映画『鬼の花嫁』瑶太&花梨で存在感
あやかしと人間が共存する世界を舞台に、究極の愛と運命を描く映画『鬼の花嫁』(公開中)。同作で共演した伊藤健太郎と片岡凜が、撮影の裏側や互いの印象を語った。霊力を操る役に挑んだ伊藤は「人間らしい感情をどう表現するかがおもしろかった」と語り、片岡は“制御不能なヒロイン”を「感情を爆発させるのが気持ちよかった」と振り返る。現場で生まれた信頼関係や、ぶつかり合うように築いた芝居、そしてそれぞれが思う“かけがえのない存在”とは――2人のリアルな言葉から、作品の魅力と熱量が浮かび上がる。
○『鬼の花嫁』が実写映画化 あやかしが存在する世界観の表現
――原作そして今回の脚本を読んで、今作についてはどんな印象を持ちましたか?
伊藤:あやかしが当たり前に存在する世界というものを実写として描くことに対して、特に、僕が演じた狐月瑶太や鬼龍院玲夜(永瀬廉)は霊力を使うので、そこをどういう風に表現するのか、という疑問はありました。
ただ、実際に脚本を読ませてもらうと、あやかしというインパクトは強いものの、人間模様や恋、家族などが描かれていて。あやかしの狐という役柄をいただいてはいるんですが、そういった部分に関しては人間としての感覚・感情を表現できるかなと思い、おもしろくなりそうだなという印象を受けました。
――非日常的な設定のはずなのに、作品はとても没入しやすいですよね。
伊藤:現場ではエキストラの方々も、本当に細かく作り込まれていました。真冬にふんどしで歩いている人もいて! すごく寒そうで、お尻が赤くなってました(笑)。
――それは過酷ですね……! 片岡さんはいかがでしたか?
片岡:ファンタジーの要素のある作品が、今回初めてだったので、脚本を読んでこの世界がどういう風に完成していくんだろうと不思議に思っていました。恋愛を描いた作品も、ここまでストレートなものは初めてだったので、とても新鮮でした。
○やりすぎなまでの“まっすぐさ” 伊藤健太郎が監督に願い出たこととは
――お二人が演じた瑶太・花梨はそれぞれどんなキャラクターでしょうか?
伊藤:瑶太は表現の仕方や感情の放出の仕方がまっすぐなんです。劇中では、それが間違っている部分が多くあるのですが、なぜそうなるのかという動機の部分は、今回僕が演じるうえで意識した点でもあります。やっていることは良くないんですが、観ている方にも瑶太のまっすぐさや花梨への愛情の深さは理解してほしいと思うし、僕もそういった部分は素敵だなと感じました。
――そこまでやらなくてもと思ってしまう部分もありますが、確かに瑶太の行動は花梨への深い愛が原動力になっていますね。
伊藤:実は最初に頂いた台本には、瑶太のそういった一面が濃く描かれてはない部分もあったので、「もう少し瑶太のパーソナリティーを描きたい」と監督とお話をさせてもらいました。
――片岡さんから見て、花梨はどんなキャラクターでしょうか?
片岡:狂っているな……と(笑)。そう思いながら脚本も読んでましたし、実際にお芝居もしていたんですが、彼女は他人だけでなく自分自身でも制御不可能なので、エネルギーのある女性だなと思ってやらせていただいてました。
伊藤:大変そうだった!
片岡:でも楽しかったです!
伊藤:撮影中も言っていたよね! (片岡さんは)普段、感情を爆発させることがあまりないらしいんです。花梨は感情的に話すシーンが多かったので、「気持ちいいです! ストレス発散になります……!」と言っていて(笑)。すごい気持ち良さそうに演じてらっしゃいました。
片岡:はい(笑)。楽しんでいました。
○幻のダンスシーンで育んだ絆
――今回、あやかしとその唯一無二の存在である花嫁という間柄を演じたお二人ですが、共演してみてお互いの印象に変化はありましたか?
伊藤:お会いする前は現場で話してくださる方なのかな? と(笑)。実は本編にはないのですが、当初はダンスをするシーンがあったんです。そのダンス練習を一緒にさせてもらって、話す時間が結構あったので、撮影に関係ないことも楽しくお話をさせてもらいました。
本当にお芝居に対しての集中力・熱量がすごい。ご本人が考えてらっしゃることを含めて、現場でもたくさん見させてもらいましたし、僕は勝手に尊敬しています。ご一緒できてよかったです。
――演技についてご相談されたりも?
伊藤:瑶太・花梨は深い愛で結ばれてなければいけないという前提があるので、監督からも本当に恋人のようにしてほしいというリクエストもありましたし、そういった部分のお芝居をどうするか、監督と3人でシーンごとに結構話をさせてもらいました。
――ダンスシーンもあったんですね!
伊藤:幻のダンスシーン……練習のみで終わるという(笑)。
片岡:残念でしたね(笑)。
――片岡さんは伊藤さんにどんな印象をお持ちでしたか?
片岡:ご一緒する前はとても静かな方なんだろうなという印象がありました。実際は太陽みたいな方で、いるだけで場が明るくなるような、温かくて心強い素敵な方だなと思いました。
――伊藤さんが明るいなと思った瞬間とかありますか?
伊藤:(笑)
片岡:ずっとこの調子で笑ってらっしゃいます。
伊藤:めっちゃ明るいな(笑)。
何事にも代えがたい大事なものとは
○永瀬廉&吉川愛は「漫画から出てきたような…」「お姉ちゃんのような…」――撮影で苦労したかったこと、大変だったことはありましたか?
片岡:私は特になかったです!
