・甘みの強さから離脱する人もいらっしゃいました」と解説する。そこで同社では、お酢ドリンク=健康のために我慢して飲む、というイメージからの脱却をはかる。

リブランディングにあたっては、いくつかのきっかけがあった。まずは「ウェルパ」「プロパ」の流行。田中氏は「消費行動のトレンドには、行動がもたらす心身の満足度や幸福感を重視する(ウェルビーイングパフォーマンス)、また過程そのものを楽しむことに価値を見出す(プロセスパフォーマンス)の傾向が見られます。
そこでドリンクにも心身が満たされる体験が求められるのでは、と考えました」と話す。

折しもドリンク市場にはフルーツフレーバーの商品が増えてきた。そして好調を維持している業務用の「フルーティス」からもヒントを得た。「福岡のあまおう、宮崎のマンゴー、高知の柚子、和歌山の南高梅…といったご当地のこだわり果実をフレーバーにした業務用フルーティスが、ホテルの朝食ビュッフェ / ウェルカムドリンクに採用され、飲食店のビネガードリンクに導入されはじめました。そこで家庭用のフルーティスにもチャンスを見出しました」。

リニューアルでこだわったポイントは3つ。1つめには“新・果実体験”を挙げる。「従来商品は、お酢をおいしく飲むための果実フレーバーでした。新商品は、果実のおいしさを主役にした“新・果実体験”を楽しめるフレッシュドリンクに仕上げています。ここで用いたのは、スッキリとした甘み×ジューシーな果実感を生み出すフルーティアップ製法です。料理に少量のお酢を入れて輪郭をはっきりさせる隠し酢を果汁に応用したもので、スッキリしているけれどちゃんと甘い、を実現しています」と田中氏。

2つめとして、アレンジ自在な濃縮飲料のメリットを強調する。
「フルーティスは、皆さんのライフスタイルに寄り添うことができます。たとえば、朝食の準備中に水で割って飲む、仕事中に炭酸水で、3時のおやつにはラテで、夕食の準備をしながら紅茶割りで、食事が終わったらアイスにかけて、夜のリラックスタイムにお酒割りで。そのときの気分、シーンにあわせてお楽しみいただけます」(田中氏)。

3つめには、果実のおいしさが伝わるパッケージのデザインをアピールする。「みずみずしい果実の味わいをイメージしてもらえるような大きなイラスト、そして商品を思わず手にとってしまう気分の上がるパステルカラーの配色にしました。フルーティスの価値を表現したパッケージになっています」(田中氏)。

「ミツカンはお酢のリーディングカンパニーとして、落ち込みつつある市場をフルーティスで回復させます。向こう3年間で、最盛期の2021・2022年並みまでマーケットを復活させたいと考えています」と田中氏。“新・果実体験”をより多くの人に体験してもらうべく、様々なチャネルに露出を増やしていく方針も明らかにした。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。
日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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