進学や就職で新生活を始める人も多いこの季節。引越し準備は順調に進んでいるだろうか? どうしても入居準備に目が向きがちな引越しだが、実は、退去時の“落とし穴”にも注意が必要だ。


編集部が行ったアンケートでは、退去時に「敷金が戻らない」「修繕費を請求された」といったトラブルを経験した人は42.2%と、4割を超えている。今回は、その“退去時の後悔ポイント”を「賃貸でやりがちな『原状回復の失敗』ランキング」として紹介しよう。

○1位:壁紙や床に傷・汚れをつけてしまった

賃貸であれば、壁や床に傷をつけないよう、誰もが気を付けているはず。それでも、アンケートでは3割超の人が後悔する結果に。

「大きな家具を運ぶ際に床に目立つ傷をつけてしまった」(男性/42歳)
「壁紙を破いてしまった」(女性/35歳)
「床にコーヒーをこぼしてしまった時に、壁紙にも飛沫が飛んでシミをつけてしまった」(男性/42歳)

入居初日に家具や家電を運びこんだ際に傷を付けてしまった人もいれば、退去時の引越しでやらかしてしまった人もちらほら。“最後の最後でやらかす”のが壁と床なのかもしれない。また、液体をこぼしたことでシミができてしまうケースも目立った。壁にしろ床にしろ、しみ込んで落ちなくなってしまうため、ちょっとの時間でも放置は禁物だ。
○2位:思ったより敷金が戻らなかった

入居時に支払った高額な敷金。半分くらいは戻ってくるものと思っていたら……

「備え付けのエアコンを1度も使わなかったが清掃費用を請求された」(男性/44歳)
「個人的にはきれいにつかっていたつもりが思いのほか修繕費がかかって、敷金が返ってこなかった」(男性/43歳)
「思ったよりどころか事前に払った敷金じゃとても足りないと言われて後で追加高額請求された……」(女性/39歳)

全体的に、「綺麗に使っていたのに……」というフレーズが目立ったが、それでも1円も戻らないことも少なくないよう。「言われるがまま」「オーナーによって基準が違う」という声も散見され、中には「初期費用として敷金など計120万円ほど支払っていたが、ほとんど戻らなかった」というコメントもあった。もちろん、原状回復に全額必要だったのかもしれないが、敷金については契約時・退去時ともにしっかりと確認した方がいいだろう。

○3位:原状回復のルールを知らなかった

賃貸物件には、“借りたときの状態に戻す”という原状回復のルールが設けられている。が、初めての賃貸契約でそのことを知らなかった人もいるようで……

「原状回復の決まり事を知らずに後で気付いて費用がかかった」(男性/49歳)
「かなり請求されて落ち込んだ」(男性/36歳)

アンケートではほかにも、普通に喫煙したり、ろくに掃除もせずに退去するなど、無知ゆえの過ちに後悔している人もいた。喫煙すると全壁紙の貼り替えは避けられないし、掃除をせずに退去すると、敷金が清掃費に充てられてしまう。原状回復のルールについては、契約書等に明記されているはず。残念ながら「知らなかった」は通用しない。

○4位:家具の跡(へこみ・日焼け)が残っていた

退去時になって、カーペットや畳に「家具の跡」が付いていたり、家電の裏の壁紙が日焼けしていたことが発覚するケースも目立った。しかし、こうしたケースは“日常生活で自然に発生する傷み”、いわゆる「経年劣化」と判断されるケースが多い。ただし、あくまでも契約内容によるため、入居前にしっかり契約書を確認しておくことをおすすめする。
○5位:壁に釘・ネジ・画鋲などを打っていた

意外と多かったのが「バレないと思ったら……」「跡を塞いだが……」というフレーズ。壁に穴をあけてはいけないと分かっていても、画鋲くらいなら、と使ってしまう人は少なくない。小さな穴ならバレないと思っていても、実際には簡単に見抜かれてしまうようだ。
○「こんなことで!?」退去時のリアルなトラブル例

ランキングとは別に、予想外の落とし穴となった退去トラブルをジャンル別に紹介しよう。


壁系「押しピンをあけるんじゃなかった」(男性/45歳)
床系「大きな家具を移動する際に、床を大きく傷つけてしまっていたこと。最後に確認するまで気づかなかった」(男性/38歳)
水回り「浴室の鏡のうろこをそのままにしていたら、その分を敷金から引かれてしまった」(女性/43歳)
日焼け「テレビの後ろが焼けて茶色になってしまった。もう少し離しておけば良かった」(男性/44歳)
知識不足「入居時の傷や経年劣化を記録していなかった」(男性/42歳)

○「え、そんなことある!?」退去時の驚きエピソード

最後に、「え、そんなことある?」と思わず驚く“想定外の原状回復トラブル”と、その教訓を紹介する。

「若さゆえの自暴自棄で壁を殴ってへこませた」(男性/43歳)
「脱衣所の壁が湿気でボロボロになっていて結構払わされたことです」(男性/49歳)
「湿気が多く部屋にカビが生えていて経年劣化で訴えたけど私の掃除が悪いとお金をたくさん取られた」(女性/47歳)
「ギタースタンドの根元がラバーキャップだったため、床を変色させてしまった。これがなければ修繕費は取ることはなかったと不動産屋に言われショックだった」(男性/45歳)
「退去前清掃ということで張り切って清掃を行ったが、トイレルーム、便器、浴室の床や部屋のフローリングに傷みが出てしまった。掃除も加減をして行う事が大事だなと思った。正しい掃除のやり方、掃除用品も知っておくといい」(男性/38歳)

古い建物だと、湿気ですぐにカビが生えてしまうケースも多い。普段の掃除はもちろんのこと、こまめな換気も怠ってはいけない。一方で、カビや汚れを落とそうとして過剰に洗剤等を使用した結果、かえって傷めてしまうこともあるようなので、何事もほどほどに。
○まとめ

退去時のトラブルの多くは、日々の“生活のクセ”や原状回復への理解不足が原因になりがち。実家感覚でポスターを貼ったり、喫煙したり、掃除を後回しにする行為は、賃貸では思わぬ負担につながることも。また、「どこまでが経年劣化なのか」「何を原状回復すべきなのか」といった認識のズレが、貸主とのトラブルを招くケースも少なくない。


契約時は家賃やインテリア選びに気を取られがちだが、「原状回復」の範囲について確認しておくことも大切。入居前の状態を写真で残しておく、日頃からこまめにメンテナンスする——こうした小さな積み重ねが、退去時の余計な出費を防ぐポイントになるかも⁉ 次の引越しでは後悔しないよう、今回のランキングをぜひ参考にしてほしい。

調査時期: 2026年3月7日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数: 500人
調査方法:インターネットログイン式アンケート
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