生田斗真が主演し、作・演出を鄭義信が務める舞台『てなもんや三文オペラ』が、6月より東京・PARCO劇場ほかにて上演されることが決定した。生田と鄭は初タッグとなる。
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演劇界をけん引してきた鄭が、独自の世界観でベルトルト・ブレヒトの名作音楽劇『三文オペラ』を新演出。原作となる『三文オペラ』は、1928年劇作家のベルトルト・ブレヒトにより上演された、差別と貧困・資本主義社会を痛烈に風刺した音楽劇の名作。これまでもまざまな演出家・キャストによって上演されてきた本作は、一見矛盾に満ちたデタラメでアベコベな世界が描かれるも、金がモノを言う現代の本質を捉えている。
鄭が選んだ今作の設定は、1950年代の大阪。原作の舞台・ロンドンの貧民街は、今回は第二次世界大戦で破壊された大阪砲兵工廠(現在の大阪城公園・森ノ宮地域にあった大規模な兵器工場)の跡地に置き換えられる。戦後を駆け抜ける、アウトローたちのパワーと、生きることへの貪欲さ。戦争を背負いながらも、たくましく生き抜いてきた当時の人間模様を重ね合わせ、より生々しく、ヒリヒリとした人物像を浮き彫りにする。
舞台が大阪ということもあり、登場人物は全員、全編関西弁での演技になる予定。主人公の盗賊団のボス、マック(通称:マック・ザ・ナイフ)を演じる生田斗真も、関西弁での音楽劇に初挑戦する。
生田は「生田初パルコ。気合十分です。そして仙台、福岡、大阪、新潟、長野と今回初めて舞台に立つ場所もあり、今からワクワクしています」とコメント。
初タッグとなる鄭については、「初めてお会いした演出の鄭義信さんは『あれ!? 意外とオジサンなんだ!』という第一印象でした(笑)。これまで拝見した作品から伝わる熱量で勝手に“若者”をイメージしていたので、衝撃でした(笑)」と語っている。
鄭も生田について、「もの静かな中にも、燃えるような闘志を感じさせる」と印象を語り、「彼とひと癖もふた癖もある共演者たちが、どんな化学反応を起こすのか、今から楽しみにしています」と期待。そして、本舞台が「コロナですっかり活力を失った生活の、ささやかな精力剤になれればと、思っています」とメッセージを送った。
パルコ・プロデュース2022『てなもんや三文オペラ』は、6月8~30日に東京・PARCO劇場にて上演。東京公演を皮切りに、7月より宮城、福岡、大阪、新潟、長野で順次上演される。
コメント全文は以下の通り。
<コメント>
◆作・演出:鄭義信
『三文オペラ』は乱暴に言うと、盗賊と乞食と娼婦の世界の話です。原作をあらためて読み返すと、思った以上に、猥雑で、下ネタも満載…それでも、当時、この作品が大受けしたのは、時代のなせる業もあったでしょうが、登場人物たちの「どっこい生きてる」的なたくましさに、観客は大いに拍手したのではないでしょうか。
今回、一九五〇年代の大阪造兵廠を舞台に選んだのは、当時のアパッチ族と呼ばれた人々の生きざまが、『三文オペラ』の登場人物たちとだぶって見えたからです。
生田斗真さんとのタッグを組むのは、今回、初めてです。もの静かな中にも、燃えるような闘志を感じさせる彼と、ひと癖もふた癖もある共演者たちが、どんな化学反応を起こすのか、今から楽しみにしています。
◆主演:生田斗真
憧れのPARCO劇場で一ヵ月お芝居をさせていただける事、大変光栄です。
東京の若者文化のど真ん中・渋谷に面白い芝居を上演している劇場が存在する事は、とても大切な事だと思っています。
生田初パルコ。気合十分です。そして仙台、福岡、大阪、新潟、長野と今回初めて舞台に立つ場所もあり、今からワクワクしています。
台本を拝見したら、戦後の大阪に舞台が置き換えられていて、セリフがすべて関西弁でした。関西弁での演技は、ドラマ・映画も含めて、今回が初挑戦になります。
そして、『三文オペラ』は音楽劇ですので、歌唱シーンも沢山登場しますし、沢山稽古して、楽しい舞台になればと思っております。
先日初めてお会いした演出の鄭義信さんは「あれ!? 意外とオジサンなんだ!」という第一印象でした(笑)。
そんな鄭さんも「必ず面白くします!」と仰っていましたし、僕自身も非常に楽しみにしております。
これまでにも多くの方が演じてきた名作『三文オペラ』を、鄭義信さん流にアレンジした『てなもんや三文オペラ』ご期待ください!