世界7ヵ国9都市で累計350万人動員中の展覧会「ピクサーの世界展」がついに東京に初上陸し、3月20日(金・祝)から10月12日(月・祝)までの期間限定で、東京・豊洲にあるCREVIA BASE Tokyoで開催される。本展のスペシャルサポーターを務めるのは、芸能界屈指のディズニー愛好家であるタレントの風間俊介。
■風間が語るピクサーの功績
世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』をはじめ、『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』『カーズ』『レミーのおいしいレストラン』『カールじいさんの空飛ぶ家』などと、枚挙にいとまがないほどの名作を世に送り出し、常にアニメーション界の先駆者として幾多の金字塔を打ち立ててきたピクサー・アニメーション・スタジオ。
そんな同スタジオの作品の世界を、圧倒的なスケールとクオリティーで再現し、誰もが物語の主人公になりきれるというのが、今回日本にやってくる「ピクサーの世界展」というわけだ。
スペシャルサポーターを務める風間は、かねてより本展の開催を切望しており、誰よりも日本上陸を待ちわびていた。2024年11月には「あまりに素晴らし過ぎて、これを見にブラジルに行きたくなる」とXに投稿していたが、「あの頃の自分に『大丈夫、落ち着きなさい、ちゃんと日本にも来ますよ』と伝えたいです」と当時の高揚ぶりを振り返り、照れくさそうに目を細める。
風間が初めて触れたピクサー作品は『バグズ・ライフ』(1998)だったという。フルCGでの新鮮な映像表現に魅了されたそうで、「素晴らしかった」とかみ締める。加えて風間は、当時のアニメーションの歴史を踏まえて、ピクサーの功績をこう説明した。
「公開当時はディズニー・アニメーションが、徐々にCGを導入し始めていった時期でした。『美女と野獣』(1991)のダンスホールのシーンで用いられたクレーンダウンのワンカットや、『ライオン・キング』(1994)のヌーの暴走のシーンなどで、手描きアニメーションの補助としてスポット的に取り入れていたんです」
そんな中で、世界初の長編フルCGアニメーション映画として公開され、アニメーション史を塗り替える一石を投じたのが『トイ・ストーリー』(1995)だった。「当時すでにゲームなどで3DCGを用いた作品はありましたが、やはりどこか滑らかさに欠けていました。
しかし時代は進み、今や3Dアニメーションは当たり前となった。ディズニー・アニメーションも3D作品が主流となり、『くまのプーさん』(2011)以降、長編2Dアニメーションは制作されていない。そんな現代において、ディズニー・アニメーションとピクサー作品の違いとは一体なんだろうか? 「個人的見解がひたすら続いてしまうことになると思います」と前置きした上で、風間は「完全に分かれていないところが理想的な関係」と分析する。
「ディズニー・アニメーションの根源は、ミュージカル作品であることだと思っています。昔は音楽とアニメーションが一緒に結びつくこと自体が、革新的だったんです。『蒸気船ウィリー』(1928)ではキャラクターたちが音楽を奏で、世界初の長編アニメーション『白雪姫』(1937)は、何曲も歌うことから『これはミュージカルである』と言われました。こうした経緯を踏まえると、すべてではないですが、ディズニー・アニメーションの根源はミュージカルではないかなと思います」
一方で、ピクサー作品はミュージカルのようにキャラクターが歌い出すことは少ない。実際に『トイ・ストーリー』制作の際には、「ミュージカルやおとぎ話はやりたくなかった」「『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』のような作品はディズニーに任せておけばいい」と差別化を図ろうとしていた。しかし、歌わなくとも音楽が作品を支えているという点では共通している。
「歌い、踊らないという点で、2つのスタジオは差別化されてきましたが、『リメンバー・ミー』(2017)では、ミュージカル的要素を取り入れることもありました。
進化を続けるピクサー・アニメーション・スタジオは、今年で設立40周年を迎えた。3月13日には最新作『私がビーバーになる時』の公開を控えており、本作が長編アニメーション30作目となる。そんな数ある作品の中から、「ピクサーの世界展」にやってくるのは、24以上の等身大のキャラクターたち。風間に本展で楽しみにしている作品を尋ねたところ、「大前提すべての作品にはなるのですが…」と悩みながらも、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)と『レミーのおいしいレストラン』(2007)をチョイス。
