藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑戦する第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(主催:共同通信社、日本将棋連盟)は、両者1勝1敗で迎えた第3局が3月1日(日)に新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で行われました。対局の結果、角換わり早繰り銀を駆使した増田八段が122手で勝利。
○増田八段の積極策
ともに後手番を勝利して迎えた第3局、注目された後手・増田八段の作戦は角換わり早繰り銀でした。第1局に引き続き後手番で積極的に主導権を求める姿勢で、角換わり相腰掛け銀の研究合戦を避けたい意識が見て取れます。先にまとまった時間を使ったのは先手の藤井棋王。前進してきた後手の早繰り銀を捕らえきれるかが序盤のポイントになっています。
藤井棋王が強気の銀ばさみで応じたことで局面は激しさを増します。後に引けない増田八段は銀桂交換の駒損の代償として馬を作って応戦。形勢は難解ですが、競り合いの中でこの馬が盤上から消されたことで徐々に藤井棋王の模様がよくなってきました。調子よく王手をかけた増田八段ですが、桂の死角に玉を入り込まれてみると後続の攻めを繰り出せません。
○ミスに乗じて辛勝
先手有利の形勢で盤上は終盤戦へ。藤井棋王としては自玉には1手の余裕があるため、詰めろの連続で後手玉に迫れれば着地が見えてきます。最後の長考に沈んで勝ち筋を探る藤井棋王ですが、ここで落とし穴が待ち受けていました。
実戦は後手からの金引きが素朴な好手で、味よく香を守られてみると先手から詰めろが続きません。一瞬にして体を入れ替えた増田八段がきれいに藤井玉を寄せ切りました。終局時刻は19時8分、最後は自玉の受けなしを認めた藤井棋王が投了。敗れた藤井棋王は「終盤にミスが出た」と悔しさをのぞかせました。
終盤のピンチを乗り切った増田八段は再度の後手番ブレイクで2勝1敗と自身初タイトルに王手。注目の第4局は3月15日(日)に栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われます。
水留啓(将棋情報局)











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