アップルが発表した新しい「MacBook Neo」を、筆者は3月4日の予約開始直後に迷うことなく購入しました。筆者がNeoに心を動かされた理由と、3月11日の発売日直前に実機を試す機会を得て感じたMacBook Neoのファーストインプレションも報告します。


Neoへの好奇心が一気にMAX! 購入即決

筆者は、2023年に買ったM3搭載MacBook Proを愛用してきました。五十路を越えたいま、情けないことに海外取材などでの長距離移動において、その重量が身体に響くようになってきました。

もう一度Airに戻そうかと考えていた折に、海外メディアの報道などから「アップルがAシリーズチップを搭載するMacBookのエントリーモデルを開発しているようだ」というウワサが聞こえてきました。

筆者は“量産型”が好きです。ガンダムで例えればガンダムよりもジム派。ヤクト・ドーガよりもギラ・ドーガ推しです。Mシリーズチップではなく、Aシリーズチップを搭載したMacBookが期待を超えるパフォーマンスを見せてくれるのか? そんな好奇心もMacBook Neoを即決で購入する後押しになりました。

もちろん、基本価格が10万円を切っていることも重要でした。サブ機として、あるいはモバイルPCの機動力を高めるための投資として、とても現実的で魅力のあるプライスゾーンです。

結果として、筆者は標準仕様の99,800円のモデルではなく、ストレージを512GBに増設して、マスト機能であったTouch ID搭載Magic Keyboard付きのモデルを選択しました。価格は11万円を少し超えましたが、M5搭載MacBook Airの標準価格が18万円を超えてしまったぶん、なおさらNeoの価格は魅力的に感じられます。
期待に応える高いポータビリティ

MacBook Neoにはシルバー、ブラッシュ、インディゴと、筆者が選んだシトラスの4色カラーバリエーションがあります。
今回試した実機もシトラスです。いわゆるイエロー系ですが、発色が派手すぎず、大人の男性が持ち歩いても違和感のない上品さを備えていると思います。角に丸みを帯びたデザインは手に馴染みやすく感じられました。

筐体のサイズは13インチのMacBook Airに近く、質量は同じ1.23kgです。バックパックに入れた際の実感重量はM3搭載MacBook Proよりも明らかに軽く、筆者の期待通りでした。

外形寸法は、厚みがAirよりも少し高さがある約1.27cm。代わりに幅と奥行きのサイズは同じ13インチのAirよりも小さめです。M1搭載MacBook Airのタテヨコ寸法が現行モデルのM5搭載機とほぼ一緒。参考までに写真を掲載します。

Apple Intelligenceやフォトショップも安定動作

MacBook Neoの頭脳は、第2世代の3nmプロセスで製造された「A18 Pro」チップです。6コアCPU、5コアGPU、16コアのNeural Engineで構成されており、その動作は期待を上回るものでした。

日常的なウェブブラウジングやMicrosoft Officeのツールによる書類ファイルの作成は極めてスムーズです。
筆者がよく使うクリエイティブ系のアプリケーションはAdobe Photoshopですが、写真データの編集作業は何ももたつくことなく、入力操作に対してきびきびと反応します。

Apple Intelligenceに関連するところでは、Apple Creator Studioに統合されている文章作成・レイアウトアプリケーションの「Pages」による、テキストの要約やトーン変更などのタスクを素速くこなせます。「写真」アプリのクリーンアップツールで不要な要素を削除したりといった作業も、A18 ProチップのNeural Engineによりデバイス上でセキュアに処理されます。

さらに、iPhoneの画面をMac上に表示しながら直接操作できる「iPhoneミラーリング」もスムーズに動作します。

実機を試して数日になりますが、アプリケーションの立ち上がりや動作に緩慢さを感じる場面はほとんどありません。Neoもファンレス設計のため、高めの負荷をかける作業の中もノイズを立てることなく動作する点は、集中力を削がれたくない時にとてもありがたく感じられます。