伊藤:すごい! かっこいい……! 瑶太は劇中で(体が)燃えるシーンがあって、どういう感じで燃えるのかというのを想像の中でやらなきゃいけなくて。叫びながらのた打ち回ったりするので、そこはフィジカル的に大変だったかなと。
あとは、霊力を出すときの動きも監督と一緒にすごく考えました。それっぽくしすぎて、観ている方を置いていきたくないですし、冷めてしまう部分もあると思ったので、リアルとファンタジーの境界線ギリギリを狙うために、どういう動きでそういうパワーを出すのかという話し合いをしていました。
片岡:燃えるシーンはとても大変そうで……いろんな角度で撮影したり、それこそオンリーで声だけ録ったりもしていたので、控え室で聞いていると叫び声が痛そうで、ちょっと心配になりました(笑)。
伊藤:多分、頭の血管が何本か……(笑)。
片岡:すごかったです。
――今作でW主演の永瀬廉さんと吉川愛さんについてもお話をお聞かせください。
伊藤:2人とも初共演?
片岡:初めてでした。永瀬さんは現場に入ってくるときから、漫画から出てきたみたいなオーラが……。
伊藤:すごいよね! King & Prince! って感じ(笑)。
片岡:キラキラしていて、花が舞っていそうで素敵でした。吉川さんは、現場にいるだけでお姉ちゃんみたいな優しさを感じて。一人っ子なので、本当にお姉ちゃんだったらいいなと思うような素敵な方でした。
劇中では吉川さん演じる姉の柚と対立するところが多かったんですが、「何でもやっていい」「好きにやっていいよ」と言ってくださったので、髪の毛や顔をつかんだりとひどいことをするシーンがいっぱいあったんですけど、全部受け入れてお芝居をしてくださったので、とても助けられた場面が多かったです。
○6年ぶりの共演・永瀬廉の座長ぶり
――伊藤さんは永瀬さん、吉川さんとも共演経験があります。
伊藤:永瀬くんは6年ぶりにご一緒させてもらって。当時から彼の座長としての現場での姿も見させてもらってましたし、頼りがいがあります。今回は、前回よりお芝居の話をさせてもらって、お互いに年齢も含めて月日が経ったなと感じました。
吉川さんは、初めて共演したのは、僕が17歳でまだ学生だった頃。現場で真ん中に立ってくださっている姿や、スタッフの方々とお話をされている姿を見て、当時よりもたくましくなられてる印象でした。
お二人ともですが、現場を盛り上げてる主演だなというのは、今回共演して改めて思いました。
――永瀬さんとは対峙するアクションシーンもありました。
伊藤:アクション部の方がつけてくださった手にプラスして、自分たちでも、ああしようこうしようと話をしました。前回、ご一緒させてもらった作品も仲間ではあったんですけど、最初はライバル関係。今回はがっつりと対立する立場で、新しい関係性でご一緒できたのは楽しかったです。
○何事にも代えがたい大事なものは?
――今作では、あやかしにとって“花嫁”は唯一無二の代わりのない存在ですが、ご自身にとって何事にも代えがたい大事なものはありますか?
片岡:私は家族です。
伊藤:そんな素敵な……先に言われたら俺は何て言えばいいの?(笑)
片岡:(笑)。私にとって今までも、そしてこれからも他に変えられない1番の理解者。家族が1番大事です。
――ご家族に相談をすることも多いですか?
片岡:私はパパっ子なので、本当にパパに何でも相談します。
伊藤:言えないことない?
片岡:ないですね! 何でも話します。
伊藤:現場でも言っていたもんね。
片岡:パパ大好きです。
――伊藤さんはいかがでしょうか?
伊藤:家族……編集で俺からにしてもらって……(笑)。僕は地元の友達です。すごく付き合いも長いですし、年末年始も絶対にうちに集まって、みんなで過ごしたりします。
高校生や中学生の10代で出会った人間たちで、兄弟みたいに育ってきたやつらなので、心がその時代に帰れるというか……違う世界でそれぞれ仕事をがんばっている姿を見ると、刺激をもらえます。
――物語では「あやかしの花嫁に選ばれることが最高の名誉」として描かれていますが、自身にとって“最高の名誉”を教えてください。
伊藤:少し前にもファンの方々と短い時間ですが、直接お話しする機会があって。自分よりも年齢が上の方など人生の大先輩が、「(僕を)見て長生きしようと思いました」と言ってくださるのはとても嬉しいです。
この仕事は見てもらう方々がいて、成り立つ職業でもあると思うので、自分がやった芝居や表現したことを受け取ってくださった方々の人生に、プラスの感情や影響を与えられる瞬間は名誉だと思います。
もちろんお手紙やSNSのコメントなどで言葉をいただけることもありますが、顔を見て目を見て言っていただけるとすごくパワーにもなりますし、嬉しいなと思いました。
片岡:私は常にヒロインに選ばれることが最高の名誉かなと思います。そういう作品にいつか出会えることを私も常にずっと探しています。
■伊藤健太郎
1997年6月30日生まれ、東京都出身。モデルとして活動後、2014年に俳優デビュー。主な出演作にドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)、映画『悪の華』(19)、映画『十二単衣を着た悪魔』(20)、『静かなるドン』(23~24)など。6月7日から放送されるWOWOW連続ドラマW『コンサルタント―死を執筆する男―』(毎週日曜22:00~)で主演を務める。
■片岡凜
2003年10月6日生まれ、群馬県出身。SNSをきっかけに注目を集め、2022年2月にシンガーソングライター・優里のミュージックビデオで俳優デビュー。主な出演作にドラマ『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)、連続テレビ小説『虎に翼』(NHK)など。2026年1月期には、ドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系)、ドラマ『キンパとおにぎり ~恋するふたりは似ていてちがう~』(テレビ東京系)の2作品に出演するなど注目を集めた。











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