「もしかしたら認知症かも」と思った人が医者のもとへ行くまでの平均期間4年間の間に、認知症になってしまう人は約50%。一方、認知症の一歩手前であるグレーゾーンから知能正常な状態を取り戻せる人は平均26%と言われています。


本記事では、認知症の進行を遅らせたり症状を緩和させたりする、認知症グレーゾーン時期の過ごし方を解説した『認知症グレーゾーンは分かれ道 「70歳でボケる人」と「90歳で脳が元気な人」ここで分かれる!』(朝田隆 著/興陽館 刊)から一部を抜粋して紹介します。
○聴覚 聞こえづらさは脳の認知刺激の低減につながる

五感の中でもっとも認知症の引き金になる可能性が高いといわれているのが「中年期からの聴覚障害」、つまり難聴です。テレビの音量が大きくなった、玄関の呼び鈴に気づかないことがある、相手の声が聞き取りづらいといったことがあれば聴覚の機能が低下していると考えてほぼ間違いないでしょう。

そうなった時に「あるある」なのは、「聞いた」「聞いてない」で人と揉めること。またご家族から「聞こえてる?」と確認されて自尊心を傷つけられたり、いきなり大きな声で怒鳴られたと感じて憤りを抱いたり...。

そもそも耳は危険を察知するのに欠かせない機能。たとえば、背後に自転車が近づいていることや、「危ない!」という大声にハッと身構えるのは、耳からの情報によるところが大きいのです。

しかし認知症において耳が聞こえづらくなることでもっとも深刻なのは、人とのコミュニケーションに支障をきたすようになることでしょう。次第に話の輪の中に入れなくなり、疎外感や孤独感が広がると認知症につながることがあります。また、会話の機会が減ることで脳への聴覚刺激そのものが減り、このことが脳萎縮につながることも大いに考えられます。

難聴かなと感じたら、専門医の診断を受けることが重要です。聞こえづらさをサポートする器具には「集音器」「補聴器」などがありますので、その長所・短所を知って自分にふさわしい方法で良く聞こえる耳を取り戻し、認知症を回避しましょう。


○視覚 「見えづらい」を放置してはいけない

実は人間が得る情報の8割は視覚から得ています。あーメガネがない! とパニックになってしまうのは見えづらいと困るからでしょう。テレビが見えない、パソコンの画面が見えづらい、話す相手の表情がわからない、冷蔵庫の中の食材が探しにくい、床の段差や障害物に気づきづらい、電化製品の取扱説明書や保険などの約款がさっぱり読めない......。といった具合に、私たちは視力に依存しています。

ですから視力が低下すると大幅に情報が減り、集中力や注意力など、あらゆる脳の機能が低下します。実際、視力の低下を放置している人は認知症になるリスクが2倍になるというアメリカの公衆衛生学会による報告もあります。

ボンヤリとでも見えればいいか、は大間違い。ボンヤリとした情報は脳をボンヤリさせてしまうという認識を備え、メガネやコンタクトレンズは定期点検をして、最適な状態にしておくことが必要です。

特に大切なのは、高齢になると白内障や緑内障を発症しやすくなることです。白内障は目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が濁り、視野がかすんで見えるようになっていく病気。緑内障は目から入ってきた情報を脳に伝える視神経が傷むことで視野が狭まっていく病気です。いずれにしても放置しておけば認知症のリスクを高めてしまいます。
まずは眼科医に相談することが認知症にならない第一歩になるのです。

○『認知症グレーゾーンは分かれ道 「70歳でボケる人」と「90歳で脳が元気な人」ここで分かれる! 』(朝田隆 著/興陽館 刊)

「あれ?  最近もの忘れが増えたな」「とっさに人の名前が出てこない」。“認知症グレーゾーン”とは、認知症の一歩手前にあるそんなちょっとした変化があらわれ始める時のこと。実は、この時期の過ごし方こそが認知症を発症するか、引き返せるかの運命の分かれ道になります。本書では、認知症・老年医学の権威・朝田隆氏が、認知症予防に効果的な「脳トレ」「運動」「食事」「睡眠」をイラストも使ってわかりやすく解説。これらを無理なく習慣化するためのコツも書きました。

今ならまだ間に合います。 今日から実践して、認知症を予防しましょう!

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