“研ぎ澄ました歌声で人々の心に爪痕を残す”をテーマに結成された女性ボーカルグループ、Little Glee Monster(以下、リトグリ)。昨年7月に新メンバー募集オーディションが開催され、7002人の応募の中からミカ、結海、miyouが加入することが決まり、昨年12月から第二章がスタートした。

新メンバーの3人はそれぞれ歌への思いが強く、今回の加入に対する思いも深い。今回は4月22日(土)から開幕するライブツアー「Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”」を前に、リトグリ新メンバー3人の軌跡に迫った。(取材・文=M.TOKU/写真=小川遼)

■リトグリの表現力は唯一無二

――リトグリといえば何よりも音楽を楽しむ姿勢がすてきなグループですが、皆さんはいつごろから音楽が好きだったのでしょうか?

miyou:お父さんがアフリカンミュージック好きで、小さい頃から私も音楽をよく聞いていました。歌にひかれるようになったのは中学生のときかな。ある日、友達から「文化祭で歌え」って言われて、弾き語りで歌唱したことがあるんです。そのときたくさんの拍手をもらったことがきっかけとなり、人前で歌うことに興味を持ちました。

結海:リトグリに加入する前、友達に誘われてミュージカルの舞台に出ていたんです。ダンス、歌、お芝居とやっていくなかで、一番好きだと思ったのが歌でした。あと、私の家族は毎年夏の沖縄旅行でホストファミリーのお世話になっているのですが、その方々が居酒屋でライブしたときに「一緒に歌おうよ」ってステージに誘ってくれて。その時に歌う楽しさを知りました。

ミカ:私も家族みんな音楽が好きで、よくカラオケに行っていたんです。「ミカちゃん歌って!」「ミカちゃん歌って!」ってよく言われていました。


miyou:なんで、2回繰り返したのよ(笑)。

ミカ:2回言う癖があって(笑)。その後、高校生になってからは軽音部に入りました。小さい頃から音楽は身近にあったし、もう音楽=自分というくらい人生に欠かせません。

――皆さん小さい頃から音楽が身近にあって、歌うことも好きだったんですね。では、加入前はリトグリにどんな印象をお持ちでしたか?

miyou:リトグリのことはもちろん知っていて、特に衝撃的だったのがメンバーによるアカペラメドレー。何度聞いても鳥肌が立ちますし、彼女たちの表現力は唯一無二やなと思います。思ってもいないところで感動したり、訳分からんけど鳥肌が立ったり、あの衝撃や感覚がすごく好きです。

結海:私はハモりが好きになったきっかけがリトグリなんです。ミュージカルのときに出演者と歌でハモることがありましたが、それが楽しいと思えたのもリトグリの音楽に衝撃を受けたから。家族とハモるときも、リトグリの曲が多かったですね。

miyou:えっ、家族とハモる!?

結海:楽しむ程度にね! お父さんもよくリトグリの曲を聞いてたの。


miyou:お父さんもハモれるの!? すごいやん。それ、もっといろいろなところで言っていこうよ。いつかライブで歌ったりしたらええやん。

――(笑)。そしてリトグリのメンバーになるべくオーディションに参加されるわけですが、どのような経緯で応募されたのでしょうか?

ミカ:私はリトグリが好きな親友と、よく一緒にリトグリの曲を聞いていたんです。ずっと尊敬していたグループで、自分が歌手になれるとしたらリトグリみたいなグループに入りたいと思っていました。

――憧れのグループだったんですね。

ミカ:そうなんです! それで進路に悩んでいたとき、親友からリトグリのオーディションがあることを教えてもらって。これは絶対に受けないと後悔すると思って応募しました。一次審査で落ちるかもしれないけど、この機会を逃しちゃいけないと思って。

結海:私はお母さんからリトグリの新メンバー募集オーディションがあることを教えてもらって応募しました。歌が大好きな気持ちを形にするには、すごくいい機会だと思って!

miyou:私はTikTokがきっかけでした。
当時、自分が歌う動画をTikTokにアップしていたんですけど、たまたまオーディションのスタッフの方が私を見つけてくださり「受けてみませんか?」と声をかけてくれたんです。ここでの出会いはきっと何か意味があると思って受けてみることにしました。

――もともと歌手になりたいという気持ちがあった?

miyou:はい! ただ高校を卒業したら大学に行かなければという固定概念みたいなものがあって…進路に悩んでいたときお母さんが「別に(大学に)行かんでもええんやで」と言ってくれました。いろいろな可能性があるなかで「大学に行かないといけない」って概念に縛られていたんです。それが、ずっと苦しかったんですけど、その一言で解放された気分になりました。

■加入してから分かった先輩のすごさ

――さまざまな思いを抱いてオーディションに参加されたわけですが、実際に合格を言い渡されたときはどんな気持ちでしたか?

