東京で生きる女子たちをオムニバス形式で描くドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS、TBS/毎週火曜深夜)の第7話が5月24日(火)の深夜に放送された。原作の中でも、異例の1万件以上のコメントを集めるほど人気なホスト編が第7話から本格スタート。

ハルヒ(藤原樹)&楓(高野洸)の説得力の高さと、ゆあ(齊藤なぎさ)の豹変っぷりに、SNSでは絶賛の声が集まっていた。(文=於ありさ) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください

■爆イケなハルヒ&楓にキュン

 まじめに大学に通うホスト編の主人公で大学生の萌(箭内夢菜)。前回、萌は行きつけのミックスバーTRAPで、ホストに通い詰めるゆあと出会い、生まれて初めてホストクラブへと足を踏み入れた。

 未知の世界に緊張した表情の中、ゆあや黒服の言われるがままコースを決められ、萌の初回はスタート。そんな萌の隣に座るゆあの前に現れたのは、ゆあが指名する売れっ子ホストのハルヒだった。開口一番「ゆあ、お待たせ」と優しい声でほほ笑む姿は、原作のハルヒ以上に“リア恋”感が強い印象。ハルヒが来た途端、声をワントーン上げて「はるぴ~!」と恋する乙女モードに入ったゆあにも納得だ。

 さて、ハルヒとゆあの横でホストの初回を楽しむ萌のもとには、さまざまなホストがやってきた。大きめの声でオーバーリアクション「~って設定すか!」と少々うざい絡みをする有栖川るぅ(天羽尚吾)や、「色恋! 本営! 鬼枕なんだけど、ガッツいて良い?」とホスト用語を並べる自称化石ホスト、乙女七星(坪根悠仁)、さらには撮影が行なわれたホストクラブ「MAJESTY」の代表代行・勝利まで。ヨイショの掛け声と共にする乾杯するとホストが入れ替わっていく演出は、テンポ感が良く、見ていて楽しかった。

 しかし、そんなホストとのやりとりを楽しめない萌。
帰ろうとした萌のもとに訪れたのが楓だった。前髪が長めで落ち着いたトーンで話す楓、名刺を切らしてと手書きで名前を書いたシンプルなものを渡す素朴さが、萌の心にすっと入り込む。無理強いをせず、相手をリラックスさせる柔らかさこそ楓の魅力だが、それを高野は見事に表現している。

 素朴な印象の楓だが、時折見せるデキるホスト感も目についた。萌と話をしながらも、萌のグラスについた水滴をさりげなく拭き取るところや、送り指名後に初めて会話した時よりも快活に声を弾ませるギャップ。特に「連絡先聞いても良い?」「このままお別れなのも寂しいし、うざかったら返事しなくて良いからさ」というのは、相手に無理をさせずとも、しっかりと自分の“姫”として取り入ろうとする押しの強さを感じた。

 人気ホスト2人の登場に、「楓、ヤバいな」「はるぴにやられた!」とSNSには熱狂する声があふれていた印象だ。

■SNSでは「ゆあてゃ怖かった」の声

 それから、ゆあの喜怒哀楽を表現した齊藤の演技にも触れておきたい。同じくハルヒを指名する“被り”の客を見て、「あの被りの子、初めて見た。よく来る子なの?」と落ち込んだかと思えば、萌に笑顔で「気になった子いた?」と聞く豹変ぶり。コロコロと変わる表情が原作のままだった。

 特に不安定なゆあが「もしあの子が私よりもお金使う子だったら、はるぴはあの子のこと大事にするのかなと思って…」と、今にも泣き出しそうな表情で話す姿は切なかった。
「俺は、俺のために頑張ってくれているゆあが1番大事だよ」と語る、その場しのぎなハルヒの返しも込みで心がキュッとする。

 そして注目したいのは、そんなハルヒを信じ、裏切られ、怒りへと変わっていくゆあの心の移り変わりを齊藤が声で表現したシーンだ。帰宅後、まだ仕事中のハルヒに「はるぴが好きなラムネとレモン水も買っておいた」「オムライス作っちゃった」とニコニコしながらメッセージを送るゆあ。しかし、深夜2時を過ぎてもハルヒは帰ってこない。その事実にゆあは不安になっていく。最初のうちは「なんで返事くれないの?」と悲しげにメッセージを送るのだが、日が昇る頃には「今日来るって言ったよね」「誰といるの」とメッセージを送った上で鬼電、「電話出ろよ!」「無視やめて」と声を荒げた。

 この時の声が、恋するゆあてゃモードからは、想像できないくらいに怖い。甲高く叫ぶではなく低いトーンで、怒りの言葉を連ねるゆあがリアルだった。SNSでも「ゆあてゃ怖かった」「めちゃくちゃわかる」と称賛されていた。

編集部おすすめ