日本株に資金流入、オルカン・S&P500とのパフォーマンス比較

ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、日本選手の活躍が大きな話題となりましたが、投資の世界でも「ニッポン」が再び注目を集めています。

高市トレードや中東情勢など、時事的な材料で日経平均は上下していますが、日本株は以前から割安との指摘も多く、投資先として東京市場に熱い視線が注がれています。足元では日経平均やTOPIXといった国内株式インデックスが、オルカンやS&P500を上回る場面も見られます。


そこで今回は、SBI証券投資情報部のシニア・ファンドアナリスト・川上雅人さんに、オルカンや日経平均を上回る好成績となった、NISAで買える1年好成績の国内株式ファンドを紹介してもらいます。

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オルカン・S&P500と日本株、どちらが好調?

2月のミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、日本選手が幅広い種目で活躍し、冬季五輪最多となる24個(金5、銀7、銅12)のメダルを獲得しました。続いてWBCやパラリンピックも開幕し、日本選手の活躍に期待が集まっています。

そして投資信託においても日本(ニッポン)の資産が注目されつつあります。

QUICKが集計したETFを除く国内公募追加型株式投資信託の資金流入動向を見ると、新NISA3年目スタートとなる2026年1月は、約2.76兆円という過去最高の資金流入額を記録しました。最大の牽引役となったのは全世界株式インデックスファンドや米国株式(S&P500)インデックスファンドが含まれる海外株式カテゴリー(約1.8兆円)ですが、1月は国内株式カテゴリーの資金流入が3,587億円となり、海外株式に次ぐ規模となっています(図表1)。

国内株式ファンドへの資金流入が加速

国内株式カテゴリーは昨年5月から9月までは資金流出となる期間がありましたが、高市内閣がスタートした10月からは資金流入が目立ってきています。これは、高市政権による積極的な財政政策と減税期待、戦略的分野への重点投資の推進に加えて、インフレ定着などによる国内企業の業績拡大期待が、国内株式ファンドの買いを後押ししていると考えられます。

自民党が2月の衆議院総選挙で圧勝し、高市政策の実現スピードが加速するとの思惑などから、日経平均株価は2月25日に再び過去最高値を更新していますが、投資信託経由での国内株式への資金流入好調が続くのか、2月以降のデータに注目です。

売れ筋ファンドのeMAXIS Slimシリーズで全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)、米国株式(S&P500)、国内株式(日経平均)、国内株式(TOPIX)について、約3年前の2022年末を100として直近までのパフォーマンスを比較したものが、図表2となります。

2025年1月以降は国内株式インデックスファンドの好調ぶりが目立ち、3年程度のリターンにおいても2月24日時点ではS&P500やオルカンを上回ってきています。

好成績の国内株式ファンド9選

NISAで買えるオルカン越え1年好成績の国内株式ファンド9選

こうした環境から今回は、人気と実力を兼ね備えつつある国内株式ファンドを取り上げます。

NISAで買える1年好成績国内株式ファンド(SBI証券取り扱い)の一覧が図表3となります。
それぞれのファンドについてコメントします。

各ファンドの紹介
1位 カレラ 日本小型株式ファンド

日本の小型株式に投資し、事業内容、成長性、収益性、財務健全性などを勘案して銘柄を厳選しているファンドです。組入上位銘柄は助川電機工業、東京計器、平田機工、放電精密加工研究所、豊和工業などとなっており、組入銘柄数は35銘柄です(※)。電力、防衛、半導体、造船といった成長シナリオに着目した小型株の組入れが特徴で、日経平均、TOPIXのインデックスファンドの1年リターンを大きく上回っており、テーマ株投資のため値動きの振れ幅を示す標準偏差(5年)はやや大きくなっていますが、3年、5年リターンでもバランス良く好成績です。
2位 厳選ジャパン

優れた経営者の質・ビジョン、新しいビジネスモデル等により企業価値の増大が期待できる企業の中から、20銘柄程度に厳選して投資しています。組入上位銘柄はコナミグループ、フジクラ、楽天銀行、東京エレクトロン、鹿島建設などとなっており、組入銘柄数は22銘柄です(※)。5年リターンでは苦戦していますが、直近1年程度の好調ぶりが目立ちます。
3位 情報エレクトロニクスファンド