結海:合格発表のとき、私が最初に名前を呼ばれたんです。もちろんうれしかったのですが、自分の名前が呼ばれたということは、一緒に頑張ってきた誰かが落ちてしまうということでもあるので複雑な気持ちになりましたし、つらかったです。周りのレベルが高かったし、自分が選ばれてよかったのかなという気持ちもあって。

miyou:そんな気持ちを抱えてたんだ…。

結海:うん。でも、選んでもらったからには頑張ろうって。気持ちを切り替えました。


ミカ:私は名前を呼ばれた瞬間「いま、人生が変わった」と思いました。オーディションで苦楽を共にした仲間と離れる寂しさもありましたが、やっぱりうれしくて。夢のような瞬間でした。

結海:親友も喜んでた?

ミカ:うん。「幸せだ」って言ってくれてる。ミカはそのままでいいよって励ましてくれるし、いろんなアドバイスもくれるんだ。

miyou:いい友達だね。私は名前を呼ばれた瞬間、全身が宙に浮いたような感覚になりました。驚きすぎて、何を考えていたのか覚えていません。自分でも想像していなかった未来だったので、衝撃が走りました。あんなに人生が変わる瞬間はない。

――リトグリ第二章がスタートしてから、先輩たちと歌う機会も増えたと思います。
一緒に活動してみて改めて「先輩のここがすごい!」と思ったところを教えてください。


miyou:かれんちゃんは視野の広さがすごい。歌って踊りながらも周りをちゃんと見ているんです。アカペラを練習しているとき、かれんちゃんも歌っているのに「そこピッチ低いところあるよ、もうちょっと明るい音やな」って私にアドバイスしてくれて。彼女が積み上げてきた経験と努力による余裕、そしてこだわりを感じました。しかも、それを曲げない。かれんちゃんのなかにビジョンがしっかりあるんです。それに対するストイックさはもう異次元。いつも刺激を受けています!

結海:MAYUちゃんはハモリのプロです。いま第一章でMAYUちゃんがやっていたパートを私が引き継いで、MAYUちゃんが新しいパートを歌っているものがあるんですけど、練習のとき私が間違えて新しいパートを歌っちゃって…。そしたら「結海ちゃんはこっちだよ」って優しく教えてくれたんです。自分も新しいパートになって大変なはずなのに、すべてを把握しているんですよ。
それに、MAYUちゃんの歌声は柔らかくてミルクのよう。臨機応変にボケたりツッコんだりできるのも尊敬します(笑)。

ミカ:アサヒちゃんはそこにいるだけで元気をもらえますし、存在が癒やし。ライブでも元気で、力強い歌声がすごく魅力的です。私、アサヒちゃんに一度相談をしたことがあるのですが、真剣に聞きながら「大丈夫だよ」って励ましてくれました。一言で言うと…すてきな女性です。

結海:それは間違いない(笑)。

miyou:まさかの締め方(笑)!

■新しさとリトグリらしさ、どちらも楽しめる

――3月22日(水)には1stEP『Fanfare』をリリースし、4月22日(土)からはライブツアーも始まります。きっとライブでは新曲も披露されると思うのですが、皆さんのおすすめの1曲とその理由を教えてください。

miyou:「HELLO NEW DAY」かな。明るい気持ちにさせてくれる曲です。学生の方が聞いたら、はじけ飛びたくなるかも! それくらいフレッシュで心が弾む楽曲です。私も普段から何度もリピートして聞いています。日常にすごくなじむんですよね。前向きな気持ちになれるので、ぜひいろいろな場面で聞いてみてください!

結海:私は「WONDER LOVER」。リトグリって歌のイメージが強いと思うのですが、格好いいダンスを披露することもあるんですよ。加入前からいくつかのライブ映像を見ていますが、すごく衝撃的で、憧れました。ダンサブルなこの曲も、格好いいダンスとリトグリらしいハーモニーを調和させて届けられるんじゃないかな。絶賛、練習中ではありますが、ライブで歌って踊る日が、今から楽しみです!

ミカ:「Rolling Rolling Rolling」は心地よいリズムのアッパーチューンで、早口で歌うんです。そういう楽曲を歌う機会が私はあまりなかったので新鮮でした! これまでのリトグリとはまた違った一面が見られる曲でもあるんじゃないかな? 聞いてくださる皆さんに「格好いい!」と思ってもらえるよう、頑張ります!

――ありがとうございます。最後にこれから始まるツアーを前に、今後リトグリをどういうグループにしたいのか決意表明をお願いします!

miyou:正直、リトグリが今まで作り上げてきたものを知っているからこそプレッシャーは感じています。それでも、自分が加入した意味があるとガオラー(ファン)の皆さんに思ってもらえるようになりたい。ちょっと時間がかかるかもしれませんが、「この子たちについていきたい」と言ってもらえるようになりたいです。ガオラーの皆さんに寄り添い、引っ張っていけるグループにしたいです!

結海:リトグリの魅力であるハーモニーとコーラスを失うことなく、引き継いだ上で私たちが加入したことによる新しいリトグリを見せられたらと思っています。一つのことにとらわれない、柔軟性のあるグループにしていきたいですね。

ミカ:新しいリトグリらしさを追求しながら、もっともっと多くの方にリトグリの魅力を知ってもらいたいです。新しいことにもチャレンジしつつ、私たちが成長していくことで徐々に大きなステージに向かっていきたいなと思っています!

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