■「開催を知らない人がいないように」
『カールじいさんの空飛ぶ家』は、愛する妻に先立たれたカールが主人公。地区開発による立ち退き&老人ホームの入居を迫られ、無数の風船を結びつけた住み慣れた家とともに大冒険の旅へ飛び立つ。そんな大切な家に、足を踏み入れることができるのが本展の魅力の一つ。風間は「カールにとって人を招くということは特別なこと」と、本展でできる体験の重みを語る。
「家というのは、家主から『あなただったらいいよ』と招待していただかなければ入れない場所です。加えてカールにとって、人を家に招くというのはきっと特別なことでもあるかなと。
続けて、一流レストランのシェフを夢見るネズミのレミーが主人公の『レミーのおいしいレストラン』の世界観を、このサイズ感で体験できるのは「世界的に見ても珍しいこと」だと風間は語る。「貴重な体験ができるという視点では、『レミーのおいしいレストラン』の展示がとても楽しみです」と目を輝かせた。
風間が1年以上前から日本での開催を待ち望んでいたように、海外開催時から本展の日本上陸を渇望していたファンは多い。日本はディズニーやピクサーにまつわるコンテンツが多数供給され、感覚が研ぎ澄まされたファンも多いが、それでもなお、本展の期待値は高い。目のこえたファンをも引き付ける理由とは一体? 風間は「ピクサーの世界展」ならではの魅力を以下のように語る。
「カメラを向けた一画のみで完結する従来のフォトスポットとは異なり、『ピクサーの世界展』は、自分の背中すらも作品に包み込まれ、360度没入できるのが大きな魅力の一つだと思います。これはある種、“観光”の時の体験に近いのかなと。旅行に行くと、どの角度から見ても、その世界が広がっている。本展でアンディの部屋やカールの家に入るというのは、フォトスポットではなく、もはや“観光”だろうと僕は思っています」
加えて、圧倒的なスケール感も本展の魅力だという。「僕はファンタジーが好きなのと同時に、実はリアリストでもあり、魔法を作り出そうとする人たちの努力も素晴らしいことだと考えています。日本は広い土地を確保するというのが難しいので、先程述べたフォトスポット一画が素晴らしい出来であることだけでも、すごく大変だし、愛おしいこと。
海外開催時には、来場者がカールの家のソファに座る様子や、アンディの部屋のベッドに寄りかかる様子などがSNSに投稿されていた。もちろんルールを守った範囲で満喫することが大切だが、「もしもわたしが映画の世界でキャラクターたちと行動を共にしたら…」という想像を実現できるのも本展ならではである。ディズニー愛好家の風間も、この規模で没入できる展示は「聞いたことがない」と語る。
そんな本展のスペシャルサポーターを務める上で、風間が目指すのは「日本で開催されることをみんなに知らせる」こと。「多くの人に魅力を伝えたいという思いはもちろんですが、まずは『開催を知らなかった』という人が日本中にいないようにしたい。諸事情があって来られない方もいらっしゃるでしょうが、皆さんが開催されることや期間を把握できるような伝え方をできればと思っています」と意気込む。
2026年はピクサー・アニメーション・スタジオが40周年を迎えただけでなく、『私がビーバーになる時』『トイ・ストーリー5』と1年に2本も劇場公開される滅多にない年になる。日本のみならず世界中のピクサー熱がより一層上がっていきそうだ。
風間は「『まだ大丈夫かな』と思っていても、イベントというのはいつの間にか終わってしまうものです。なので、これを読んだ時点で計画を立てるのがオススメかなと思います。
「公の場で使う言葉ではないですが、きっと体験した後は『ヤバかったよね』って誰かと話したくなるはず。なので皆さん、僕と一緒に『ピクサーの世界展』に行きませんか? “一緒のタイミングで”という意味ではなく、“行った”という共通点を作りませんか? 皆さんと僕が一緒にピクサーの話をした時に、『ピクサーの世界展』の話をお互いに切り出すと思うんです。行った直後でも、1年後でも10年後でも構いません。感想を語り合う“いつか”のために、現地で感じた思いを脳に刻みつけていきましょう」(取材・文:阿部桜子)
展覧会「ピクサーの世界展」は、3月20日(金・祝)から10月12日(月・祝)まで、東京・豊洲にあるCREVIA BASE Tokyoで開催。前売り券は、TBSチケットまたはチケットぴあで、6月~8月分は3月12日(木)12時00分から、10月分は3月19日(木)ひる12時00分から販売開始。
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