今年でデビュー22周年を迎える韓国の歌手BoA。14歳で初々しくデビューした彼女も、35歳になりすっかり大人の女性になりました。

韓国でデビュー後、2001年に日本デビューを果たした彼女は、4thシングル『LISTEN TO MY HEART』がヒットし、日本では人気歌手に。その後、レコード大賞の受賞や紅白歌合戦の出場、東京ドームでのコンサートなど、日本で大きな成功を収めてきました。彼女の成功により日本でのK‐POPの土台が作られていったのです。昨年末に放送された『2021FNS歌謡祭』(フジテレビ系)では、日本でクリスマスソングとしてヒットした「メリクリ」を披露。当時と変わらない歌声を聞かせてくれたのも記憶に新しいですね。大人になったBoAが歌う「メリクリ」は、また違ったテイストで私たちに新しい姿を見せてくれました。日本での活動は減った彼女ですが、韓国では“レジェンド”的存在で、最近ではガールズグループの参加も話題に。全盛期と変わらぬ実力を見せる彼女のすごさに迫ります。(文=西門香央里)

■新旧メンバーの中でも輝きを放つカリスマ性

 世界各国でK-POPブームが盛り上がっていく中で、大先輩であるBoAの存在は大きいものです。彼女をロールモデルにした後輩たちも多くおり、所属するSMエンターテインメントでは取締役まで務めるほど。そんな彼女が、SMエンターテインメントが新しく始める新プロジェクト「Girls On Top(GOT)」の第1弾であるユニット、GOT the beatに参加し、話題になりました。

 「Girls On Top」は、SMエンターテインメントに所属する女性メンバーが、テーマ別に新しいユニットを披露するプロジェクト。
GOT the beatに参加するメンバーはBoAのほかに、少女時代のテヨン、ヒョヨン、Red Velvetのスルギ、ウェンディ、新人グループaespaのカリナ、ウィンターの7人。K-POP界のアベンジャーズと言われた同事務所のグループユニット、SuperMの女性版のような豪華メンツで結成されました。ミュージックビデオの中でBoAは全盛期と変わらない歌声と、キレキレのダンスを見せてくれます。

 SMエンターテインメントがここまで大きく成長したのにはBoAは欠かせない存在。参加しているメンバーの中で一番年上である彼女ですが、新旧の女性メンバーを集めたGOT the beatでも輝きを放っており、そのカリスマ性を大きく感じることができます。

■2018年にはオーディション番組の課題曲に

 一方、2001年に日本でデビューしてから精力的に活動をしてきたBoAも、ここ数年は日本での活動が少なくなってきており、特に2010年から2014年にかけては合同コンサートやほかアーティストのコンサートに参加する以外は日本でツアーを行っていませんでした。

 日本での活動が少なくなりながら、韓国でもアルバムのリリースやテレビ番組への出演などを行っており、全盛期ほどの人気はないものの、「日本で大きな成功を収めたK-POP女王」という肩書きで、韓国内ではレジェンドとして存在感を大きくしています。

 例えば、2018年に放送されたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 48』では、課題曲にBoAの「メリクリ」が出題されました。「メリクリ」は日韓同時発売されたバラード曲で、韓国語と日本語の2つのバージョンが存在します。日本ではクリスマスソングとして今でも色あせない曲ですが、その曲の日本語バージョンが課題曲として出題されたことは、日韓の練習生たちが参加していたとはいえ、日韓共にBoAの存在が大きいことを感じさせました。

■受け継がれるBoAの名曲たち

 日本での活動は少なくなっても、K-POPブームの初期を知る世代は、彼女の存在を忘れたことはありません。FNS歌謡祭で披露した「メリクリ」をはじめ、日本で彼女の名前を大きく知らせることになった「LISTEN TO MY HEART」、カッコいいダンスで人気だった「VALENTI」は、当時を知っている人たちは誰もが今でも歌える名曲です。


 以前、SMエンターテインメントに所属するアーティストたちが参加する「SMTOWN LIVE」でBoAが「VALENTI」を披露した時、会場では観客たちがノリノリで歌っていたことが思い出されます。誰もが歌える楽曲を持つということは簡単なことではなく、それだけBoAの曲が日本で浸透していたこと感じさせるエピソードです。

 今の第4次K-POPブーム世代は、BoAに夢中になった世代の子供たちと言える年齢ですが、上の世代の人たちを通じてBoAの名曲たちを知っていくことになるでしょう。

 日本のK‐POPの基盤を築いたと言っても過言ではないBoAは、これからも多くの人に愛される歌手として、変わらない存在感を見せてくれるでしょう。

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