ニューヨークがMCを務める冠番組『NEWニューヨーク』(テレビ朝日系)。もともとは深夜25時台からの放送枠「バラバラ大作戦」で放送されていた番組が、6日から23時台の「スーパーバラバラ大作戦」へ昇格した。
【写真】「仕事が急に減ることもあるんじゃないか」 ブレイクの心境を明かしたニューヨーク
初の冠番組は「テンションが上がった」 一方でスタッフへの苦言も
ーー2021年4月から放送が開始された『NEWニューヨーク』ですが、「TELASA presents バラバラ大選挙」でグランプリを獲得し、6日から23時台に昇格することになりました。まずは1年間、冠番組を持ってみて、よかったことと大変だったことを教えてください。
屋敷裕政(以下、屋敷):番組の時間中、ずーっと自分たちが映っていることがすごく新鮮でうれしかったです。今まではテレビに出たときに、どこを使われるかとか、出番がどれぐらいあるのかがわからなかったですからね。番組が始まった当初は、それにすごくテンションが上がりました。
嶋佐和也(以下、嶋佐):冠番組って、周りからの反響がすごいんですよね。「ニューヨークの名前が付いた番組が始まったね」といろんな人から言ってもらいました。あとは自分たちがメインでできる番組は、本当にこの番組だけなので、自分たちが主体となって自由にいろんなことをやらせてもらったり、仲の良い芸人さんに来ていただいたりしていて、それがすごくうれしいです。
屋敷:逆に大変だったことは、オンエア時間が15分とかなのに、めちゃくちゃ長時間撮影することですね。半日とか丸一日かけて撮るので、スタッフさんも大変やと思います。
嶋佐:あとは、何をやらされるかを知らされていない回もあって。それが普通にしんどいときはあります。
屋敷:今日(取材日は昇格後初回の生放送が行われた4月6日)の生放送も、何も知らないんです。ただ、さっきネットニュースを見たら、めっちゃ詳しく書いてあって…なんか今日、ほんこんさんとか、なかやまきんに君さんが来るみたいやで? モノボケとかもやらされるっぽいし、苦手やって言ったんやけど、結構きついっすね。
嶋佐:俺もそれ見てびっくりした。初回から、ちょっとしんどそうっすね。最近、こういうむちゃなことをぶっつけでやらされることが多いんですよ。
ーーニューヨークさんは2019年から自分たちのYouTubeチャンネルを開設しました。ある意味、冠番組を持つ前からコンスタントに発信を続けていらっしゃったのかなと思うのですが、その違いをどのように捉えてらっしゃるのでしょうか?
屋敷:YouTubeもテレビもスタッフさんが考えたことをやるという意味では似ていると思います。ただ、テレビは終わっちゃう可能性があるので、そこは大きな違いであり、不安な部分ですよね。
嶋佐:僕はロケができるのはテレビ番組ならではだと思っています。
ニューヨークがブームを感じた瞬間は?
ーー2020年ごろ、先輩芸人・かまいたちさんとコラボしたYouTubeライブや、地上波のバラエティー番組で「どうしたら売れるか」「ブレイクするには」とお話ししていたお二人ですが、2021年にはテレビで見ない日はないと言っても過言ではないほど、ご活躍されていました。お二人は「売れたな!」と実感した瞬間があれば教えてください。
屋敷:客観的に見たときに、番組に出演する機会はすごく増えているので「売れてきたな」とは思います。でも、個人的には「いつまで続くんやろうな」とか「上には上がいるし」と思っているので「売れた!」という実感はないんですよね。むしろ急に(仕事が)増えたので、急に減ることもあるんじゃないかなって思っています。「減らへんように…」ということを考え始めたら、すごくしんどくなりそうなんで考えすぎないようにはしてますけどね。
嶋佐:仕事内容が変わってきたんですよね。今まではなかったようなCMの仕事とか、山本美月さんと記者会見に登場するだなんて思ってませんでしたよ。でも、僕らだけじゃなくて、みんなたくさん仕事していますよね。オズワルドもよく会見に出ている印象ですし、タクシーに乗ったら芸人の誰かしらが出ているCMが流れていますから。2019年、2020年の「M‐1」に出ていた人たち、みんな忙しそうだなと思って見ています。
ーーたしかにCM以外にも、お笑い番組やバラエティー番組なども増えていて“お笑いブーム”が起きているように感じることも多いです。
屋敷:すごくひとごとな部分もあるし、冷静に見ちゃってます。でも、不思議なのが街を歩いていて「キャー」と言われるようなブームじゃないんですよ。ただ、スタッフさんの企画書が通りやすくなったブームなんです。考えてみれば2015年ごろから、深夜帯にネクストブレイク芸人としてテレビには出させてもらうことはあったんですよ。ただ、それが最近はより活性化されているような気がしています。たぶん熱量のあるディレクターさんたちの企画書が、しっかりと見てもらえるようになんたんやろうなと個人的には感じています。
嶋佐:ブームとは少し違うけど、最近はいろんな番組に出るたびに、近い世代の芸人さんと一緒になることが多いなと感じています。それこそ、少し前までは、だいぶ上の人がたくさんいて、俺らみたいな若手が少数みたいなシチュエーションが多かった中で、最近はその比率が変わっているようになったなって。そういうのを見て、確実に世代が変わってきている感じはしますね。
今のニューヨークは「上がっていくことも、失速することもあり得る」
ーーコント、漫才、テレビ…と活躍の幅が広いなと感じているのですが、お二人が今考える「ニューヨークのこんなところに注目してほしい」というポイントを教えてください。
屋敷:良い意味でも悪い意味でも、すごく途中にいるコンビだと思うんです。
嶋佐:案外、去年と一緒かもしれないしね。
屋敷:去年はだいぶ仕事増えたし、このまま現状維持というのが1番ない気がするんですよね。5年後、全く同じポジションにはいないと思うし、自分でもどうなるかは気になるところです。
ーー今後、力を入れていきたいこと、やってみたいことはありますか?
屋敷:1番自分らでコントロールできるYouTubeや、テレビの仕事の比重がスケジュール的には大きくなっていますけど、基本的には単独ライブ、YouTube、テレビ全部をバランス良くやりたいですね。
嶋佐:まだやったことのない活動があれば、やりたいですけどね。実は、これから発表できそうなことも、いくつかあるので、楽しみにしていただければと思います!(取材・文:於ありさ 写真:高橋ゆり)
『NEWニューヨーク』は、テレビ朝日系にて毎週水曜23時45分放送(※一部地域を除く)。