1999年に結成され、国民的アイドルグループとなった嵐。2020年12月31日(木)にグループとしての活動を一時休止し、2026年3月13日(金)から始まるツアー「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」をもって活動を終了する。

嵐はこれまで、私たちにさまざまな夢や希望を届けてくれた。嵐はグループが強いだけでなく、一人一人の個性の強さが魅力の1つでもある。クランクイン!トレンドでは、ラストツアーまでのカウントダウン企画として、各メンバーの魅力に注目した記事を連載中。本稿では櫻井翔のこれまでの活躍を深堀りしたい。

■20年続くキャスターの仕事

 櫻井は1995年に芸能界入り。その後、ジュニアとして活動し、1999年に嵐としてCDデビューをした。慶應義塾幼稚舎、慶應義塾普通部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部を卒業している櫻井。大学に入学したのは2000年のことで、嵐の活動と並行して学業にも力を入れていた。大学まで16年で留年をせずに卒業し、両親とは「学校を休まない」と約束をしていたという。現在では阿部亮平や菊池風磨など大学へ進学したアイドルも多いが、当時はアイドル業と学業を両立することは珍しいことだった。その意味でも櫻井はアイドルの新しい道を切り開いた立役者ともいえる。

 さらに櫻井は2006年に『NEWS ZERO』(日本テレビ系)の月曜キャスターに就任。
当時、アイドルがニュース番組のキャスターを担当することは異例ともいえることであった。アイドル業だけでなく学業も手を抜かなかった櫻井だからこそ得たポジションでもあり、櫻井は現在に至るまでキャスターの仕事にも真摯に向き合っている。

 櫻井は2008年北京オリンピックにて日本テレビ系のキャスターに就任。それ以来、10大会連続で日本テレビ系のメインキャスターを務め、2026年のミラノ・コルティナ五輪も担当した。また選挙特番でも、その中立的な立場を崩さないコメントに多くの反響が集まっている。櫻井は自らが足を運び取材をしたり、インタビューをしたりすることも多く、キャスターとしてのキャリアを着実に、丁寧に積み上げた。

 報道番組だけでなく、バラエティ番組、音楽番組でも櫻井のMC力は光る。櫻井は2014年から『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)のMCを現在まで務めているほか、これまでに数々の大型音楽番組の司会も担当していて、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の司会の経験も持つ。

 櫻井の司会は生放送でも安心感があり、ゲストへの配慮を忘れない。自分が主張することはなく、ゲストを立て、時にはフレンドリーに接する。音楽番組ではゲストのパフォーマンスを見ながら自らも楽しみ、柔らかい表情を見せる。その場に合わせたMC力と自身が楽しむ姿勢、そしてその裏で常に冷静に現場を観察する力。
櫻井のMCは誠実さの現れだ。

■“サクラップ”の魔法

 さらに櫻井は、俳優としても活躍の場を広げる。2002年に放送されたドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)ではバンビ役を演じ、本作には現在でも根強いファンが存在する。2007年には二宮和也と共に『山田太郎ものがたり』(TBS系)で主演を務め、さらに2011年の『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)で演じた毒舌執事・影山役は多くの視聴者から愛された。2013年の『家族ゲーム』(フジテレビ系)では、ミステリアスな吉本荒野を演じ、狂気的な演技が話題に。2023年から2025年は『大病院占拠』(日本テレビ系)を始めとした“占拠シリーズ”と呼ばれる作品に出演し、本作で櫻井は初の刑事役に挑戦した。

 櫻井といえば“サクラップ”と呼ばれるラップの存在も欠かせない。櫻井はこれまでに数々のラップ詞を手掛け、まっすぐで力強いメッセージを届けてきた。櫻井はすべての活動において“言葉”の力が強く、それはコンサートや歌番組での盛り上げ方からも実感することができる。「come on every body say」「みなさんご一緒に」「ご唱和ください」などのあおりを聞いた観客たちは、櫻井が言葉にすることによって魔法がかかったようにヒートアップするのだ。

 『ベストアーティスト2025』で披露されたSTARTO ENTERTAINMENTのアーティストによるシャッフルメドレーでは、櫻井は楽曲に参加していなかったものの、ラストに村上信五と丸山隆平に連れられてステージに登場。櫻井が「ご唱和ください!」と口にすると、その場だけでなくSNS上でも大盛り上がりを見せた。


 これまでに櫻井が積み上げてきた仕事の裏には膨大な努力があったはずだが、櫻井はそれを表に見せず、スマートにやり切る。それもあってか、櫻井は「知的でスマート」な印象を持たれることも多い。しかし、彼はアイドルとしての魅力はもちろん、親しみやすい人間味あふれる一面もあわせ持っている。バラエティ番組ではバク転を練習している中で着地が不格好になり「お願いだから放送しないで」と嘆いたり、初めてケーキ作りをする際に謎の行動をとってしまったり、かわいらしい一面も。

 完璧のように見える櫻井が、メンバーといる時や、ふとした瞬間に見せる愛すべき抜け感も彼の魅力の1つ。キャスター、アイドル、俳優…あらゆる魅力とスキルを持つ櫻井だが、ラストツアーでは“嵐の櫻井翔”としてどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。(文:朝日奈風果)

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