LANケーブルを引いて10年にもなると、さて、どのLAN仕様向けに敷設したのかも定かではなくなってしまう。通常は、新しい規格に対応するため、ケーブルは、利用するLAN仕様よりも先の仕様を満たすようなものを敷設しておくのだが、10年ともなると、とっくに過去の仕様となってしまっていることもある。


LANケーブル利用のルールは簡単で、利用中のLAN仕様より古い仕様ケーブルを使うなら仕様上の速度を出せず遅くなる。だから何年かに一度はケーブルの仕様をチェックしておくべきだ。このとき、現在使っているLAN仕様と適合しているのは、ケーブルを変えろというメッセージだ。つまり、次の仕様には適用しなくなるため、遅くなる前に交換しておく必要がある。

まず、LANの仕様だが、企業向けやデータセンター向けの仕様もある。このため、無線LANとは異なりLAN仕様は、個人が利用可能なコスト範囲に入るまでの時間が長く、長期的な計画を立てやすい。

まずは、LANの仕様だが、100BASE-TX(100Mbpsのイーサーネットの総称を用いて100BASE-Tと呼ばれることも多い。10BASE-Tに対してFast Ethernetと呼ばれることも)や10GBASE-Tといったイーサネットの仕様は、米国IEEE(アイ・トリプル・イー)の802.3(規格策定グループ)の仕様である。

これらのイーサーネット仕様に対して、ケーブル、コネクタなどの物理層部分は、「ツイストペアケーブル」と「RJ-45」コネクタの組合せが広く使われている。これは、「ANSI/TIA-568」という米国規格でLAN用のケーブルとして規定されている。汎用のケーブルでは、そのカテゴリを「CAT」(CATEGORYの略)と記する。

(表01)は、現在見るであろう、イーサーネットケーブルのカテゴリの一覧である。
カテゴリによりケーブルの種別、結果的には対応可能なイーサーネット仕様が判定できる。なので、ネットワークケーブルは汎用のケーブルリールから作られたような無骨なタイプのほうがいい。著名メーカーのきれいなケーブルもいいのだが、数年前の製品パッケージが残っているとは考えにくく、ケーブル自体にカテゴリ表記のあるケーブルのほうがケーブル特性の判定が容易だ。特に、部屋から部屋への接続など、一度接続したら、そのままになりやすいケーブルほど、こうした無骨なタイプを選んでおいたほうがいい。

イーサーネットといえば、固い「イエローケーブル」(10BASE5)や、黒い同軸ケーブルを使った「10BASE2」を思い出す方もいらっしゃるだろう。この頃のイーサーネットは、ケーブルの途中にネットワークノードを接続する「バス型」だった。

その後、イーサネットは、「イーサーネットハブ」を中心としたスター型配線に切り替わった。これは、普及こそしなかったが、インテルが開発した「StarLAN」に端を発する。StarLANは、オフィス既設の電話線(ツイストペア線)を、ネットワークとして利用しようとしたもの。構内交換機との接続からオフィスの電話線は星型のトポロジを採用しているため、StarLANも同じトポロジーを採用し、中心にノード間を接続する「ハブ」を置いた。

イーサーネットハブでは、送受信を行えるノードはそれぞれ1つのみ。通信量が少ない場合には、パケット通信のおかげで、衝突確率が低く、お互いの通信を邪魔することはなかったが、通信量が増えてしまうと、パケット送信の衝突が多発し、通信効率が落ちてしまっていた。


その後の半導体の進歩はハブを「スイッチング技術」使ったスイッチングハブに変えた。これにより、高速な接続が可能になった。現在では、コンピュータ側のコントローラーとハブ間の接続方式が重要な要素で、PCIエクスプレスやUSBといったデバイス間接続が高速なLANコントローラーの接続や内蔵を容易にしている。

今回のタイトルネタは、コードウェイナー・スミスの「スズダル中佐の犯罪と栄光」(Cordwainer Smith、1964、The Crime and the Glory of Commander Suzdal。邦訳は早川文庫SF)の一節から。スズダル船長は身を守るため、猫の遺伝子に、文明化と人類への奉仕を刷り込み200万年前へと送り出した。すぐに200万年の進化を終えた猫たちが現れスズダルを助ける。そのときの記述が「猫は来た」である。生還したスズダルは、知性を持つ猫の世界を作ったことで裁判にかけられてしまう。自身を守るためとはいえ、文化を持っているため、消滅させることができない「猫の国」を作ってしまったからである(猫スキャンダル)。裁判では名前、階級を奪われ、「シェイヨル」という惑星送りとなった。

この惑星に関しては「シェイヨルという名の星」(A Planet Named Shayol、1961)という作品がある。
なお、作品世界では、執筆順とは逆で、先に「スズダル中佐の犯罪と栄光」の事件が起こり、その後に「シェイヨルという名の星」で語られる事件が起きる。この作品にスズダル中佐が登場し「スズダル中佐の犯罪と栄光」の結末がどういう意味だったのかを教えてくれる。
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