M!LKやFRUITS ZIPPERなど、今をときめくグループが初出場を決めた『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)。その中でも、今改めて魅力を語りたいのが9人組グローバルグループ&TEAMだ。

今回は、彼らの紅白出場までの歩みを振り返りながら、『第76回NHK紅白歌合戦』の注目ポイントを語りたい。(文=於ありさ)

■オーディション番組発“&TEAM”って?

 &TEAMは、韓国で放送されたオーディション番組『I‐LAND』から招集された4名と、オーディション番組『&AUDITION ‐ The Howling ‐』で追加選抜された5名で結成された9人組グローバルグループ。K、FUMA、YUMA、JO、HARUA、TAKI、MAKIの日本人7名と、台湾人のNICHOLAS、韓国人のEJで構成されている。

 2022年11月に、デビューEP『First Howling : ME』のタイトル曲「Under the skin」を先行配信。ここから始まる9人の物語をイメージさせるミュージックビデオが特長で「一歩踏み出したい。変わりたい」と挑戦する強い意志が聞く人の心をつかむ、一度聴いたら忘れられないエモーショナルな楽曲だ。

 日韓での楽曲リリースや、オフラインイベントの開催を続けてきた9人の知名度を一気に高めたきっかけとして欠かせないのが、バラエティ番組での活躍だと感じている。

 最初にグループの名前を広めたのは、Kが『オールスター感謝祭’23秋』(TBS系)内のコーナー「赤坂5丁目ミニマラソン」に生出演し、初出場にして2位と約1分差をつけ優勝したこと。優勝後には「想像していたより坂がきつくて、びっくりしたんですけど、みなさんの応援のおかげです」と爽やかに話し、お茶の間に&TEAMという存在を知らしめた。

 また、Kは今年開催された『東京2025世界陸上』にてTBS世界陸上応援サポーターに就任。9日間、陸上そして選手への愛とリスペクトを持ったコメントを披露し一気に注目が集まった印象だ。

■輝く9人の個性と絆

 もちろんバラエティ番組で活躍しているのはKだけではない。
2025年の年明け早々には、FUMAとKで『冒険少年 新春!脱出島 相棒SP』(TBS系)に初参戦したり、『秘密のケンミンSHOW極』(読売テレビ/日本テレビ系)に静岡出身のFUMAと、長野出身のHARUAが出演したりと着実に幅広い世代に存在感を示していく。

 また、4月にはメンバー全員で『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演。ゲッターズ飯田にが9人それぞれ、そしてグループについて占う中で、個性や仲睦まじさが浮き彫りとなっていった。

 それから、仲が良い様子を見られるコンテンツといえば、彼らの公式YouTubeチャンネル。2023年11月に公開された「声を出したらNG!韓国の有名なゲームをやってみました|見たことのないプレーでレジェンドシーン誕生! - &TEAM」での、韓国語と日本語を駆使しながらも本気でゲームに挑む姿は多国籍グループならでは。基本的には韓国語でしゃべっているものの、驚いた時やメンバー同士でミスを指摘する時などに、思わず日本語が出てしまう姿は、メンバーの素の表情が見られた気分が味わえる。

 また、2024年に公開された「[Go ONE!!!]EP.22 &TEAM初の家族旅行 #1|&TEAM」も長く見られているコンテンツ。グループ内でのコンビ、例えば“ツンデレコンビ”として知られる、YUMAとHARUAの“マルズ”が、庭にあるリクライニング椅子で小競り合いをするなど、ファンにとってコンビの“尊い”やりとりが見受けられるのも癒される。

■紅白で披露する「FIREWORK」の注目ポイント

 ここまでは&TEAMの素顔に近い部分を紹介したが、やはり彼らの楽曲、そして高いパフォーマンス能力についても語りたい。

 オリコン週間シングルランキングで1位を獲得した「Go in Blind(月狼)」は、力強いバンドサウンドからスタートし、サビではメインボーカルの声やコーラスが美しく響く楽曲。この曲で、彼らはグループとして初めて『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した。また、驚くべき記録を更新したのは、今年10月の韓国デビューでのこと。
韓国1stミニアルバム『Back to Life』が発売初日に総出荷数110万枚を突破したのだ。タイトル曲である「Back to Life」はポジティブなエネルギーが秘められたロックナンバーで、9人という大所帯ならではの美しい群舞も圧巻な1曲だ。

 ちなみに、2025年には初のアジアツアー『2025 &TEAM CONCERT TOUR ’AWAKEN THE BLOODLINE’』を開催。愛知、東京、兵庫、福岡の国内4都市と、ジャカルタ、ソウル、台北、バンコク、香港を加えたアジア9都市のファンを熱狂させ、10月にはさいたまスーパーアリーナ (スタジアムモード)にて、アンコール公演も成功させた。さらに、向井理が主演を務めた『パリピ孔明 THE MOVIE』で9人全員が映画初出演もかなえ、先述したバラエティ番組だけでなく、確実に仕事の幅、活躍の範囲を広げ、ステップアップした1年になった。

 そんな彼らが『第76回NHK紅白歌合戦』で披露するのは「FIREWORK」。力強いダンス、そしてライブでのLUNE(ルネ=ファンネーム)の掛け声が印象的な楽曲である。また、その一方で切ない夏の恋を歌った歌詞も魅力なうえに、サビでの9人のジャンプなどといった一糸乱れぬダンスで、会場そして視聴者を魅了するのではないか、と今から楽しみだ。

 デビューから3年、日韓でそれぞれミリオン出荷を達成するという日本アーティスト史上初の快挙を成し遂げ、さらには韓国音楽番組で3冠を達成するなど言葉通り勢いの止まらない彼ら。今夜の『第76回NHK紅白歌合戦』ではいったいどんなパフォーマンスで存在感を示してくれるのか、そしてその勢いのまま2026年はいったいどんな活躍を見せてくれるのか期待したい。

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