東京湾に浮かぶ人工島(通称:24区)を舞台に、蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキら幼なじみ3人組が、死んだはずの仲間からの着信をきっかけに、愛する街と人々の“未来の選択”を迫られるオリジナルアニメ『東京24区』(TOKYO MXほか/毎週水曜24時30分ほか)。現在、第4話まで放送され、謎が謎を呼ぶ展開に注目が集まっています。

そんな本作で3人組の1人、シュウタを演じる榎木淳弥に、今回クランクイン!トレンドがインタビュー。共に物語の中核を担うラン役の内田雄馬、コウキ役の石川界人への印象や、これから新生活を迎える人へのアドバイスなどをたっぷり語ってもらいました。(取材・文=M.TOKU/写真=松林満美)

■表面的なものと違う性質を持つ幼なじみ3人

――ゲームシナリオをメインに手掛けているニトロプラスのシナリオライター、下倉バイオさんが脚本を担当した本作。最初にシナリオを読んだときにはどのような印象を持ちましたか?

街の人々のピンチを助けたりと、いわゆるヒーローもののような始まり方をする作品ですが、第1話の途中からいきなり“未来の選択”を迫られるという、シビアな展開が待っています。死んだはずの仲間からの着信があるなど謎も多くて、先が気になるシナリオですし、テーマ性が強くてとても骨太な作品だと思いました。

――榎木さんが演じるシュウタは筋トレが日課で、運動神経が抜群。正義感も強く、名前は“蒼(ブルー)”ですが、戦隊シリーズで言えば“レッド”っぽいキャラクターです。

確かに。ただ、シュウタは、幼なじみを事故で亡くしたときの自分の行動を悔やむあまり優柔不断になってしまうなど、いろいろと未熟な部分も多いので、そういった点からは名前通りの青っぽさを感じます。

そんな彼が、ラン、コウキと共にこれからどういう選択をしていくのか。それぞれの考え方の違いを比べながら作品を見るのもいいんじゃないかなと思います。

――ランとコウキはシュウタの幼なじみという間柄ですが、榎木さんから見て2人は、それぞれどんなキャラクターだと感じていますか?

ランはひょうひょうとしていていい加減そうだけども、実は自分の芯をしっかり持っていて、信念を貫く熱いタイプ。
逆にコウキは冷静そうに見えて、感情的になる側面がある。カッとなってシュウタのことを度々殴っていますし(笑)。2人とも表面的に見えているものとは逆の性質を持っている気がします。

■内田雄馬&石川界人への印象は?

――ランとコウキを演じるのは、内田雄馬さんと石川界人さん。榎木さんはお2人とこれまで何度も共演されていますが、どのような印象をお持ちですか?

2人とも今回演じるキャラクターと同じような性質を持っている気がしますね。雄馬くんは、人当たりがすごくいいけど、芯の強さを持っています。一方の界人くんはクールそうに見えて、実は感情的になってくれる面もあるのが魅力的です。僕も青い感じがするので、それぞれの性質が役にも表れているような気がしますね。

――そんなお2人を含めて、出演者の方々とアフレコ現場ではどのようなお話をされましたか?

コロナ禍の影響もあり、まだ以前のようにみんなで集まって収録できる環境ではないのですが、ロビーでお話できる機会はありました。と言っても、本当に雑談程度のものでして。強烈に思い出に残っているようなエピソードは正直、あまりないですね…(笑)。最初は集まって収録できない寂しさもありましたが、今は別々での収録が日常になっているので、慣れてしまいました。


――もう2年近くになりますもんね。では、ディレクションではどのようなことを言われましたか?

おそらく雄馬くんも界人くんも、他の出演者の方もそうだと思いますが、「自由にやっていいよ!」というスタンスでした。原作がない作品なので、監督をはじめとするスタッフさんのイメージ通りであればOKと、自由に演じられる環境でしたね。

■自分で考えて選ぶことは、本当に大切

――2021年もいろいろな作品を声で彩ってきた榎木さん。振り返ってみて、昨年はどのような1年でしたか?

先ほどアフレコ現場のお話もしましたが、人とほとんど関わらなかったんですよ。仕事が終わったらすぐに帰るという生活が続いたので、何かをやったという記憶があまり残っていないというのが、正直なところです(笑)。

――2021年は声優としてバラエティー番組などにも出演されていました。

僕は積極的にバラエティー番組に出たいというタイプではないのですが、業界の発展という意味では、テレビ番組に声優が出るのは皆さんにこの仕事や作品を知っていただく良いキッカケになるかなと思います。とはいえ、声優の本分は忘れてはいけないですし、その上で、うまく共存ができるいい関係が築けたらいいんじゃないかな。

――冒頭でもお話があった通り、本作は“選択”がテーマの作品です。榎木さんは何かを選ばないといけないとき、すぐに決められるタイプですか?

日常的なことには優柔不断なタイプですね。例えば服を買うとき。
セールだから買いたいけど、あんまり撮影で使えない気がするな…などと悩んでしまいます(笑)。反対に大きなことは早めに決めた方が楽だと思うタイプなので、声優の道を目指そうと決めたときは即決しましたね。

――そんな榎木さんから、これから新生活が始まる方や、新しく高校生・大学生になる方、社会人になる方に向けてアドバイスをお願いします。

学生の方は時間のあるうちにいろいろなことにチャレンジしたほうがいいと思います。失敗することもありますが、それもいい経験になるので。僕も失敗したからこそ分かったことがたくさんあったので、恐れずにチャレンジしたらいいと思います。

――中でもこれはやっておいたほうがいいということはありますか?

運転免許の取得ですね。声優は30歳を過ぎてから取る方が多い気がするのですが、みんな時間を工面するのが大変そうです。親にお金を借りてでも、時間のある学生時代になるべく取っておいたほうがいいと思います。

これから社会人になる方は…もう大人ですから、自分で考えてみてください(笑)。冗談っぽく言いましたが、自分で考えて選ぶことは、本当に大切ですから。責任を持って自分で選択をして進んでいけばいいと思います。


――貴重なお話ありがとうございました。最後に2022年の抱負を教えてください。

健康に気を付けたいと思います。2021年は人間ドックに行けなかったので、今年は時間を見つけて行きます。ちゃんと胃カメラも飲んで、病気も早めに見つけて、健康に活動を続けていきたいですね。

――ちなみに今後、こういう役を演じてみたいなど、願望はありますか?

役は特にないですが、スタッフさんの気合が伝わってくるような面白い作品にはぜひ参加したいです。僕たちもどれだけスタッフさんがその作品に熱を入れているのか、分かりますから。一生懸命にモノづくりをしている作品の一員に、自分も加われたら嬉しいですね。

【『東京24区』概要】
放送時間:毎週水曜24時30分ほか
放送局:TOKYO MXほか
(C)Team24/東京24区プロジェクト

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