映画『メタモルフォーゼの縁側』でダブル主演を務める芦田愛菜と宮本信子が、主題歌を歌唱してことが発表された。「うらら&雪」のコンビ名で、T字路sの「これさえあれば」をカバーしている。



【写真】芦田愛菜×宮本信子『メタモルフォーゼの縁側』ムビチケカード&特典ビジュアル

 「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の同名漫画を実写化する本作は、BL漫画を通じてつながった17歳と75歳の女同士の友情を描く。

 主人公の佐山うらら(芦田)は、こっそりとBL漫画を読むことを毎日の楽しみにしている17歳の女子高生。もうひとりの主人公・市野井雪(宮本)は、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の老婦人。雪がきれいな表紙に引かれて買った漫画がBLだったことをきっかけに出会った2人は、雪の家の縁側に集まり、読んでは語りを繰り返すことに。そして2人はある挑戦を決意する―。

 芦田と宮本がT字路sの演奏で歌った主題歌「これさえあれば」は、劇中のうららと雪の友情を表したような息がぴったりと合ったデュエットになっている。

 エンディングを飾ることについて芦田は「漫画に出会えたうららの気持ちになって、歌えたような気がしています。この曲を聴いていると雪さんとの二人のシーンが思い浮かぶんです。素敵な映画のエンディングになったと感じました」とコメント。

 宮本は「二人の歌をエンドロールにしたい!と言われた時は、もうビックリしました。青天の霹靂(へきれき)! 責任重大! とてもむずかしい楽曲でしたが、レッスンを受けて、なんとか本番に間に合いました」と語っている。

 男女2人のバンド・T字路sは、主題歌のみならず本作の音楽全般を担当。
さらに、ギター・ボーカルの伊東妙子は、うららの母親役として俳優出演も果たしている。

 これまで映画主題歌を提供したことはあるが、映画音楽を制作するのは初となるT字路sの2人は、芦田と宮本のレコーディングを終えた感想を「簡単なようで節回しがややこしく歌いにくかったかと思うのですが、こんなにチャーミングに、晴れやかに、凛々しく、表現してくださりとても嬉しく感激しました」とコメントした。

 本作の特典付き前売り券は、4月8日よりメジャー通販サイトにて販売開始される。前売券購入特典として、映画のキャラクターや場面を両面にあしらった「オリジナルクリアファイル」か、劇中で主人公たちが熱狂するBL漫画のキャラクター咲良と佑真(作画・じゃのめ)をあしらった「咲良&佑真のトキメキバックハグクリアポスター」のどちらかが選べる。

 映画『メタモルフォーゼの縁側』は、6月17日より全国公開。

 コメントは以下の通り。

<コメント>

◆芦田愛菜

 スタッフの皆さんにすぐ後ろで見て頂きながらレコーディングしたので、すごく緊張していたのですが、歌っているうちにだんだん楽しくなりました。

 漫画に出会えたうららの気持ちになって、歌えたような気がしています。

 この曲を聴いていると雪さんとの二人のシーンが思い浮かぶんです。素敵な映画のエンディングになったと感じました。

◆宮本信子

 二人の歌をエンドロールにしたい!と言われた時は、もうビックリしました。青天の霹靂! 責任重大!

 とてもむずかしい楽曲でしたが、レッスンを受けて、なんとか本番に間に合いました。


 レコーディングは緊張しましたが、先生からの「信子さん、のって、のって~~歌って~~。いつものライブのように!」のお言葉を胸に、楽しく一生懸命歌いました。

◆T字路s

――劇伴を制作したご感想

 劇伴音楽の制作はまったく初めてのことでしたが、私達が何より幸せだったのは、この作品をとにかく大好きになったことで、手探りながらも無我夢中で情熱を傾けることができました。

 うららも雪さんも愛しくてたまらなく、だからこそ、寄り添い感情移入するところ、逆に俯瞰したり距離を置くところ、シーンによって試行錯誤しました。普段は作らないような曲調、使わないような楽器や音響効果を織り交ぜたりもして、この上なく楽しく充実した、全力の挑戦でした。

――芦田愛菜さん、宮本信子さんのレコーディングを終えたご感想

 うらら(芦田さん)と雪さん(宮本さん)おふたり+おふたりが、今日まで生きて来られたなかで紡がれた物語そのものが乗り移ったような歌声に、歌い出した瞬間にハッとして引き込まれ、歌い終わる頃には胸がいっぱいになりました。

 簡単なようで節回しがややこしく歌いにくかったかと思うのですが、こんなにチャーミングに、晴れやかに、凛々しく、表現してくださりとても嬉しく感激しました。

 実は10年以上前に作った曲なのですが、この映画のために作ったかのようにぴったりですよね?

――完成した映画を観たご感想

 自分達が作った曲が実際に映像に当てはめられると、表情(から感じ取られる心情までも)が、音楽に合わせて変化してゆくように見えて、震えるほどの感動がありました。

 傍目には何の変化もないように見えるかも知れない、でも、好きなものが出来ただけで人生はこんなにも動き出し、輝く。

 うららを、雪さんを抱き締めたいと思う気持ちは自分自身を抱き締めたい気持ちでもあると感じます。

 劇伴制作をしながら何十回観たかわからないけれど、完成した映画はますます愛おしい作品になっていました。たくさんの人に観て欲しいし、何回でも観て欲しいと心から願っています。

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