13インチのLiquid Retinaディスプレイは、2408×1506の解像度と500ニトの輝度を備えています。画面サイズは、M5搭載MacBook Airよりも0.6インチほど小さくなりますが、手狭になる感じはしません。明るさのスペックはAirと一緒なので、昼間の屋外でも十分な視認性が得られます。

Airよりも若干、色再現性能が劣っていますが、Neoのディスプレイも十分に色彩感が豊かで、コントラストのバランスも良好です。新設計のデュアルスピーカーサウンドシステムも力不足を感じることはなく、ドルビーアトモスによる空間オーディオコンテンツのオーディオ再生にも迫力とリアリティが感じられます。ナレーションやボーカルの定位も鮮明なので、YouTubeNetflixのコンテンツ鑑賞も快適でした。


バッテリー持ちは及第点。2基しかないUSBポートは工夫が必要

インターフェースについては割り切りが必要です。左側面に並ぶUSB-Cポートは、正面奥側が最大転送速度が10Gb/sのUSB 3ですが、もう1つの手前側はやや遅めのUSB 2規格に制限されています。PC周辺機器やポータブルヘッドホンアンプなどを接続する分に不足はないものの、外部ディスプレイ機器につないで映像を出力できるのはUSB 3のポートのみです。

MagSafeの電源コネクタがないので、Neoを給電しながら使用する際には、もう1つのUSB-Cポートを上手に活用する工夫が必要です。

さらに、誤ってケーブルに脚を引っかけてしまうと、そのままMacBookを引きずって故障につながる可能性があることも、MagSafe非対応のデメリットと言えます。もっとも、筆者の場合は外出や出張の際に、MagSafeケーブルをほとんど持ち歩きません。だから、実際のところ大きなマイナスには感じていません。

ワイヤレス使用時のバッテリー持続時間はビデオストリーミングで最大16時間、インターネット閲覧で最大11時間と公称スペックに記載があります。実機を試した手応えとして、MacBook Proほどのタフさはないものの、フル充電にしてから1日中外に持ち出して、夜にまだ残量の余裕をふうつに感じられます。バッテリー持ちはすごくタフという印象はなく、同サイズのAirよりもやや短めかもしれません。
気になる点はあるものの、やっぱり選んで正解だった

ユニファイドメモリ8GBのみで、オプションが選べないことに不安を感じていましたが、当面はいまのNeoのスペックで乗り切れそうです。


ただし、筆者が懸念している点が2つあります。

ひとつは512GBのストレージです。今後数年使い込むと、遠からぬ未来に不足を感じる可能性が高いことです。最近はMacBook上でローカルAIモデルを動かして検証できる「Ollama」のようなアプリケーションも増えており、ダウンロードした生成AI関連のモデルや、生成したデータがみるみるうちにMacBookのストレージに貯まる傾向があります。

iCloudストレージを上手に併用するとしても、本体の内蔵ストレージは大きめがよかったです。Neoの先々を考えれば、次世代モデルでは少なくとも1TB以上のストレージオプションが必要になりそうです。

もうひとつは、本体色に合わせて明るい色にコーディネートされたMagic Keyboardです。表面がややマットな仕上げになっているので、長期間使い続けると汚れが目立つのではないかと心配です。こまめなケアが必要かもしれません。

しかし、これらの不安を払拭するほどの軽快さと、デジタルツールとしての完成度の高さを新しいMacBook Neoから感じることができました。A18 Proの安定感といい、アップルはずっとMacを作り続けて獲得したノウハウが、Neoにすべて詰まっている手応えがあります。今回の数日間の試用を経て、筆者はあらためてMacBook Neoを「買って良かった」と満足しています。


初めてMacを手にする学生から、機動力を重視するビジネスパーソン、そして長くMacBookを使ってきたMacユーザーのサブ機としても、MacBook NeoはすべてのMacユーサーに新しい体験価値を届けてくれると思います。

著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら
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