SNSの総フォロワー数は250万を超え、ティーン世代に絶大な人気を誇る莉子。TikTokerやモデルとして活動する一方で、昨年はドラマ『ブラックシンデレラ』(ABEMA)に主演、現在は『ファイトソング』(TBS系/毎週火曜22時)に出演し、今後の待機作も続々と控えるなど、女優としての活躍も目覚ましい。

清水崇監督の「恐怖の村」シリーズ第3弾となる映画『牛首村』では、Koki,演じる詩音のクラスメイト・ミツキ役でホラー作品に初挑戦。充実の表情を浮かべる莉子に、女優業のおもしろさやファンへの思いを語ってもらった。

【写真】ファンに愛される莉子、かわいさいっぱいの撮り下ろしフォト

苦手なホラーにも迷いはなし 体を張ったシーンも

――もともとホラー作品が苦手だったそうですね。オファーが来たときのお気持ちはいかがでしたか?

莉子:この作品の試写が初のホラー鑑賞だったくらい、本当に今まで避けてきたんですよ(笑)。だから私でいいのかなという思いがありました。でも、新しい境地としてこのタイミングで清水組に参加させていただけるなんて、ありがたいお話だなって。参加に悩むことはなかったんですけど、“ホラーという怖さ”がありましたね。

――クランクイン前はドキドキですね。

莉子:廃墟に行かないといけないっていうのが…(笑)。撮影した「坪野鉱泉」は、山奥にポツンとあるんですよ。すごく怖かったけど、スタッフのみなさんはバンバン入っていくので、「大丈夫かもしれない」って(笑)。1、2時間いたら怖さはなくなっていきました。


本番は(大谷)凜香ちゃんと2人でスマホの明かりだけを頼りに演技していたので、カメラが回ってるときはずっと怖かったです。暗い中で一人で待ってなきゃいけない場面もあって、「早く凜香ちゃん来てーっ!」と心の中でずっと叫んでいました(笑)。

――今作では、かなり体を張ったシーンもありますよね。映像を観てビクッとしました。

莉子:ありがとうございます! 最初はスタントマンさんを使うという話もあったんですが、結局全部私がやることになりました。あのシーンは「怖い」というより「できるかな?」という感じだったんです。

ワイヤーで吊り上げてもらったんですけど、あんなに本格的なアクションは初めてで。過酷なシーンですけど裏ではすごく楽しかったです(笑)。手の動きや目の開き方まで監督がこだわって指導してくださって。ホラー感ってこういうところで出るんだなって、すごく勉強になりました。

主演のKoki,とは同い年 「とにかくかわいらしい女の子」

――主演のKoki,さんとは初共演です。

莉子:勝手にクールな方だと思い込んでいたんですけど、話してみたら全然そんなことなくて。
自分の言い間違いに笑っちゃうような女の子で、終始「かんわいぃ~い!」と思っていました(笑)。

――ちなみに、どんなお話を?

莉子:同い年なので、「高校卒業しちゃったね」とか「虫に刺されたぁ」とか(笑)。とにかくかわいらしくて、話しているだけで心が穏やかになるような存在でしたね。凜香ちゃんとも年齢がそんなに離れていないので、みんなで何気ない会話をしながら和気あいあいとしていました。

――さまざまなジャンルのお仕事をされる中で、女優のおもしろさはどこに感じていますか?

莉子:やっぱり、“自分じゃない人”として生きること。モデルはどれだけお洋服を綺麗に見せられるかが大事ですけど、演技はそれもありつつ、セリフを覚えるという作業も新鮮で。だからこそ、今は全部おもしろいなと思いながらやらせてもらっています。あとは、こうやって作品が無事に公開されてスクリーンの中にいる自分を観た時に、やってよかったなという気持ちが生まれますね。

――今後やってみたい役柄、作品についても聞かせてください。

莉子:暗かったり、重かったりする作品に挑戦してみたいです。悪役をずっとやりたくて。今までは、よく笑っている今どきっぽい役が多かったので、いじめる側の役とか。
私を知っている方全員に「似合わない」って言われるんですけど、難しいからこそ挑戦してみたいです。

――イメージを裏切っていきたい?

莉子:そうです! 「似合わないって言ったヤツ、誰だ~?」って言いたいです(笑)。

SNS上でのコミュニケーションは大切にしたい

――昨年7月に専属モデルを務めていた「Popteen」を卒業されて、心境の変化はありますか?

莉子:ひとつの大きな居場所を失った感覚が大きいです。「Popteen」は特殊な場所で、学校みたいな雰囲気でした。だから、社会に出て一人暮らしを始めるような感覚というか(笑)。肩書きがなくなった分、がんばらないといけないなと感じています。

不安もあるんですけど、いろんなところで活躍できるようになったら恩返しできるし、後輩にもいい影響が与えられるかなって。それを目指してがんばっています。

――コロナ禍の今でも、莉子さんはSNSを通じて変わらずファンの方との絆を大事にしているように感じます。

莉子:ここ何年かは、イベントができなくなっちゃったんですよね。もし私が逆の立場だったら、会えなくなったら冷めちゃうと思うんです。でも、ずーっと愛を持って応援してくださっている方がたくさんいるので、「いいね」をしたり、コメントを返したり、SNS上でのコミュニケーションは本当に大切だと思っています。
愛情をくれるみなさんには私も返していきたいので、空き時間にはSNSを見て、みんなのコメントに反応するように心がけています。

――SNSを始めた当初は「フォロワー数が増えてうれしい」という感覚があったのではないかと思います。今、ファンの方はどんな存在に変化しましたか?

莉子:数よりも応援してくださる方がいること自体をうれしく思うようになりました。たとえば、作品が公開されたら劇場に行ってくれるとか。本当にありがたいなと思いますし、そういう方に支えられて今の私はいるんだなって、いつも感じています。

(取材・文:nakamura omame 写真:松林満美)

  映画『牛首村』は2月18日より公開。

※Koki,のoの正式表記はマクロン付き

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