帝国データバンクは2026年4月8日、2025年度の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)に関する集計・分析結果を発表した。集計期間は2025年4月1日から2026年3月31日までとなっている。


○倒産件数と負債総額の推移

2025年度の倒産件数は1万425件(前年度比3.5%増)となり、4年連続で前年度を上回ったほか、2年連続で年度1万件を超えた。一方で、負債総額は1兆5537億8100万円(同31.0%減)と大きく減少し、2年連続で前年度を下回っている。負債5000万円未満の倒産が比較可能な2000年度以降で最多となるなど、中小零細規模の倒産が目立つ結果となった。

○サービス業と小売業が2000年度以降で最多

業種別にみると、7業種中5業種で前年度を上回った。「サービス業」(2677件)が最も多く、「小売業」(2233件)が続いた。これら2業種は2000年度以降で最多を更新している。また、「建設業」(2041件)と「不動産業」(309件)は過去10年で最多となった。

細部では、医療スタッフの確保難などを背景に「医療」(194件)が2000年度以降で最多となったほか、「飲食店」(924件)も物価高や人件費高騰の影響を受け、2000年度以降で最多を記録した。

○不況型倒産は8608件で全体の8割以上

主因別では、販売不振などの「不況型倒産」が8608件となり、全体の82.5%を占めた。また、「経営者の病気、死亡」(350件)は2000年度以降の最多を更新。「放漫経営」(194件)も4年連続で増加し、過去10年で最多となっている。

○清算型倒産が全体の97.0%を占める

態様別では、「清算型」が1万115件発生し、全体の97.0%を占めた。
そのうち「破産」は9725件で、全体の93.3%にのぼる。一方、再建を目指す「再生型」は310件発生した。

○小規模倒産が顕著、資本金1000万円未満が過去最多

負債規模別では、「5000万円未満」が6475件(全体の62.1%)となり、2000年度以降で最多となった。資本金別でも、「個人+1000万円未満」が7580件(全体の72.7%)発生し、件数・構成比ともに2000年度以降で最も多く、小規模倒産の多さが浮き彫りとなった。

○業歴30年以上の老舗層が最多

業歴別では、「30年以上」が3278件で最も多く、全体の31.4%を占めた。一方で業歴10年未満の「新興企業」は3026件となり、4年ぶりに減少したものの依然として高水準で推移している。

○9地域中8地域が過去10年で最多

地域別では、「東北」を除く8地域が過去10年で最多となった。「関東」は3525件で全体の33.8%を占めた。増減率では「北陸」(16.1%増)が最も高く、全県で前年度を上回る結果となった。都道府県別では、栃木と新潟が2000年度以降で最多を記録している。

○注目の倒産動向

ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産は625件判明し、2年連続の減少となった。

一方で人手不足倒産は441件に達し、初めて400件を超えて過去最多を大幅に更新している。
このうち従業員10人未満の小規模企業が全体の約75%を占めているのが特徴だ。

後継者難倒産は533件判明し、2年ぶりに前年度を上回る結果となった。

物価高倒産については963件判明しており、2年連続で過去最多を更新している。

○今後の見通し

2025年度は、コロナ禍の抑制期を経て倒産件数が4年連続で増加した。物価高や人件費高騰に加え、海外情勢の変化や原油価格の高騰などがサプライチェーンに幅広く影響を及ぼしている。

今後は、コスト上昇への対応力や価格転嫁の可否によって企業の二極化がさらに進むとみられる。手元資金の乏しい企業を中心に、夏頃から倒産が急増する懸念があり、2026年度も倒産は増加する可能性が高い。
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