Uber Technologiesが、同じ米国のモビリティ企業であるJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)とともに、電動垂直離着陸機(eVTOL)を用いた「空飛ぶタクシー」(エアタクシー)のサービスを、2026年内にドバイで商用化します。
筆者はUberが2月中にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイとアブダビで開催したプレスツアーに参加して、Jobyの飛行試験施設でJobyの最新eVTOLによる飛行デモンストレーションを取材しました。
eVTOLはどんな乗り物?生産を支えるトヨタの技術
UberとJobyによるエアタクシーのサービスは、Uberが2016年ごろに社内で立ち上げた「Uber Elevate」という、空を飛ぶモビリティによる交通インフラを実現するというビジョンに端を発しています。
Jobyが持つ高い航空機開発の技術と融合し、さらにUAEの中でも先進的なテクノロジーの社会実装に対して積極的な地域としても知られているドバイの地に立脚できたことで、いよいよ本年内の商用化が期待されています。
そもそも「空飛ぶクルマ」とも呼ばれるeVTOLとは、電動垂直離着陸機(electric Vertical Take-Off and Landing)の略称です。ヘリコプターのように垂直に離着陸でき、電動化によって環境負荷や騒音を抑えた次世代の航空モビリティを指しています。
機体を開発するJobyは、航空モビリティ分野のリーディングカンパニーです。同社が持つ強みの一つに、トヨタ自動車との強固なパートナーシップがあります。トヨタはJobyの筆頭株主であり、戦略的パートナーとしてトヨタ生産方式に基づいた、高品質かつ大規模な量産体制の構築を支援しています。安全性が厳格に問われる航空モビリティの製造において、両者の協力関係はプロダクトの信頼性を担保する大きな要因にもなっています。
ドバイを拠点として、Uberとのプロジェクトが実現できた理由について、Jobyのチーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)であるエリック・アリソン氏は「ドバイの指導層の先進的なビジョンに背中を押してもらったこと」を挙げています。Jobyはドバイ道路交通局(RTA)と今後6年間の独占提供契約を締結しており、官民一体となった推進体制が築かれているそうです。
驚くほどに静かな飛行音
今回のプレスツアー取材では、商用モデルとなるeVTOLの「Joby S1」による飛行デモンストレーションを視察しました。
小型の航空モビリティであるJoby S1は、パイロット1名と乗客4名の計5名乗りで、機首にコックピットがあり、後部には手荷物を収納するトランクスペースも備えています。
テストフライトを観察して最も特筆すべき点は、その圧倒的な「静かさ」です。Joby S1は機体に6つのチルトプロペラを備えた全電動垂直離着陸機(eVTOL)であり、従来のヘリコプターと比較してプロペラ騒音を約100分の1にまで抑制する設計がなされています。
航続性能は最高時速が約320kmに達し、1回の充電で160kmの飛行が可能です。
エリック・アリソン氏は「上空を飛行していても、その存在に気づかないほど静か」であると述べています。離着陸の際には一定の作動音を伴うものの、飛行を始めた機体は極めて静かであり、ゆったりと滑空していました。その「身のこなし」には軽やかさがあり、次世代の航空モビリティとしての斬新さも際立っていました。
動力を電動化できたことにより、飛行時に排出するガスはゼロ。カーボンフットプリントはヘリコプター比で90%削減しているといいます。
機体には6つのプロペラと4つの独立した高電圧バッテリーを備えています。万一、飛行中に一部の部品が故障しても安全に飛行を継続できる多重化設計が施されています。
飛行時にはパイロットの負担を軽減するため、コックピットからパイロットが入力した操作をコンピューターが計算して、各プロペラの回転数や角度を最適に制御します。
生活の移動手段に空飛ぶタクシーが加わる
eVTOLは空の交通手段として、これからどのような立ち位置を築くのでしょうか。
一般的なヘリコプターに比べると、航続距離や積載量ではヘリコプターに分があります。かたや運用コストの低さ、安全性、そして何より静粛性においてはeVTOLが圧倒的に優れています。
Jobyのアリソン氏は、同社が開発するeVTOLの将来の展望についても言及しました。同社は既に液体水素と燃料電池を用いたeVTOLの試作機による実証飛行を行い、Joby S1と同じモーターやアクチュエーターを使いながら、1回の液体水素タンクで約560マイル(ほぼ1,000キロメートル)の飛行にも成功したと言います。
動力源を拡張することで、将来的な長距離飛行への道筋も示されていますが、eVTOLの本質はやはり、既存の航空機の代替品という枠組みを超え、都市交通に「空」という移動レイヤーを拡大できる乗り物であることだと筆者は考えます。
eVTOLは既存のヘリコプタービジネスを全面的に「置き換える」のではなく、新しい市場を創出しながら共存できる航空モビリティです。新しい乗り物であるため、法整備やインフラ構築にはまだ時間を要します。まずは都市部の空域を決めて、特定の高付加価値な需要から活用が本格化することが想定されます。
配車サービスとシームレスにつながる
UberとJobyによる「空飛ぶタクシー」の具体的なサービスのイメージについても、プレスツアーの中で概要が語られました。
利用の手順は極めてシンプルです。
例えば、ドバイ・マリーナからドバイ国際空港へ向かう場合、現在は車で1時間以上かかることも珍しくありませんが、エアタクシーを利用すれば「渋滞を飛び越えて」、わずか11分で目的地までたどり着けると言います。
旅程としてはまず、Uberで予約した車がユーザーを迎えに行き、最寄りの離着陸場(バーティポート)まで運びます。そこからJobyのフライトで空を移動し、到着した先のバーティポートから再び別の車で目的地まで送り届けるという、シームレスな「ドア・ツー・ドア」の体験がデザインされています。
先ほど筆者は、エアタクシーが商用化当初は高付加価値なサービスになるという見立てを伝えましたが、Uber Airの利用料金は、当初は配車サービスの中でプレミアム価格帯の「Uber Black」の水準に近付くことが想定されているそうです。
Uber Blackの乗車料金は国や地域ごとに条件が細かく異なりますが、最もスタンダードで価格重視のオプションである「UberX」に比べると30~60%高いケースが一般的とされています。つまりは、決して一部の富裕層だけの乗り物ではない、幅広い普及を目指した価格設定であることに筆者は驚きました。空飛ぶタクシーのローンチ当初は、世界中から乗船希望者が殺到しそうです。
日本もまた、都市部の慢性的な渋滞を課題として抱える国の一つです。ドバイでの成功が呼び水となり、遠くない将来には日本国内でもUber Airに近い形で「空飛ぶタクシー」のサービスが実現することを、筆者も強く期待しています。
著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。











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