東京で生きる女子たちを、オムニバス形式で描くドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS、TBS/毎週火曜深夜)の第3話が4月26日(火)の深夜に放送された。雪(吉川愛)の“レンタル彼女”としての顔を知り戸惑うリナ(横田真悠)の姿や、秘密を打ち明けた雪とリナのやりとりから“本当の友達”について考えさせられた今回の放送。

SNSでは「マンガで見るより残酷…」などの声も集めていた。(文=於ありさ) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください

■本当の友情を疑うリナに雄大が名言を連発

 第3話は、パパ活女子のリナが、雪が風俗で働いているといううわさを知るシーンからスタート。確定かもわからないうわさに対し、「誰だって隠し事の1つや2つくらいあるよね…」と済ませてしまいそうなことのようにも思えるが、リナは受け流すことはできなかった。

 その理由を、雪が以前言った「友達って呼べるのリナだけだし」という発言を引き合いに出し「妙に嬉しかったのに。結局私は雪のことを何も知らない。心でつながっていると思っていたのは私だけだった」と落ち込むリナ。

 さらに追い討ちをかけたのは、雪がリナのパパ活相手の飯田(神尾佑)と内緒で会っていたという事実。「リナへの誕生日のサプライズで…」と飯田から誘われていた手前、隠すしかなかった雪の計らいが裏目に出たのだが、リナはそんな雪の気も知れず「自分だって同じことしているくせに、心の中でリナのこと見下していたんでしょ? 隠れて会っていたみたいだし…」「雪はリナがいてもいなくても平気なんでしょ?」と怒りをぶつけた。

 なぜリナは雪に対して、たった1つの隠し事が許せないのだろう。それは、リナが雪に対して人一倍期待していたからのように思えた。第2話での雄大(井上想良)とのデートシーンで、雪を「自慢の友達」と紹介したリナ。
だからこそ、自分が思い描いていない、まじめで勤勉で芯が強い以外の顔を持っている雪が許せなかったのだ。

 そんなリナを優しく諭したのは、遊び相手だと思っていた雄大だった。リナがパパ活相手と体の関係を持ってることを雪には隠していることを指摘し「特大ブーメランじゃん」という雄大。続けて「なんでリナは言わなかったの? 雪ちゃんに引かれたくないからじゃないの?」「レンタル彼女をしていると言うことで、言いたくないことを言わなきゃダメになるかもしれない」「リナの尺度で雪ちゃんを決めつけるのは違うんじゃない?」と名言を連発した。

 さらに謝罪したいという雪と会うことを勧め、「怖いなら話が終わるまで待っててやるから」と雄大。この一連の行動に、SNSでは「雄大、めっちゃいいやつじゃん!」「雄大、最高」と絶賛の声が上がった。

■リナの悪気のない一言が残酷さを増す

 雄大の一押しと、雪からの「会えない?」との連絡がきっかけで、雪に弁解のチャンスを与えたリナ。

 そこに登場したのは、ネグレクトによるアザをメイクで隠していない雪だった。本当の友達だからこそ、リナには全部をさらけ出すことを決意した雪。過去の傷をないものとし、いつも弱みを見せないようにしている彼女にとっては、一大決心とも言える行動だ。

 そして雪は「リナにうそをつきたくなくて。私ね…」と経緯を話し始めるのだが、リナはそんな雪を見て、ぼうぜんと立ち尽くした後で、ただ一言「かわいそう…」とつぶやく。


 なんて残酷なのだろう。本当の友達だと思っていた相手に、理由も聞かず見た目だけで“かわいそうな子”と認定されるのは。この発言を聞いて、抱きしめ返す気力を失った雪。

 隠し事をした雪に対して“本当の友達”かを疑ってしまったリナと、“本当の友達”リナにだからこそ見せた弱みを否定された雪。

 どちらが悪いというのではなく、お互いが自分の描く理想や期待と外れた行動に対して失望しただけなのだが、2人の悪気のないすれ違いっぷりを見て“本当の友達”とは何かを思わず考えてしまう放送回となった。

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