4月は、進学や就職をきっかけに東京で一人暮らしを始める人が増える季節です。初めての一人暮らしでは、生活費がどれくらいかかるのか分からず、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
特に東京の場合は、家賃の高さが気になるところです。

そこで今回は、東京で一人暮らしをする場合の生活費について、平均的なデータをもとに具体的に試算してみました。これから一人暮らしを始める人は、無理のない生活設計を考える際の目安として参考にしてみてください。

東京の一人暮らしで最も大きい支出は「家賃」

一人暮らしの生活費の中で、最も大きな割合を占めるのが「家賃」です。特に東京は家賃が高いので、それだけで手取り収入の4割以上を占めるケースもあります。

一般的には、家賃は手取り収入の3分の1以内に収めるのが目安とされています。たとえば手取り収入が20万円の場合、家賃の目安は6万~7万円程度です。

しかし、東京で物件を探す場合、この水準では選択肢が限られてしまいます。不動産情報サイトなどのデータを見ると、立地や広さ、築年数によって差はありますが、東京23区のワンルーム・1K・1DKの家賃はおおむね7万~10万円が目安とされています。

そこで今回は、手取り収入20万円を想定し、家賃を手取りの4割にあたる8万円として試算してみます。

いくらの物件に住むかは、今後の生活に大きく影響します。家賃は固定費のため、一度決めると簡単には見直せません。
無理のない家賃設定にすることが、安定した一人暮らしを続けるための重要なポイントと言えます。

参考までに、「不動産・住宅サイトSUUMO」から、東京23区内で家賃相場が安い駅トップ20をご紹介します。
東京23区内にある家賃相場が安い駅トップ20

東京で一人暮らしをした場合の生活費の目安

それでは、家賃以外の生活費も含めて、東京で一人暮らしをした場合の月額の生活費を試算してみます。

試算には、総務省「家計調査・家計収支編・単身・勤労者世帯・大都市」のデータを参照しました。

家賃を含めた生活費の合計は23万4,000円となり、手取り収入20万円を想定すると、3万4,000円の赤字になります。家賃を除いた生活費は15万4,000円のため、支出の中でも家賃8万円が家計に大きく影響していることが分かります。

東京で暮らすには、前出の家賃相場を見てもわかるとおり、家賃8万円は決して高いとは言えない水準です。そうなると、手取り収入20万円では、東京での一人暮らしは厳しいと言わざるを得ません。もちろん、ここでの金額は家計調査をもとにした平均額なので、生活スタイルによって支出は変わります。工夫次第で支出を抑えることもできるでしょう。

この試算から分かるのは、平均的な東京での一人暮らしでは、生活費がおよそ23万4,000円かかるという点です。手取り収入でそれを賄うためには、額面の月収ではおおむね30万円程度が必要になる計算になります。

一人暮らしの生活費を抑えるポイント

東京での一人暮らしはお金がかかるイメージがありますが、工夫次第で生活費を抑えることもできます。

例えば、次のようなポイントがあります。
1.家賃を抑える

東京で暮らす場合、家賃の高さがネックとなります。家賃を抑えることができれば、毎月の家計はぐっと楽になります。たとえば、駅から少し離れた物件や築年数が古い物件、各駅停車しか停まらない駅の物件などを選ぶと、家賃が数万円安くなることがあります。
2.食費を抑える

外食が増えると食費は一気に上がります。外食を減らして自炊に切り替えることで、食費を大きく減らすことができます。平日は自炊、週末のみ外食とメリハリをつけるのも一つの方法です。
3.家計簿をつける

家計簿をつけると、「何に使ったのか分からない支出」を減らすことができ、節約意識も高まります。

「東京で一人暮らしをした場合の月額の生活費」で紹介した「趣味・娯楽費」や「その他の支出」をさらに細かく記録していけば、無駄な支出が見つかるかもしれません。

家計簿によって支出の流れを把握できるようになると、通信費やサブスクなどの固定費の見直しにも目が向きやすくなります。その結果、節約効果の大きい支出の見直しにつながります。


石倉博子 いしくらひろこ ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。 この著者の記事一覧はこちら
編集部おすすめ