電気機器、精密機器などエレクトロニクスに関連する企業群や情報ソフトサービス、通信など情報通信に関連する企業群の株式を主要投資対象としているファンドです。組入上位銘柄は古河電気工業、東京エレクトロン、フジクラ、富士通、イビデンなどとなっており、組入銘柄数は51銘柄です(※)。特定業種の成長株中心のポートフォリオのため標準偏差は大きいファンドですが、国内株式の中で3年リターンでもトップクラスの実績です。
4位 キャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)

キャッシュフロー・バリュエーションモデルによる割安度評価と、アナリスト業績予想による業績モメンタム評価に基づく銘柄選択を行っています。
組入上位銘柄は三井住友フィナンシャルグループ、三菱電機、豊田通商、丸紅、コニカミノルタなどとなっており、組入銘柄数は62銘柄です(※)。国内株式ファンドの中で5年リターンはトップクラスの実績で、標準偏差も相対的に小さくなっていることからシャープレシオ(5年)は2.12となっており、運用効率に優れたファンドといえます。
5位 21世紀東京 日本株式ファンド(愛称:成長への道)

事業内容、成長性、収益性、財務健全性などを勘案して銘柄を厳選し、業種配分、バリュエーションなどを考慮してポートフォリオを構築しているファンドです。組入上位銘柄は東京エレクトロン、三菱重工業、スカパーJSATホールディングス、アドバンテスト、三井物産などとなっており、組入銘柄数は31銘柄です(※)。組入銘柄における投資の切り口は半導体、防衛、宇宙、電力などです。3年、5年リターンでも日経平均・TOPIXを上回ってバランス良く好成績です。

6位 ファンド“メガ・テック”

今後の高い成長が期待できる産業を選定し、その産業の中から特に優れたテクノロジー(技術力)を有し、競争優位を保持できる企業に投資しています。組入上位銘柄は日立製作所、トヨタ自動車、東京エレクトロン、ソニーグループ、キオクシアホールディングスなどとなっており、組入銘柄数は60銘柄です(※)。5年リターンでは苦戦していますが、直近1年で回復基調のファンドです。
7位 小型ブルーチップオープン

中小型株を投資対象として、中長期的視点に立った成長性に焦点を当て、バリュエーションを勘案して銘柄を選択してるファンドです。組入上位銘柄は古河電機工業、住友不動産、TOPPANホールディングス、鹿島建設、日本碍子などとなっており、組入銘柄数は95銘柄です(※)。3年、5年リターンでも日経平均・TOPIXを上回ってバランス良く好成績です。

8位 ミュータント

旧来の常識を打ち破り爆発的な変貌を遂げる「ミュータント・カンパニー」となり得る企業を厳選し投資しているファンドです。組入上位銘柄は、三井住友フィナンシャルグループ、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、日立製作所、東京応化工業などとなっており、組入銘柄数は43銘柄です(※)。国内小型グロースのカテゴリーとなっていますが、直近では大型株中心に運用しているファンドとなっています。3年、5年リターンは相対的に苦戦しています。
9位 ダイヤセレクト日本株オープン

三菱グループ企業の株式の中から、流動性や信用リスク等を勘案して組入対象銘柄を選定し、投資比率は時価総額や配当利回りに着目して決定しているファンドです。組入上位銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱商事、東京海上ホールディングス、ENEOSホールディングス、三菱電機などとなっており、組入銘柄数は21銘柄です(※)。三菱グループは業種が分散されていることもあって標準偏差が相対的に小さいながら、5年リターンではトップクラスの実績のため、運用効率を示すシャープレシオ(5年)は2.18となっており、高い運用効率を実現しています。

上記9ファンドは、独自の銘柄選定により、1年リターンでオルカンを約25%~50%上回り、さらには好調だった日経平均インデックスファンドを約10%~35%上回る実績となっています。また、SBIセレクトのファンドが4本となっています。

好環境が期待される国内株式ファンドへの投資においては、インデックスファンドだけでなく、これらの特色ある好成績アクティブファンドへの分散投資を選択すべきと考えます。

(※)ポートフォリオの情報は2026年1月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。


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『投資情報メディア』より、記事内容を一部変更して転載。

川上雅人 かわかみまさと SBI証券 投資情報部 シニア・ファンドアナリスト(公益社団法人日本証券アナリスト協会認定アナリスト) 慶應義塾大学卒業。丸三証券で国内株アナリスト、国内大手運用会社で18年間、商品企画・営業などを担当後、2020年よりauカブコム証券でファンドアナリストとして活動。2022年11月から現職。最新の投資情報を発信する『投資情報メディア』のレポート・コラムなどで投資信託や資産運用(新NISAなど)に関する情報提供を行う。 この著者の記事一覧はこちら
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